石泥棒さんへ
今、私がいる所は小さな村。森(昔は迷いの森って言われていました)があって、泉がある。高台には村を見下ろすように廃墟の城がある。村の名前はやたら長くって、覚えられない。だから、イオの村と私が名付けました。小さな宿に泊まっています。料金も安くて、家の人はとても親切です。食事は宿の家族と一緒にします。一日一便ミラノから長距離バズが来ます。バスに乗って、観光客と一緒にお城まで行きます。観光客が行ってしまっても、私はお城にいます。本当に廃墟なんですよ。崩れた石垣、崩れた塔。かすかな痕跡を残す部屋の跡。石に浮かび上がった城にそっくり。ここから、イオの村を一望できます。ここが世界の果てかしら。夜のとばりがおり、無数の星が輝きます。いつの間にか宿の主人が横に座っていて、二人で星を眺めます。言葉は通じないけれど、星を指さし語る物語は分かります。時々男の子が一緒にやってきます。男の子は石を投げます。星空に向かって。
今、私がいる所は小さな村。森(昔は迷いの森って言われていました)があって、泉がある。高台には村を見下ろすように廃墟の城がある。村の名前はやたら長くって、覚えられない。だから、イオの村と私が名付けました。小さな宿に泊まっています。料金も安くて、家の人はとても親切です。食事は宿の家族と一緒にします。一日一便ミラノから長距離バズが来ます。バスに乗って、観光客と一緒にお城まで行きます。観光客が行ってしまっても、私はお城にいます。本当に廃墟なんですよ。崩れた石垣、崩れた塔。かすかな痕跡を残す部屋の跡。石に浮かび上がった城にそっくり。ここから、イオの村を一望できます。ここが世界の果てかしら。夜のとばりがおり、無数の星が輝きます。いつの間にか宿の主人が横に座っていて、二人で星を眺めます。言葉は通じないけれど、星を指さし語る物語は分かります。時々男の子が一緒にやってきます。男の子は石を投げます。星空に向かって。