保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

今年最後の運航に思う400年目の保津川下り・・・

2006-12-11 11:48:12 | 船頭
昨日で今年最後の営業となった「保津川下り」

創業して400周年という記念の年を昨日、静かに終了した「保津川の川下り」

昨日の操船には、自分自身がこの「400年」にかけ取り組んだ
様々な出来事や人との出会いなどを思い浮べ下った。

前年度、遊船組合内で組織された委員会の長に任命されたあの日から・・・

昨年フランスから出てきて話題となった「110年前の保津川下りフイルム」
そのフイルムを来年、亀岡に貸し出して戴こうと、周囲の反対を押し切り
委員会メンバーと夜行バスで東京の近代国立美術館を訪れた暑い夏の日。

400年目の川を美しくしようと奉仕で清掃活動に
立ち上がってくれた若き船頭衆たち。
川を花盛りにしようと桜の植樹事業も立ち上げた。

市文化資料館・黒川館長の指導のもと、船頭たちの手作り制作で
完成したハイレベルな「保津川下り400年・記念展示会場」

一冬賭けて舞台設営と出演者交渉に当った「400年記念・川開イベント」
生憎の冷たい雨に見舞われたが、いやな顔一つせず最後まで演じて下さった
出演者とスタッフの皆さん。

市議会の西口議員の企画による「イギリス皇室への手紙」
地元保津のこども達の思いにイギリス皇室が応えて下さった。

亀岡市でも「保津川開削400周年」をすすめる実行委員会を設立して
いただき、官・学・民・産が一致協力した組織を結成、最終目標に
「保津川の文化的景観を世界遺産に!」という将来への大きな夢を
繋いで下さった。

大勢の市民が参加して下さった「保津川クリーン大作戦」

イスラエルとパレスチナのこども達と保津川に流す予定だった
「ピースリーフ&フレンドシップ・ささぶね流し」

丹波亀山城址のお堀に保津川の船を浮べライトアップした
「了以にであう夢開削・水の庵」

これからの「保津川」を担うこども達に、もっと深く
保津川の歴史・自然に触れてもらうために開かれた
「こどもシンポジウム2006」

400年に湧き上がる保津川に冷水を掛ける様に落ちてきたあの石。
進まぬ対策、低下する営業状況に組合始まって以来の危機的事態へ。
そして今だ来シーズンの運航形態のメドは立っていない。

しかし!

江戸時代初期から延々と受け継がれた伝統ある川下りの
姿を今もそのまま残している日本唯一の船「保津川下り」

今では数ある京都観光の中でも一種、異彩を放つ存在である
自然体感型・リアルネイチャーな観光業だ。

この節目の年に起った出来事。いい事も悪い事も全てを
受け入れ、その節から素晴らしい新芽が噴き出てくるそんな
「保津川下り」に成長できる機会にしなくてはならない。

自分自身にとってはこの「400年」の事業はまだまだ
不完全燃焼に終わった感が強い。「400年」はホンの
通過点に過ぎず、さらに新たな仕掛けをどんどん施し
保津川の魅力の再構築を図り、未来永劫伝えて
残してゆかねばならない使命がある。
そしていつの日か「世界遺産」に登録され、
日本の、いや!世界の宝として愛される存在にならねばないらない。

この寒い冬を耐え凌ぎ、温かくなる春には笑顔を取り戻せる様に・・・