今月11日に来日した中国の温家宝首相が明日13日、
京都を訪れ、私達保津川下りの終着地・嵐山にも
お越しになります。
小泉政権以来約6年間、お互いの首相同士が直接会うこと
すらなかった日本と中国。
その冷え切った関係を正常に戻す為、友好的外交の一歩として
今回、来日された温首相。
中国本国でも、一昨年の反日暴動時とは
一転して国内は親日ムード一色とか。
来日後行なわれた政府や経済界などとの外交スケジュールを
終え、明日の最終日を京都で過ごされるそうです。
京都嵐山の亀山公園には1978年8月、日中平和友好条約が
調印されたことを記念して建立された「周恩来総理の詩碑」
があり、今回温首相もこの詩碑を訪れられるのです。
以前、このブログでも
紹介したことがありますが、
この詩碑は日本で学ぶ事を目的に訪日した周恩来首相が
夢破れ帰国する前に訪れた嵐山で詠まれた詩が石碑にされたもの。
この嵐山の地を眺めながら、中国共産党の核となる思想・マルクス思想の
知識を日本で得た喜びを「一点の光が差し込めたような感動」
と表現し詠んだ詩で、日中友好の象徴というだけでなく
今日の中華人民共和国の建国にとっても関係の深い地として
記念碑がある嵐山を位置付けているのです。
日本ではあまり注目されない嵐山亀山公園にある詩碑ですが、
中国や台湾、香港などから来られる観光客の間では
必ず訪れるといってもいい日本の観光スポットなのです。
私達保津川下りの着船場が、詩碑のある亀山公園の入り口の
すぐ側にあることから、厳重な警戒態勢が敷かれる為、
明日は船を着船場に着けることができないそうです。
明日お越しのお客様には、嵐山右岸の屋形船乗り場で
降りていただくことになります。御迷惑をおかけしますが
何卒、御協力お願い致します。
靖国問題や尖閣諸島の領土問題、東シナ海の天然ガス問題など
政治レベルではまだまだどん底にある日中関係ですが、
経済関係では約24兆を越える貿易高を揚げるなどアメリカを
抜いて日本の最大の貿易相手国になった中国。
したたかで油断の出来ない国である背景は見え隠れするものの、
両国関係正常化を進めることは、今後の日本にとって
最も重要な課題であることはいうまでもありません。
明日は京都滞在中に我が母校である
立命館大学へも訪問し
学生達との対話を通して日本の若い世代との交流も進めるなど
未来志向の旅を強調されるようです。
中国では珍しい(?)庶民の目線を持ち、親近感があるとして
中国国内でもとても人気が高い指導者といわれる温家宝首相の
今回の来日が、両国のよりよい発展へ繋がれば、なにはともあれ
一国民としは喜ばしい限りです。
今回の日中トップ外交が、暗い両国間の現実に
「一点の光が差し込めた」となる様に祈りたいです。
嵐山亀山公園には保津川下りの生みの親
角倉了以翁の銅像も建っています。