内服開始後、初めての通院日。
息子は久しぶりの登校日で、夫とほぼ同時に家を出てくれたので、いつもより早く家を出なければならない私としては、とても有り難かった。副作用の下痢と吐気を抱える身になってから初めて電車での移動。かなり心配だ。
今朝も、明け方に腹痛で目覚め、軟便。ほどなく水様便を繰り返した。吐き気は収まっており、朝食はそこそこ口に入れたけれど、何分ぺったんこのお腹に力が入らず、怠いし眠い。
お手洗を済ませ、余裕をもって家を出たが、案の定、最寄駅で一度お手洗へ。私鉄は予定通りの電車に乗れたが、乗換駅でもう一度お手洗に寄ったので、JRは予定の電車より1台後か、と思ったらダイヤが乱れていて、結果的に5分ほど遅れた予定どおりの電車に乗ることが出来た。ラッキーにも乗換駅から座席を確保出来たので、お腹を庇いながら、なんとか病院最寄駅まで(お手洗に行かずに)持ちますように、と念じながら過ごす。ちょうど読み始めた文庫がいきなり引き込まれるほど面白く、気が紛れたのが有難かった。
いつもより10分遅れで病院に入ると、自動再来受付機前には既に長い列が出来ている。IDカードを通し、採血受付へ向かう。やはり朝の10分の遅れは大きく、待合椅子はかなり混みあっている。電光掲示板には“12分待ち”とあるが、受付後10分程待ち、お手洗を済ませて態勢を整えると、ほどなくして私の受付番号までが“採血室へどうぞ”になった。
採血担当の男性は初めての方。今日は2本採取だ。初対面なので紙テープをリクエストする。アルコールかぶれはどなたも必ず訊いてくれるのに、テープは黙っているとプラスチックにされてしまう。針刺しはまあまあの痛み。今日も止血をしながら、コートやらバックやらの大荷物を携えて、腫瘍内科受付へ移動。受付はスムーズだったが、待合椅子はかなり混雑している。それでも、ここまで病院到着から30分で済んだ。
スマホのグリーンランプが点滅し、LINEにSさんとNさんから、今日の診察を案じてくださるコメントが入る。無事到着しました、と有難く応じた。
“中待合へどうぞ”のランプが点くまでは、いつものように読書をして時間潰しをする。自動血圧測定機で計測した結果は103-59、脈は82。その後、中待合に移るまで、今日はたっぷり2時間以上かかった。途中、電光掲示板にも“診察1時間遅れ”と出た。読んでいた文庫が面白く、頁を繰る手が止まらなかったが、お手洗に行くタイミングをいつも気にしているトホホな状況だ。
中待合に入ってから自分の番まで待てずに、化学療法室のお手洗いをお借りする。さらに30分ほど待っているあいだに、化学療法室の看護師さんKbさんが廊下に出てこられ「いかがですか?」と。「副作用の下痢が酷くて3kg痩せました・・・」と応じる。
お昼を回った頃、ようやく名前を呼ばれる。今日は病院到着から先生にお目にかかれるまで実に3時間以上かかっている。「どうでしたか?」と問われ、“タイケルブを服用される方へ”という小冊子の中に自分でつけた服薬記録を見ながら、タイケルブを飲んだ翌朝からこの10日間、いかに下痢と吐気等で苦しんだかを滔々とご報告。
先生は、私の台詞を電子カルテに打ち込みながら、「いや~・・・それは大変でした。もう、リセットですね。」と即決。「そんなに酷くても、薬は止めなかったのですね。」と問われたので、「もちろんタイケルブは昨夜まで、ゼローダは今朝まで飲んできました。でもロクに食べられず、3kg痩せました・・・。」とお答えする。そしてロペミンを飲んだ後の辛さが半端ではなかったこと、別の下痢止めを服用したことなどもあわせてお話する。
「それはそう(3kg痩せてヨレヨレ)でしょうね。うーん、律儀すぎますね・・・」と先生。「真面目なので!」とキッパリ答える私。―だって効いてほしいではないか。勝手に減らしてただ副作用だけで、効かなかったというのではあんまりだから。
「一般には、高齢の律儀な方は皆さんそうなのですが、高齢でもないのに・・・」と先生。これからは自分で判断してきつかったら休薬し、連絡してくれればよい、とのこと。今回もここまで無理せず、早めに電話をして判断を仰げば良かった、と反省する。一体何年再発患者をやっているのやら、と自分でも融通の利かなさに唇を噛む。
先生がおっしゃるには「うーん、タイケルブの副作用がこれほど酷い方は初めてです。とにかく、個人差があるので、このまま続けたら病気が良くなるより体がやられてしまいますから。」と。そうだった、と思う。かつて同じ病気で逝ったキャンディーズのスーちゃんは、腸の炎症から絶食後、一気に衰弱してがんのラッシュになって亡くなったことを思い出す。「先生、私はエコなので、これまでどの薬も規定量では多すぎてこれまでずっと8割減量で来ましたから、今回も減量はありですか。」と応じる。
「うーん、来週も来られますかねえ。」と問われ、断っている場合ではないので、頷く。診察室での検温は6度4分。
とにかく来週まで1週間、タイケルブだけでなくゼローダもピドキサールも全て休薬。再度採血をして、再来週1錠から再開し、1週ごとに1錠ずつ増やしていくということになった。増やしていく途中で副作用が酷くなればその段階で量を決定する、ということのようだ。次回は慣れてある程度まで耐性がつくのか、わからない。
そして気になる手足症候群。今は手を洗う度にヒルドイドローションをたっぷり塗っているし、足裏も朝晩欠かさずローションを塗っているので、まだ切れたり荒れたりはしていない。が、既に手の指先は黒ずんできたのを診て頂く(哀しくも汚い・・・)。関節の間の皺が切れやすいようだ。心なしかチリチリするが、まだそれほど気になることはない。
唇の腫れは、今朝は下唇に口内炎状の水泡が沢山出来て、痛みで口紅を塗れなかった、とお見せする。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースはタイケルブ服用において禁忌なので、内服以来飲食していないが、毎朝青汁に入れているシークワーサーも止めた方が良いのか、柑橘類は全てやめた方が良いのかを確認したが、それは大丈夫でしょうとのこと。
下痢対策のお腹の薬には、漢方の小建中湯とビオフェルミンのラックビーを1週間分処方して頂いた。今日の昼から内服開始、とのこと。
いずれにせよ、これからの休薬1週間でしっかり食事を摂れるようになり、落ちてしまった体重を元に戻すのが至上命題だ。仕切り直しして来週からまた再スタート。
今日の採血結果は先生がおっしゃるには「特に問題はなく、これを見ただけではそんなにヨレヨレだとは思いませんでしたが・・・」とのこと。白血球は3,100、マーカーは来週測定だという。ご挨拶して診察室を後にし、奥の化学療法室に顔を出してご挨拶。副作用が酷かったので来週1週間休薬になったことをお伝えした。
会計が出来るまで若干待ちながら、心配している夫や友人たちに報告メール。そして自動支払機で支払を済ませる。この病院に通い出して以来初めてではないかと思われる1,000円以下だった。
そして院外薬局へ移動。やはりお腹が頼りなくて、歩いていると足取りがフワフワする。今日はそれほど混んでいなかったが、それでも15分程待っただろうか。お腹の薬だけなので、(タイケルブとゼローダはどうしたのか、と)薬剤師さんから様子を訊かれる。今日は内服開始以来初めて電車に乗ったこと、仕事には行きながら(相当びっくりされた。)かなりヘロヘロだったことをお話しする。殆ど何ともなく、下痢止めを飲まないで済む方もいるようだが、本当に副作用の出方は百人百様。「頑張りすぎずにゆっくりお休みされてくださいね。」と労いの言葉をかけて頂き、薬局を後にする。こちらでも前回の支払いが嘘のように1,000円でお釣りがきた。
本日の病院と薬局を含めた滞在時間は4時間強。空腹ではあるが、食事をした後に電車に乗る勇気は持ち合わせていなかったので、そのままよろよろとJRに乗る。帰宅途中、乗換駅で、夫は今日は宴会で夕食が要らないことを思い出し、息子と2人分の夕飯だけ調達して最寄駅まで戻り、またも軟弱にタクシーに乗ってしまった。
病院と薬局で4時間、往復3時間と若干の買い物時間で合計7時間半ほどの外出だった。帰宅すると、なんと学校から塾に直行するはずの息子の靴が玄関に。またもまったりパソコンの前でくつろいでいる。今日で私大の受験票が全て揃ったというのに・・・。
牛追いのように追い出してから、おやつの時間をとうに過ぎてようやく一人で軽食を摂った。もちろん食前に小建中湯、食後にラックビーを飲んだが、とにもかくにも今晩から腹痛で起きなくて済むのだろうか、と思うだけで気持ちが軽くなっている。
息子は久しぶりの登校日で、夫とほぼ同時に家を出てくれたので、いつもより早く家を出なければならない私としては、とても有り難かった。副作用の下痢と吐気を抱える身になってから初めて電車での移動。かなり心配だ。
今朝も、明け方に腹痛で目覚め、軟便。ほどなく水様便を繰り返した。吐き気は収まっており、朝食はそこそこ口に入れたけれど、何分ぺったんこのお腹に力が入らず、怠いし眠い。
お手洗を済ませ、余裕をもって家を出たが、案の定、最寄駅で一度お手洗へ。私鉄は予定通りの電車に乗れたが、乗換駅でもう一度お手洗に寄ったので、JRは予定の電車より1台後か、と思ったらダイヤが乱れていて、結果的に5分ほど遅れた予定どおりの電車に乗ることが出来た。ラッキーにも乗換駅から座席を確保出来たので、お腹を庇いながら、なんとか病院最寄駅まで(お手洗に行かずに)持ちますように、と念じながら過ごす。ちょうど読み始めた文庫がいきなり引き込まれるほど面白く、気が紛れたのが有難かった。
いつもより10分遅れで病院に入ると、自動再来受付機前には既に長い列が出来ている。IDカードを通し、採血受付へ向かう。やはり朝の10分の遅れは大きく、待合椅子はかなり混みあっている。電光掲示板には“12分待ち”とあるが、受付後10分程待ち、お手洗を済ませて態勢を整えると、ほどなくして私の受付番号までが“採血室へどうぞ”になった。
採血担当の男性は初めての方。今日は2本採取だ。初対面なので紙テープをリクエストする。アルコールかぶれはどなたも必ず訊いてくれるのに、テープは黙っているとプラスチックにされてしまう。針刺しはまあまあの痛み。今日も止血をしながら、コートやらバックやらの大荷物を携えて、腫瘍内科受付へ移動。受付はスムーズだったが、待合椅子はかなり混雑している。それでも、ここまで病院到着から30分で済んだ。
スマホのグリーンランプが点滅し、LINEにSさんとNさんから、今日の診察を案じてくださるコメントが入る。無事到着しました、と有難く応じた。
“中待合へどうぞ”のランプが点くまでは、いつものように読書をして時間潰しをする。自動血圧測定機で計測した結果は103-59、脈は82。その後、中待合に移るまで、今日はたっぷり2時間以上かかった。途中、電光掲示板にも“診察1時間遅れ”と出た。読んでいた文庫が面白く、頁を繰る手が止まらなかったが、お手洗に行くタイミングをいつも気にしているトホホな状況だ。
中待合に入ってから自分の番まで待てずに、化学療法室のお手洗いをお借りする。さらに30分ほど待っているあいだに、化学療法室の看護師さんKbさんが廊下に出てこられ「いかがですか?」と。「副作用の下痢が酷くて3kg痩せました・・・」と応じる。
お昼を回った頃、ようやく名前を呼ばれる。今日は病院到着から先生にお目にかかれるまで実に3時間以上かかっている。「どうでしたか?」と問われ、“タイケルブを服用される方へ”という小冊子の中に自分でつけた服薬記録を見ながら、タイケルブを飲んだ翌朝からこの10日間、いかに下痢と吐気等で苦しんだかを滔々とご報告。
先生は、私の台詞を電子カルテに打ち込みながら、「いや~・・・それは大変でした。もう、リセットですね。」と即決。「そんなに酷くても、薬は止めなかったのですね。」と問われたので、「もちろんタイケルブは昨夜まで、ゼローダは今朝まで飲んできました。でもロクに食べられず、3kg痩せました・・・。」とお答えする。そしてロペミンを飲んだ後の辛さが半端ではなかったこと、別の下痢止めを服用したことなどもあわせてお話する。
「それはそう(3kg痩せてヨレヨレ)でしょうね。うーん、律儀すぎますね・・・」と先生。「真面目なので!」とキッパリ答える私。―だって効いてほしいではないか。勝手に減らしてただ副作用だけで、効かなかったというのではあんまりだから。
「一般には、高齢の律儀な方は皆さんそうなのですが、高齢でもないのに・・・」と先生。これからは自分で判断してきつかったら休薬し、連絡してくれればよい、とのこと。今回もここまで無理せず、早めに電話をして判断を仰げば良かった、と反省する。一体何年再発患者をやっているのやら、と自分でも融通の利かなさに唇を噛む。
先生がおっしゃるには「うーん、タイケルブの副作用がこれほど酷い方は初めてです。とにかく、個人差があるので、このまま続けたら病気が良くなるより体がやられてしまいますから。」と。そうだった、と思う。かつて同じ病気で逝ったキャンディーズのスーちゃんは、腸の炎症から絶食後、一気に衰弱してがんのラッシュになって亡くなったことを思い出す。「先生、私はエコなので、これまでどの薬も規定量では多すぎてこれまでずっと8割減量で来ましたから、今回も減量はありですか。」と応じる。
「うーん、来週も来られますかねえ。」と問われ、断っている場合ではないので、頷く。診察室での検温は6度4分。
とにかく来週まで1週間、タイケルブだけでなくゼローダもピドキサールも全て休薬。再度採血をして、再来週1錠から再開し、1週ごとに1錠ずつ増やしていくということになった。増やしていく途中で副作用が酷くなればその段階で量を決定する、ということのようだ。次回は慣れてある程度まで耐性がつくのか、わからない。
そして気になる手足症候群。今は手を洗う度にヒルドイドローションをたっぷり塗っているし、足裏も朝晩欠かさずローションを塗っているので、まだ切れたり荒れたりはしていない。が、既に手の指先は黒ずんできたのを診て頂く(哀しくも汚い・・・)。関節の間の皺が切れやすいようだ。心なしかチリチリするが、まだそれほど気になることはない。
唇の腫れは、今朝は下唇に口内炎状の水泡が沢山出来て、痛みで口紅を塗れなかった、とお見せする。
グレープフルーツやグレープフルーツジュースはタイケルブ服用において禁忌なので、内服以来飲食していないが、毎朝青汁に入れているシークワーサーも止めた方が良いのか、柑橘類は全てやめた方が良いのかを確認したが、それは大丈夫でしょうとのこと。
下痢対策のお腹の薬には、漢方の小建中湯とビオフェルミンのラックビーを1週間分処方して頂いた。今日の昼から内服開始、とのこと。
いずれにせよ、これからの休薬1週間でしっかり食事を摂れるようになり、落ちてしまった体重を元に戻すのが至上命題だ。仕切り直しして来週からまた再スタート。
今日の採血結果は先生がおっしゃるには「特に問題はなく、これを見ただけではそんなにヨレヨレだとは思いませんでしたが・・・」とのこと。白血球は3,100、マーカーは来週測定だという。ご挨拶して診察室を後にし、奥の化学療法室に顔を出してご挨拶。副作用が酷かったので来週1週間休薬になったことをお伝えした。
会計が出来るまで若干待ちながら、心配している夫や友人たちに報告メール。そして自動支払機で支払を済ませる。この病院に通い出して以来初めてではないかと思われる1,000円以下だった。
そして院外薬局へ移動。やはりお腹が頼りなくて、歩いていると足取りがフワフワする。今日はそれほど混んでいなかったが、それでも15分程待っただろうか。お腹の薬だけなので、(タイケルブとゼローダはどうしたのか、と)薬剤師さんから様子を訊かれる。今日は内服開始以来初めて電車に乗ったこと、仕事には行きながら(相当びっくりされた。)かなりヘロヘロだったことをお話しする。殆ど何ともなく、下痢止めを飲まないで済む方もいるようだが、本当に副作用の出方は百人百様。「頑張りすぎずにゆっくりお休みされてくださいね。」と労いの言葉をかけて頂き、薬局を後にする。こちらでも前回の支払いが嘘のように1,000円でお釣りがきた。
本日の病院と薬局を含めた滞在時間は4時間強。空腹ではあるが、食事をした後に電車に乗る勇気は持ち合わせていなかったので、そのままよろよろとJRに乗る。帰宅途中、乗換駅で、夫は今日は宴会で夕食が要らないことを思い出し、息子と2人分の夕飯だけ調達して最寄駅まで戻り、またも軟弱にタクシーに乗ってしまった。
病院と薬局で4時間、往復3時間と若干の買い物時間で合計7時間半ほどの外出だった。帰宅すると、なんと学校から塾に直行するはずの息子の靴が玄関に。またもまったりパソコンの前でくつろいでいる。今日で私大の受験票が全て揃ったというのに・・・。
牛追いのように追い出してから、おやつの時間をとうに過ぎてようやく一人で軽食を摂った。もちろん食前に小建中湯、食後にラックビーを飲んだが、とにもかくにも今晩から腹痛で起きなくて済むのだろうか、と思うだけで気持ちが軽くなっている。