保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川に秋の豪雨が!はっちん支部の舟守り奮闘記。

2009-11-11 23:23:26 | 船頭
保津川遊船企業組合の支部長にとって重要な仕事のひとつに「舟守り」があります。

その名のとおり、川に係留されている舟の守りをする仕事で、出船後、
嵐山から帰った舟を係留場に並べる整理整頓作業並びに舟に溜まった雨水の
掻き出し作業、また洪水時の舟の避難作業などが主な内容です。

年間の通して10日ごとに4つの支部が交代で舟の管理をしているの
ですが、昨日から私はっちんの所属する3支部がその担当へ。

すると・・・早速、秋の豪雨が・・・

以前、このブログでも書きましたが、7月のゲリラ豪雨と10月初旬と
台風18号の時も我が支部の担当日で、舟を避難させ、役員一同
夜通しで警戒待機体制を布いたことは記憶に新しいところ。

それが、またしても交代した瞬間に秋の豪雨に見舞われるとは?
これはいったいどういう訳でしょう?

交代日までは、爽やかな秋晴れの日が続いていたのにです・・・

すっかりまわりの船頭から「雨男」のレッテルを貼られてしまった感のある
3支部・支部長のはっちん。

今日は、早朝4時から雨が降り続ける河原の係留場へ行き、舟の状態を監視。
その後、支部員全員で雨水が溜まり傾き掛けた舟の排水作業を実施し、
再び遊船事務所にて監視体制を布きました。

今回は舟を避難させるほどの河川水位の上昇は起こりませんでしたが、
上流のダムの放水が発表され予断を許さない状況にあり、また、乗船場には
昨日出航できず残った舟が一艘繋いであったのです。

この舟が実はやっかいで、水位上昇で水没した乗船場の上に浮かんでいたのです。

このまま放置すると、水位減少した際に乗船場の上に座礁し乗り上げてしまいます。
こうなると1tはある舟を川へ下ろすことが困難となり、ニッチもサッチも
いかなくなるのです。

対策はただひとつ。
水位の引きを待って人力で浮かぶ舟を川へ押し戻すしかありません。
徐々に減少する水位を見守りながら、押し戻すチャンスを待ちます。

待つこと5時間。あたりはすっかり暗くなっていました。
この状態の作業は危険が伴います。

乗り場と川の境目が全く見えない中での作業、足を踏み外したり、掬われて
転倒したりすると氾濫している川に飲み込まれ命の保障はありません。
「ここで足を滑らし川に流されたら、明日のニュースになるな~」

「『保津川の船頭、舟の監視作業中に流される!』って見出しで」

「シャレにならんな~」・・・

などと口々に話しながら、注意深く作業を進め、なんとか舟を乗り場から
下ろせたのは午後21時過ぎ・・・

本当に大変な「舟守り」体験談。

舟守りの度にこれだけ雨を降らせる支部長も珍しいそうで、
保津川400年の歴史に燦然と輝く(?)ギネス級のことかも。

天気予報を見ると今週、まだ雨マークが数日出ています。

なんとか、無難にやり過ごすことを祈るのみ・・・の心境です。


しかし、はっちんは「雨乞いの神」になれば凄い御利益を及ぼすことができるかも・・・