保津川下りの船頭さん

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旧近衛公の別荘で湯豆腐料理、料亭・松籟庵。

2006-12-14 21:22:27 | シリーズ・京都を食う!
渡月橋を上流に向うと左岸に亀山公園がある。

その山裾をさらに上流へ向かうと、桂川(保津川)にへり出す様に
ひっそり建つ「料亭・松籟庵(しょうらいあん)」が見えてくる。
喧騒を忘れさせてくれる静かな場所に、趣ある数奇屋造りで
建つこの料亭は、かって近衛文麿伯爵が別荘として建てたもので、
京都でも有数の名建築と云われるもの。

その近衛公の別荘跡で料亭をひらいているのが「松籟庵」なのだ。
女将は『小林芙蓉』という有名な書道家で「料亭」は「アトリエ」
としても使用されるそうだ。

松籟とは元々、海風が吹く音と木々の枝(松など)が揺れる音が
一体となった音の意味で、この地に別荘を建てた近衛公が、
嵐山の谷を吹き抜ける風の音とざわめく松の音が
渾然一体となって作りだす音風景を感じることが
出来る場所として「松籟庵」と名付けたと云われる。

料理は湯豆腐を中心とした京料理。
湯豆腐料理の本場嵐山・嵯峨野の中でも指折りの名店に数えられる。


全ての部屋が桂川の方を向いて建てられており、その窓から眺める
景色のどれもこれもが、昔から都人が愛で親しんだ風景だ。
いにしえの風流を楽しみながらお食事がいただけるのも、
平安の昔から貴族の別荘地であった嵐山ならではのこと。


山裾の川辺に建つ建物だけに、狭い渡り廊下や中二階への短い階段で
各部屋が結ばれているのが、なんとも懐かしさを感じさせてくれる。


いただいたメニューはもちろん「湯豆腐懐石・松籟」だ。
ごま豆腐に豆腐揚げのあんかけなど嵯峨豆腐尽くし料理のオンパレード。
湯葉のてんぷらなどが出てくるもの京料理ならでは。

そしてメインはやっぱりこれ!「湯豆腐」。
松籟庵自慢の昆布だしに、嵯峨豆腐で名高い「森嘉」の
極上豆腐でいただく湯豆腐はさすが絶品!
かつお節でとった特製醤油のつけタレが豆腐の本来の自然な
旨味を引き出し、深い味わいを醸し出します。
あまりの美味しさに豆腐のお替りをしたのは言うまでもない。

午後5時以降は完全予約制となっているが、お昼は、
フリーで来店できる。またメニューもこの湯豆腐懐石のほかに、
抹茶や趣向を凝らした創作羊かんなどもいただける甘味処としても
営業されており、嵐山散策の後に気軽に訪れるのもいだろう。

元貴族の別荘で、風光明媚な嵐山の景色を愛でながら優雅に食事とお茶をいただく。

そんな贅沢な空間が広がるのが「松籟庵」なのだ。


★料亭・松籟庵
 お料理
 湯豆腐懐石・松籟
 午後5時以降は完全予約制
 5000円コースと1000円コース
 お昼
 湯豆腐懐石 3800円~5000円

営業時間:午前11時~午後5時 5時以降は完全予約制
     定休日は水曜日
住所:616-8386 京都市右京区嵯峨亀ノ尾町官有地内
電話:075-861-0123
座席:40席(座敷席のみ) ■駐車場:なし
■交通アクセス:JR嵯峨嵐山駅から西へ。徒歩15分