息子がまだ小さかった頃、転んで大泣きをした時などにはよく「痛いの痛いのとんでけ~」と言いながらぶつけたところをさすっていた。
不思議なことに人の手には癒しのチカラがあるから、頭が痛い時に母親の手が額を触れるととても気持ちよかったり、転んですりむいた膝に手をあててこんな台詞を言ってもらうと痛みが和らいだという経験は多くの人が持っているのではないか。
痛みがある時には、たとえそれが自分の手であっても痛みの軽減に効果がある、というのはいつだったかテレビで実験したのを見た記憶がある。
なので、痛い時には深呼吸をしてそこに手を当てる。セルフヒーリングである。
ところが、昨日の朝からそうしていてもなかなか取れない痛みが出ていて往生している。
一昨日のお昼、通院納めだ!ご褒美だ!と調子に乗って食べ過ぎた影響で昼食直後からお腹を壊し、夜も食欲がなく、ずっと胃が重いままだった。慌ててミヤBM錠を飲んだことで、昨朝には下痢は止まったけれど、あいかわらず胃がなんとなく重くて鈍い痛みもある感じ。朝食は少なめでやめておき、いつものように食後にロキソニンを飲んで都内横断の出張に向かった。
2回乗り換えて、ようやく到着する頃になって、左後ろの肩甲骨のキリキリとする痛みから始まって、胸骨のあたりから両肺にかけての圧痛が酷くなった。痛いだけ、とか息苦しいだけ、ならば日常茶飯事のことなのだけれど、両方が一度に来ると結構辛い。
これはまずいと深呼吸と瞑想と手あて。もし無事に到着できなかったらどうしよう、とあれこれ考えを巡らしながら、ほうほうの体で出張先の会議室に辿り着くや否や、とにかくコデインを流し込んだ。はたして30分ほどで大分落ち着いてきたけれど、焦った。あのまま痛みが続いていたら、と思うと冷や汗が出る。
いつもの鈍痛は、軽く鉄板を押し付けられている感じの違和感と重苦しい感じ。それが昨日は、もう厚みも重みも違うレベルの、大きな鉄板でギリギリと押し潰されるのではないかと思うほどだった。肩甲骨の辺りから痛みが始まったのも嫌な感じだった。昨日せっかく通院納めだったのに、また行くことになるかも・・と暗澹たる気分になったが、会議が終わる頃には普段どおりの鈍痛になって、ほっとして帰途に就いた。
それでも長い道中スッキリ痛みがない状態にはならなかった。消化のよさそうなリゾットをお昼に頂き、ロキソニンを飲んでからゆっくり職場に戻った。
寒いし、雪になっても可笑しくないような冷たい雨がぱらついているし、気圧の変動もあったのだろう。
前日は通院で一日休んでいるし、当日も自席に復活できたのは午後になってからだから、1日半分のメールやもろもろがたっぷり溜まっている。夕方から会議もあり、結局定時に帰るというわけにはいかなかった。
夫が宴会なのをいいことに、ひとまずやっつけられるだけ仕事を済ませて帰宅したが、かなりぐったり。自分ひとりのために夕食を作る元気など全くなく、恥ずかしながらカップ麺と果物という酷い食事になった。
週末から母も連れて息子のところに行くので、その前に、と今日仕事が終わってから美容院を予約していたが、こんな状態ではとても行けそうにないと、キャンセルの電話を入れた。
あれこれ片付け物もあり、すぐに横になることも出来ず。ロキソニン朝昼晩に加えコデインに頼る一日となった。
今日もなんとなく鈍痛が続いている。なんとか落ち着いてくれないと明日からが思いやられるではないか。「痛いの痛いのとんでけ~」と繰り返し自分で手あてしながら明日の支度をする金曜日の夜である。