創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

1946 21

2024-03-06 08:52:59 | 俳句日記
1946 21
心電図
左胸が痛い。
循環器内科の定期診察に妻に付き添ってもらった。
「胸が痛くって」
「いつどのように?」
しどろもどろの僕に、
「しょっちゅう言うてます」と妻が一言。
心電図を取ることになった。
さっさと動く妻について行くのが精一杯。
「病気になりそう」
一つしか違わないのに。
お婆ちゃんはお爺ちゃんより元気なのだ。
「正常です三年前と全然変わってないですよ」
胸の痛みもましになったような気がする。

【一句】年寄りの不安死ぬこと桜咲く

1946 19

2024-03-04 10:56:37 | 俳句日記
1946 19
スーパー
歩いて五分ほどの所に大きなスーパーマーケットが五年ほど前にできました。
「ここにスーパーが出来ます」と不動産屋が言っていたのを思い出します。
五十年近く前です。
自転車を取り上げられたお爺さんは、買い物難民を免れました。

【一句】可愛い子のレジを選んで木の芽時

1946 18

2024-03-03 10:36:20 | 俳句日記
1946 18
「ドラえもん」
「ドラえもん」のび太と空の理想郷(ユートピア)を観ていた。
少しわくわくする。
孫と観たのは「アンパンマン」。
長女と観たのは「スーパーマン」。
字幕だった。
必死に説明するアホな若い父。
今度会ったら覚えているか聞いてみよう。
家族で観たのは、「ジュラシック・パーク」
三人の娘は大人になっていた。
梅田の北野劇場だったと思う。
超満員だった。

【一句】「ドラえもん」一人鑑賞春灯(はるともし)

1946 17

2024-03-02 10:42:24 | 俳句日記
1946 17
つげ義春
『ネジ式紅い花』つげ義春著
すごい本だ。
高価なのだが十分値打ちがある。
想像以上だった。
つげ義春の絵も好きだ。
僕の青春の全てがあった。
言うほどのものではないけれど。
三十年以上も前、ラジオドラマの入選者が名古屋に集まったことがあります。
話している内にみんながつげ義春フリークだと分かって大笑いしました。
人生は旅だなあって思います。
僕は旅行が好きではなかった。
土台が外されたみたいで、不安になるのです。
旅はいつも不安と道連れ。
旅行の帰路で「ああ帰ってきた、よかった」って言ったら、「お前とは絶体旅行に行かない」と言われたことがあったなあ。
でも彼とは、それからも何度も職場の旅行に行った。
二人とも友達がいなかった。

「せつない」は『紅い花』ではなくて、『もっきり屋の少女』だった。
「だめです私はせつないです」
見いつけった。
でも、この本一冊まるごと「せつない」から遠く離れている気がします。
「明るい」
「せつない」のは老人になった僕。
最後に一つ。
「つげ義春」は私のようなフリークが独り占めしてはいけないこと。
若い人に読んで欲しいですね。
彼らがどう感じるかとても興味があります。

【一句】「せつない」とつげ義春に浸る春

1946 15

2024-02-29 13:47:50 | 俳句日記
1946 15
ほうれん草
前の冷蔵庫はドアにマグネットが使えたのに、新しいのは引っ付かない。
白板(ホワイトボード)を側面につけて使っている。
冷蔵庫の見た目は良くなった。
本当はピーマンと書いてあった。
ピーマンの方が走書きに合う。
でも、ほうれん草もいいなあ。
書いとかないと、忘れる。

【一句】白板にほうれん草と走書き

1946 13

2024-02-27 11:17:18 | 俳句日記
1946 13

突然大きな音がした。地震。
蛍光灯の紐を見つめたが動いていない。
額が落ちていた。
妻を呼んだ。
こういう時の僕は危険だ。
硝子の破片が飛び散っていた。
大きな破片を取って、後は掃除機で吸い取る。
手際よく片付いた。
「気いつけや」と、僕は言うばかり。
額の中身は、薬剤師免許妻と二人分。
その他卒業証書等。
「もうええねえ」と妻が言った。
丸めて賞状筒になおした。
飾っていることもないか。

【一句】額落ちる割れた硝子の余寒かな

1946 12

2024-02-26 14:20:26 | 俳句日記
1946 12
『東京都同情塔 九段理江著』
途中から分からなくなったので最初から読み返した。
現代版・バベルの塔という評も読んだ。
言葉の通じなくなった世界。
ロシアとウクライナの戦争を思い浮かべる。
ウオーキングで池のそばにある地蔵に手を合わす。
「おん かかか びさんまえい そわか」を3べん唱える。
「かかか」は笑い声。
地蔵の後の桜は真っ二つに裂けている。
花芽がいっぱいついているのに気づいた。

【一句】雷に裂けし桜の芽立かな