保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

洪水で荒れた川を‘人の手’で復旧する川・保津川で息づく精神

2018-11-16 08:11:44 | 船頭の目・・・雑感・雑記
今年は洪水の年だった・・・で終わるのか?と思っていたら、
なんと!渇水状態まで起こるとは・・・

自然の中で生業をすることは、かくも厳しいものなのか!

水位の減少にともない、船頭隊は身を切るような秋風が吹く中、
冷たい川の中へ飛び込み、運航上、邪魔になる流石や土砂を取り除く作業に
連日、取り組んでいる。

時には足場を確保するのも困難な急流部で、時には山のように盛り上がった土砂が
溜まる瀬で、船頭たちは体力が続く限り、川という巨大な自然と対峙する。

自然と共生する・・・という美しい言葉がある。私も好きな言葉だ。

だが、自然はけして、人間との共生などという、対等な関係を許してはいない。

人間は自然の一部なのだ。自然という大きな存在の中で「生かして貰っている」に過ぎない存在だと自覚する。

雨はまだ降らない・・・

我々は、人間力でできる限りの事しか出来ないが、1200年間も継承してきた、
川の水運と生きてきた「先人の知恵」と「伝統の技術」を駆使して、
生き抜く道を切り開いていくしかない。

巨大で急流の川を、人力で復旧している川は、世界広しといえども、ここにしかない。

自然に生かされ、人が生業をすることとは?

その答えは、ここ‘保津川’に今も息づいている。