「美しい国」今の内閣のキャッチフレーズだ。
凛とした精神性を持つ国民が創る誇り高い国という意味だ。
幕末の昔、日本を初めて訪れた欧米人の紀行記に
当時の日本人を表現したこんな一文を見つけた。
「日本に着いた時に港を監視する門番の侍にチップを
渡そうとした時、彼らは『これは私の仕事だ。
当然のことをしているまで、お金など貰う理由がない。
理由のないお金は戴けない』とガンとして受け取ろうと
しなかった。」
仕事に対する誇りと、いわれのない金は受け取らない
という毅然とした態度に精神性の高さを感じた彼らは
日本の街を歩いて、さらに驚いた!
「日本という国の街中にはゴミが一つも落ちていない!」
精神性の高さは清潔感に比例する、素晴らしい国民性の
国として当時の日本国を絶賛して母国へ紹介したという。
当時まだ世界で三流国程度の国力しかなかった日本。
それから約130年経ち、今や世界第2位の経済力を
持ち世界でも最も豊かな一流国になった日本。
「食足りて礼節を知る」という言葉がある。
が、今の日本の現状はどうであろうか?
私達、船頭が春の開幕前に実施している「保津川の川掃除」が
今週の水曜日から始まった。
今日は雨の為、中止となったが、水、木の二日間で延べ64人を
動員し、保津峡の全区間の約半分の工程を終了した。
川掃除は保津川下りの乗船所を始点とし、川の両岸二手に分かれ
川岸のゴミを拾いながら、嵐山までの16キロを歩く。
ゴミは川下りの船2艘を出し、随時運び込みながら下流へ進んで行く。
川岸に溜まるゴミはペットボトルに空き缶、スーパーのビニール袋
農業用肥料のビニール、トレイ、中にはバイクや自転車まである。
どれもこれも使用者一人一人がゴミ箱に捨てていれば出ないゴミばかりだ。
道中はイバラだらけの中、痛みに耐え、時には傾斜の険しい崖に
へばり付きながら引っ掛かったゴミを取る。
腕に食い込んでいくゴミ袋の重みに耐えながら、険しい川岸を
ゴミを拾い、ひたすらに歩きながら、モラルと誇りをなくした
日本人の心の荒廃を嘆く。
まだ全工程の半分というのに、2艘の船はゴミで満杯になる。
これだけのゴミが渓谷に流れ着いて引っ掛かっていたのだ!
しかもまだ半分の距離の間でだ!
保津川下りには毎年、海外から大勢のお客さんがお越しになる。
中には世界のVIPクラスの方も乗られる。
彼らがこの荒れ汚れた川と山の風景を見たらどの様に感じるだろうか?
そしてどの様に日本を母国に紹介するだろうか?
幕末のそれとは正反対の評価であることは想像に難くないだろう。
もはやこれは保津川下りだけの問題だけではなく、日本国の国民性の
貧しさ、恥を海外に晒す事に等しく、国益にも少なからず
影響するといっても過言ではないだろう。
時あたかも昨年18年12月に「観光立国推進基本法」が制定され、
日本国は国際社会に向かっても、観光地振興に本腰をいれるという。
海外から来た人々に本当に「美しい日本」を見せられるかは、
私達、国民一人一人の意識に掛かっているのは言うまでもない。
この意識改革ができなければ「美しい国」は掛け声だけに終わるだろう。
しかし、今我々にはそんな大局を語っている暇はない。
ただひたすら目に前にあるゴミを一つ一つ拾うしか方法はない。
ゴミすすにまみれながら、荒れた山の中を歩きながら、そう感じた・・・
川掃除は後二日続く。
凛とした精神性を持つ国民が創る誇り高い国という意味だ。
幕末の昔、日本を初めて訪れた欧米人の紀行記に
当時の日本人を表現したこんな一文を見つけた。
「日本に着いた時に港を監視する門番の侍にチップを
渡そうとした時、彼らは『これは私の仕事だ。
当然のことをしているまで、お金など貰う理由がない。
理由のないお金は戴けない』とガンとして受け取ろうと
しなかった。」
仕事に対する誇りと、いわれのない金は受け取らない
という毅然とした態度に精神性の高さを感じた彼らは
日本の街を歩いて、さらに驚いた!
「日本という国の街中にはゴミが一つも落ちていない!」
精神性の高さは清潔感に比例する、素晴らしい国民性の
国として当時の日本国を絶賛して母国へ紹介したという。
当時まだ世界で三流国程度の国力しかなかった日本。
それから約130年経ち、今や世界第2位の経済力を
持ち世界でも最も豊かな一流国になった日本。
「食足りて礼節を知る」という言葉がある。
が、今の日本の現状はどうであろうか?
私達、船頭が春の開幕前に実施している「保津川の川掃除」が
今週の水曜日から始まった。
今日は雨の為、中止となったが、水、木の二日間で延べ64人を
動員し、保津峡の全区間の約半分の工程を終了した。
川掃除は保津川下りの乗船所を始点とし、川の両岸二手に分かれ
川岸のゴミを拾いながら、嵐山までの16キロを歩く。
ゴミは川下りの船2艘を出し、随時運び込みながら下流へ進んで行く。
川岸に溜まるゴミはペットボトルに空き缶、スーパーのビニール袋
農業用肥料のビニール、トレイ、中にはバイクや自転車まである。
どれもこれも使用者一人一人がゴミ箱に捨てていれば出ないゴミばかりだ。
道中はイバラだらけの中、痛みに耐え、時には傾斜の険しい崖に
へばり付きながら引っ掛かったゴミを取る。
腕に食い込んでいくゴミ袋の重みに耐えながら、険しい川岸を
ゴミを拾い、ひたすらに歩きながら、モラルと誇りをなくした
日本人の心の荒廃を嘆く。
まだ全工程の半分というのに、2艘の船はゴミで満杯になる。
これだけのゴミが渓谷に流れ着いて引っ掛かっていたのだ!
しかもまだ半分の距離の間でだ!
保津川下りには毎年、海外から大勢のお客さんがお越しになる。
中には世界のVIPクラスの方も乗られる。
彼らがこの荒れ汚れた川と山の風景を見たらどの様に感じるだろうか?
そしてどの様に日本を母国に紹介するだろうか?
幕末のそれとは正反対の評価であることは想像に難くないだろう。
もはやこれは保津川下りだけの問題だけではなく、日本国の国民性の
貧しさ、恥を海外に晒す事に等しく、国益にも少なからず
影響するといっても過言ではないだろう。
時あたかも昨年18年12月に「観光立国推進基本法」が制定され、
日本国は国際社会に向かっても、観光地振興に本腰をいれるという。
海外から来た人々に本当に「美しい日本」を見せられるかは、
私達、国民一人一人の意識に掛かっているのは言うまでもない。
この意識改革ができなければ「美しい国」は掛け声だけに終わるだろう。
しかし、今我々にはそんな大局を語っている暇はない。
ただひたすら目に前にあるゴミを一つ一つ拾うしか方法はない。
ゴミすすにまみれながら、荒れた山の中を歩きながら、そう感じた・・・
川掃除は後二日続く。