創作日記&作品集

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『スクラップ・アンド・ビルド』・羽田圭介著

2018-01-28 10:58:05 | 読書
BooKLivekの本棚に文藝春秋が入っている。
クリックしてみると、又吉直樹さんの『火花』を目当てに買ったのを思い出した。
告白すると読み終わった後も、タイトルが「花火」だと思っていた。
もう一つの芥川賞小説『スクラップ・アンド・ビルド』・羽田圭介著は読んでいなかった。
もったいないので読み始めると、はまってしまった。
誰でも老人になる。
僕なんか十分なっている。
あちこち痛いと嘆き。早く死にたいと口癖のように言う。
しかし、死を望んでいるのではない。一日でも長く生きたいと思っている。
「早う迎えにきてほしか。毎日、そいだけば祈っとる」。
自分から行く気はない。僕と同じだ。
老人は(いや人間は)したたかである。
一筋縄ではいかない。しかし介護がなければ生きられない(ごはんを作れないと終わりである)。
介護をする生き物は人間だけだと思う。
迫ってくる老いと病と死。
信仰を持たない大半の日本人は祈るべき神もない。
とにかく、この小説のようなことは今、日本の何百万の家で進行中である。