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とても面白く読んだ。
知っているようで知らない宮沢賢治がいる。
全く知らない父の政次郎がいる。
宮沢賢治を俯瞰しているような気分になる。
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赤痢患者の病室に泊まり込み子を看病する父。
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大人になり「……おらは、おとうさんになりたかったのす」と告白する子。
二人は離れ、密着し、交錯する。
巨大なトランクの中から、
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「どっどどどどうど、どどうど。どどう。ああまいざくろも吹きとばせ、すっぱいざくろもふきとばせ。どっどどどどうど、どどうど。どどう……」
風の又三郎が飛び出す。
地下でマグマのように渦巻いていた才能が吹き出る。
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それは、父と子の共作のようだ。
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どっどどどどうど、どどうど。どどう