ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.7.10 採血・レントゲン後腫瘍内科診察、パージェタ・ハーセプチン7クール目

2019-07-10 21:51:22 | 治療日記

 昨夕は定時で仕事を終え、最寄り駅前のヨガスタジオで「初めての瞑想」クラスに参加した。3年前、Sさんの瞑想ヨーガ指導者養成コースでご一緒したインストラクターHさんが開発したという特別クラスだ。マントラを唱えながら古典太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)を行う常温の70分。参加者も少な目でゆったり。ひたすら12種類の動きを繰り返しつつマントラを唱え、無になることが出来た。常温でもたっぷり汗をかいてリフレッシュ。夫と駅前のレストランで合流して夕食を済ませ、お泊り荷物とウエア類を交換し、通院前泊のホテルに移動した。

 行きの車内で朝井リョウさんの「何様」(新潮文庫)を読み始める。帯には「『何者』に潜む謎がいま明かされる。就活のその先、発見と考察に満ちた6編」とあった。最初から惹き込まれたが、あれ、と既読感があったものが1編目と3編目の2編。既に別のアンソロジーで文庫に所収されているものだった。
 そんなわけで、ホテルにチェックインしたのは結構遅くなってしまい、あと少しで読み終わる本をぐっと我慢して入浴し、早めに休んだ。

 明け方一度お手洗いに起き、再び眠ってモーニングコールまで目覚めなかった。夫にLINEを入れてもなかなか既読にならず、電話をしても繋がらずちょっと心配したけれど、問題なく出勤したようだった。やはり今朝もお腹が緩い。浮腫みがちな足回りをマッサージしながら浴槽足湯を済ませ、レストランへ降りる。新聞を読みながら痺れ対策漢方2種を飲み、和食の朝食を済ませた。食後はビタノイリン、ロキソニン、タケプロン、ミヤBM錠とフルコースで内服。食後部屋に戻ると、また下痢だが、ひとまず1回で止まり、ほっとする。朝の連続テレビ小説を視てからチェックアウト。

 今日は久しぶりに少し日差しが出て、昨日より気温が高くなるという予報。それでも朝夕は涼しいので長袖を、とのこと。
 今月初めての通院。3週間ぶりだとなんだか久しぶりの感じがする。IDカードを通し、採血受付へ移動すると待合い椅子は混んでいて、ぱっと見座る場所がなさそう。20人近くの待ち人数で待ち時間は15分と出ている。態勢を整え、本を読みながら電子掲示板に自分の番号が出るのを待ち、採血室に入った。

 何度もお世話になっている看護師のKさん。「本人確認のため、年号でお誕生日を教えてください。」と言われ、最近はいつも西暦でお答えしているので、昭和・・・と言った途端に「なんだか明治の人になった気分です」と言葉が漏れると「その感じよくわかります。」と。「ここで採血するのは4歳のお子さんからなので、4年後には令和生まれがやってきますよ。」と仰る。4年後に令和ちゃんと一緒の部屋で採血するまで生きているかしら、とぼんやり思う。今日はマーカー等の測定を含むので5本採取。針刺の痛みはあまりなかったが、抜く時はちょっと痛んだ。止血しながら2階のレントゲン受付へエスカレーターで移動。

 ここもびっくりするほど混んでいる。受付から中廊下で呼ばれるまでに珍しく30分たっぷりかかった。中廊下でも待ち人で一杯。今日もブラトップと全く飾りもないカットソーを着ていったので、ネックレスを外しただけでそのまま検査室へ。正面と側面2枚撮影して無事終了。
 再びエスカレーターで1階に降りて、腫瘍内科の受付へ。こちらはそれほど混んでいる様子はなく、定位置を確保してから、受付に並ぶ。月初めなので保険証のチェックも済ませる。
 コンビニで小さなペットボトルをゲットしたけれど、哀しいかな手が痛いし握力がなくて蓋が開けられないので、今日もクラークの方にお願いして開けて頂く。

 本日のお伴は、昨夜の続きから。5編目の「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」にはとても心を動かされた。解説の若林正恭さんも書いておられる通り。そして最後の「何様」では、自分の就活というよりも昨年の息子の就活をリアルに思い出しつつ、色々考えさせられた。自分がかつて人事担当で面接をしたことなどの記憶や悩みも蘇ってきた。それにしても平成生まれの朝井さん、巧いなあ・・・と読み終わる頃、そろそろ採血してから1時間ほど経っていたので血圧測定。98-60、脈拍は77。低めなのはいつものことである。

 それから30分もしないで「中待合いへどうぞ」に番号が出た。15分ほどして先生がお顔を出された。結構のめり込んで本を読んでいたので、「先生、(私の名前を)呼ばれましたか」とご挨拶の時に確認したら、「いえ、今日はアイコンタクトだけで・・・」とのこと。病院到着から2時間弱。混んでいた割には順調である。

 「さて、いかがでした?」と訊かれ、「おかげさまで吐き気もなく、だるさもなく・・・」と言うと「そうですね、それはもちろん」と仰る。「けれど、下痢がまだ続いており、日に4回以上の日が8日ほど、3回までの日を含めると2週間になりました。腹痛で朝目覚めて、食事をすると下痢になるパターンです。今朝もやはり下痢気味です。」とご報告。

 「うーん、それは長引きすぎますね。何か他の原因があるかな。」と仰るが、特に暴飲暴食をしているわけでもないのだけれど・・・ミヤBMを飲めばロペミンまでは必要ない感じで、と付け足すと、「では今回からはコンスタントに飲むことにしましょう。」と言われる。そして痺れと痛みも相変わらずで、浮腫みもとれずに腿付近まであります。と。

 「採血ではちょっと肝臓の数値が上がってきていますね。以前もこのくらい上がったことがありましたけれど」と仰る。「かなり良くない数字ですか。」と訊くと、「それほどではないです。」とのこと。職場の検診でも肝臓の数値がHになったことがあったのを思い出す。治療する前はそんなことはなかったのに。一方、腫瘍マーカーは正常範囲内で安定しています、とのこと。先月よりコンマ5下がっていた。また、PCではレントゲンの画像が2枚並んでいたが、5月に比べて右下の影が薄く細くなっていた。「副作用が抜ければ、快適に過ごせる筈ですよ。」と言って頂く。

 次回3週間後は夏休みで1週延期、8月1週目に予約が入った。8月は2回の通院になる。1週ずらして頂いた関係で、先生の夏休みともバッテティングせず、2回ともお目にかかることが出来そうだ。次回は軽めの採血で、2回目にレントゲンとマーカーをチェックしましょう、とのこと。
 薬の処方もミヤBM錠も含めて6種類、全て4週間分フルに出して頂いた。
 ご挨拶をして診察室を後にし、化学療法室へ入る。待合い椅子には患者さんお一人と付き添いの方お一人だけ。
 いつものように夫やお友達にLINEで報告していると、すぐに看護助手さんから窓側一番奥のお気に入りの席に案内された。

 お手洗いを済ませ、身支度を整え、2冊目、湊かなえさんの「絶唱」(新潮文庫)で読書再開。こちらは帯に「誰にも言えない秘密を抱え、四人がたどり着いた島―史上最高の号泣ミステリー」とある。朝井さん同様、湊さんの作品が面白くないわけはないのだけれど、4編とも阪神淡路大震災に絡み、大切な人の命を喪ったお話しである。最終話の絶唱で語りは「わたし」だが、実話なのかフィクションなのか、どうしても作者と被る。4編を通じて「死は悲しいことではない」という南の島トンガのメッセージがじんわりと胸に沁みる。今日は2冊ともアタリ。いい日だった。

 今日もケア帽持参で、かつらを外してリラックス。刺針はKrさん。この3週間の状況をお話ししているうちにすっと痛みなく刺してくださった。ラッキー。
 その後20分ほどしてKさんから薬が届く。2剤併用の治療7クール目スタートだ。点滴棒には2本の薬液パックと生理食塩水の小さなパック、シリンジがぶら下がる。点滴の順番はいつものとおりパージェタ、ハーセプチン、生理食塩水だ。

 今日も被っているエアウィッグ(20g弱)の話をOkさんから聞いたKさんが、かつらスタンドに置いたものを見ながら「重さを確認してもいいですか。」と仰るので、どうぞどうぞ、とお薦めする。本当に軽いし、ストレスが少ないですよ、とお話すると、びっくりしておられる。

 最後の生理食塩水になったところで、Okさんが血圧測定。終了時の血圧は116-67、脈拍は65。抜針もOkさんで安心。早業はいつもながら見事である。
 ここで「私、実は通販で凄く安いかつらを買ったんですが、ちょっと見てもらえますか。」と仰る。なんとインナーキャップより安く、桁が違うかもしれないと思ったとのこと。私も最初に買ったものがあまりに高く、通販で5,6000円ほどのものを1つ買ってみたのだけれど、内側のネットが痛くてサイズ調整もあまり細かく出来ず、やはり医療用とおしゃれ用は違うな、と痛感した経験がある。

 なるほど10年も経っているので、毛髪部分は殆ど遜色ないけれど、やはり内側のネットが触るとチクチクする。髪の毛が生えている人が被る分には問題ないけれど、実際に皮膚が敏感になっている禿げ頭だと結構辛いかもしれないですね、と本音でお喋り。Okさんは、こうして実際に自分でかつらを被ってその着け心地等をチェックするんだな、と頭が下がった。確かに治療費もかかり、かつらも、というと十万単位の高価な買い物だ。私は朝出勤すれば帰宅するまでは職場で取り外すことが出来ないから、少なくとも10時間はつけっぱなしになる。きつくて頭痛になったりチクチクしたりしても我慢するしかないけれど、ちょっと買い物程度で、というならこうしたものでも十分かな、と思った。

 化学療法室に滞在した時間は3時間半ほど。針を抜いて頂いてから、かつら談義をした後、お手洗いを済ませ、ご挨拶して部屋を後にした。会計へ移動して受付したが、待合い椅子は大混雑。受付番号を頂いて、薬局へ処方箋を送信するのも初めて並んだ。
 40分ほど待ってようやく会計番号が出た。今日も点滴代が35万円相当の点数。支払いは前回よりレントゲンが加わって11万弱。

 病院を出ると、少し雲が薄くなったようだったけれど、思いのほか涼しい。薬局へ到着して、「病院内から処方箋を送りました。」と申告すると、今日も10分ほどで呼んで頂けた。
 「今日はミヤ錠が4週間分ですね・・・」と問われ、「下痢が結構しつこく続いていて・・・。」と説明する。4週間分になったので3,000円を超えてカード払いが出来た。
 本日の病院と薬局の滞在時間は合計で6時間半弱。

 久しぶりに駅ビルの最上階レストランへ。なんとかランチタイムに間に合った。食べ過ぎると後が怖いので、デザートや前菜がつかないサラダとドリアと紅茶のセットをチョイス。ドリアはちょっと量が多くて食べ切れず。
 食事を終え、お手洗いを済ませてJRに乗り込む。夕方になっており、結構混んでいる。幸い優先席が一つ空いていたので、座らせて頂いた。そのせいで途中、隣に座っておられた年配の女性の二人連れから、ちょっと気持ちが落ち込む言葉を言われてしまった。気にしても仕方ないので、ここに文字としては残さないことにしたい。「元気そうに見えても優先席に座っている人には理由があるんだ、と思うようにしている。」と夫は言ってくれるのだけれど・・・。

 乗換駅で買い物をする元気がなく、そのまま私鉄へ乗り換えたが、私鉄は遅れていたようでホームは人で溢れていた。食料品等の荷物もないし、雨も降っていないので、のろのろ歩いて帰宅した。
 生協から配達された食品を運び入れ、収納を済ませた。やはり疲れている。洗濯機を廻し、最低限の片づけものをして、洗い終わって干し始めたところで夫が帰宅。一緒に干してくれた。

 さすがに昼食が遅かったので全然空腹ではない。生協で届いた麺で適当に夕食を済ませようと思ったら、結局夫が用意してくれた。申し訳なくも有難く、お任せ。
 ハラヴェンがなかったから気持ち悪さは全くないし、今のところミヤBM 錠のおかげでお腹もお昼からは落ち着いている。
 明日は会議出張だが、ライナーを予約しているので安心。あと2日乗り切れば3連休が待っている。 

 一方、今日は母も3か月に一度の外科の経過観察通院日。3か月前の経過観察で撮影したCTで腎臓の影が見つかり、その後泌尿器科も併診している状況だ。相変わらず今日も自分の通院とバッティングしており、付き添いは出来なかった。気になったので電話で確認したところ、採血のみで結果も問題なしとのことだった。

 さらにタフなことに父の3回目の祥月命日ということで、お墓参りにも行ったそうだ。今や私でも出来ない病院とのダブルヘッダー、恐るべし。とても9月に手術を控えているとは思えない。疲れが出ないと良いのだけれど。

 
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