創作日記&作品集

作品集は左のブックマークから入って下さい。日記には小説、俳句、映画、舞台、読書、など…。そして、枕草子。

小鳥

2010-03-11 09:46:18 | 身辺雑記
   

前にも書きましたが、庭に人なっこい小鳥がやってきます。仕草がとてもかわいらしい鳥です。多分飼われていたのだと思います。一回だけつがいでやって来て、ツーショットを撮ろうと期待していたのですが……。外壁工事をしていましたので庭を見ることもなかったのですが、次に見た時は単身でした。ふられたのかなあ。それよりも君はなんていう鳥? ご存知の方は教えて下さい。今は1匹で庭をピョンピョン跳ねています。動きも活発で元気なようです。だんだん野生にもどっていくのかなあ。ともかく元気で生きています。

「蒸発」・つげ義春著

2010-03-10 19:45:50 | 読書
つげ義春さんに「蒸発」(つげ義春コレクション4)という作品がある。山井は古本屋の後家に取り入り毎日を無為に過ごしている男である。名前も先の亭主が山井一郎だったのに一を加えて山井二郎としているいい加減さだ。全く働かず病人のように寝ているが病気に無縁らしい。家族の中でも自己主張はせず性質は温順で怒ったのを見たことがないという。家族の食べ残しを食べ空気のような生活をしている。ただ、時々「どうせ私はいずれ帰るのだから」と口走る。伊那の高遠出身だから伊那に家族がいるのではないかと噂されている。そんな彼に私は「あなたは自分を役立たず無用の者として社会から捨てる蒸発しているようなものじゃありませんか」と言われる。あんたにだけは言われたくないセリフである。そんな山井がある日「漂白俳人井月(せいげつ)全集を私に渡す。そこから井上 井月の話になる。井月は伊那にふらりと現れる。学識も豊かで俳句も素晴らしい。いわゆる文化人である。村人に歓待される。だが段々と厄介者になっていく。酒が大好きで、酔えば千両千両が口癖である。村人は善光寺参りのついでに、井月を捨てる。だが井月は帰ってくる。そんな井月の姿に山井と私が重なる。筆者も重なる。綿入れをくれてやったのに井月は着ていない。「どうしたのか」と問うと、「乞食が寒そうにふるえていましたので、くれてやりました」と、こたえる。これは無私なんだろうか? 小林秀雄に「無私の精神」という話があるが、これとは全く違う。これは私を捨てているのだと思う。
 
落栗の 座を定めるや 窪留り
何処やらに 鶴(たず)の声きく かすみかな

つげさんはかすみの文字が小さくなっていく中に井月の後ろ姿を浮かび上がらせて作品は終わる。

NHK学園通信講座「俳句入門」

2010-03-09 16:39:34 | 創作日記
NHK学園通信講座「俳句入門」の教材が届きました。早速三句送りました。

くもり窓  孫の手形が 浮かび出る
目白来る 小さき庭の 冬あかり
春ちかし 梅一輪の あたたかさ

添削が楽しみです。わくわくします。AABBCの五段階で評価されます。少し怖い気もします。三句ずつ五回添削されます。最後の一回はコンクールへとなります。期間は六ヶ月。でも、プラス六ヶ月の猶予があります。費用は二万円。年金生活者には痛い出費ですが、一ヶ月三千円ちょっとと思って始めました。テキストも読んで勉強しています。俳句の魅力で飯田龍太さんは「寒さかな」で結ばれる俳句をあげそれぞれが違う世界を現出、すなわち独自の寒さをとらえていると説明されてます。なるほどと納得しました。五七五の短い詩形に無限の可能性が秘められていると思いました。

-祈りの廻廊-奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳 久米寺

2010-03-08 19:32:19 | お出かけ
  

今日は久米寺に行ってきました。家から30分ぐらい。1時間ほどの旅です。橿原神宮駅で直ぐに聞きます。この駅は大きい出口を間違えるとたどり着かないかもしれません。西出口でも聞きます。地図をもらいました。地図に沿っていっているつもりなのにまた迷子。駅前でティシュをもらいました。彼女に聞いても無理だろうなあ。こりゃダメだ。お寺巡りの大敵は自分の方向音痴。やっとたどり着いた久米寺は分かりにくいところにありました。喧噪がすっと消える静かな空間です。でも、お目当ての多宝塔初層は閉じたまま。お寺のおばさんに聞くと、気の毒そうな顔をして、「昨日の雨で、今日は中止です」。「近くだから、また来ます」と言って寺を後にしました。怪しい天気の時は、行く前にお寺に問い合わせた方がよいかもしれません。帰りにまたティシュを。「さっきもらったから」「もう一個もらって下さい」受け取ると、「ありがとう」と、感謝されました。彼女は一つずつ律儀に配っているのですね。近くなのでまた行きます、

久米寺に 春雨残る 静けさや

-祈りの廻廊-奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳 長谷寺

2010-03-05 16:23:07 | お出かけ


今日は長谷寺に行ってきました。近鉄長谷寺駅を降りて石段や坂道を下りていきます。帰りは登るんだと思うと……。次に参道を歩きますが、行っても行ってもつかない。初めての道は長く感じます。帰りはタクシーでも、よからぬ考えが頭に浮かびます。やっと着いたらまた、長ーい、長ーい石段。帰ろうか……。1700円のお徳用切符を買って上がります。源氏物語にも初瀬は何回も出てきます。一番印象的なのは22の巻「玉鬘」です。九州から苦難の旅を続ける玉鬘(夕顔の娘)の一行が夕顔の乳母子で今は源氏に仕える右近と出会うのが初瀬のお寺、長谷寺です。玉鬘の運命が急展開します。そんなことを考えながら石段を登ります。宋宝蔵ででかい仏像に対面。覚えているのはでかいだけ。次にいよいよ本尊十一面観世音菩薩立像とご対面。これは忘れない。12メートル35センチです。ホームページの女性のようにおみ足をさわります。最後に目的である本尊十一面観世音菩薩御影大画軸へ。10年ぶりの公開だそうです。圧巻です。16メートル46センチ。日本最大級です。まさしく秘宝・秘仏です。斜めに立てかけてあります。スロープを上がるとよく見えます。長い道をやって来てよかった。帰りは意外と短く感じました。


源氏物語・大塚ひかり著 四十九の巻 宿木

2010-03-04 15:05:34 | 読書
巻の最後に最後の女主人公の浮舟の登場です。「走って現れる紫の上、歌いながら現れる朧月夜、別世界から橋を渡ってくる浮舟」と、大塚さんの素晴らしい解説です。むきだしの腕を見せる浮舟の妖艶さ。それを食べる女房のとの対比で際だたせる。宇治十帖も間違いなく紫式部の手になるものだと確信しました。それともう一点。八の宮のエゴさが物語を急展開させます。隠し子を作り、そんなの関わりたくないと、俗聖に逃げてしまう勝手さ。二人の娘がいるので出家できないとうじうじ言う。作者は容赦なく描きます。

-祈りの廻廊-奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳 帯解寺

2010-03-02 16:36:17 | お出かけ
帯解寺は小さなお寺ですが、参拝者も僧侶も結構おられます。受付で申し込みます。本堂の右の和室で待つように言われました。たくさんの人が順番を待っていましたが、直ぐ呼ばれました。本尊・地蔵菩薩像は182.6cm。巨大です。僧侶から説明を受けます。次に僧侶が交代して、秘仏を公開している部屋に案内されます。とても丁寧な説明を受けました。右から左ですけれど。それじゃダメじゃん。手を合わせて、光明真言を小さく唱えます。普段見られない秘仏を目と鼻の先に見て、感激です。この部屋は普段は待合で薬師如来がおられるだけだそうです。
帰りに田楽・天理店で食事。和食の店でとてもおいしかった。平日なのによく流行っています。店員さんもとても気持ちのいい応対です。

家に帰って、春日赤童子 虚空蔵菩薩 三面六臂大黒天。ホームページを見てあったあった。