非常事態宣言発令後、職場では最大半数程度の出勤体制を、という至上命令が出た。週末からとにかく在宅勤務をスタートさせることになった。
そんなわけで、昨日の金曜日が在宅勤務デビューの日。職場のPCを持ち出す環境はまだ整っていないので、持ち帰れる資料は限られているが、相互の連絡はメールのやりとり等になった。そもそも電車通勤ではないから、他の方たちのように通勤途上でいわゆる三密に晒されることはない。
夫を送り出してから、勤務開始時と昼休憩の前後、勤務終了時に上司に連絡をする以外はずっと自宅のPCが職場である。
昼食休憩は、普段のように外で食事をして帰ってくるのに十分な時間はない(家から一番近いカフェでも片道15分ときかない。往復するだけで昼休みは半分以上なくなってしまう。)から、家で簡単なランチを摂っておしまいに。階下のポストまで新聞を取りに出る以外は一歩も外に出ることがなかった。お金も一銭も使わず、実にエコである。
夕食の支度に取り掛かれるのが早かったので、夫が帰宅してすぐに食事を摂ることは出来た。が、一日中誰かと話すことのない、それこそ宅配の方と郵便配達の方に一言お礼を言っただけの一日だった。24年以上前に遡る最初で最後の産休中、朝早くから出勤し、夜遅く帰宅する夫以外とは誰とも話さない日があったことをぼんやりと思い出した。
在宅勤務で、動かなければ疲れないかといえばそうでもなかった。心して身体を動かさないと、これは大変なことになる、というのが初日の感想だ。肩も腰もバキバキして目は疲れている。まあ、お腹の調子が悪い身、お手洗いには誰の眼も気にせずに何度も行けるのはストレスフリーだったし、マスクをせずにいられたのも息苦しくなくて有難かった。手洗いも消毒も職場に出ている時よりは回数が少なくて、手の痛みを感じずにも済んだ。
夕食後にタリージェを飲むと眠気は酷く、食後にそのまま転寝、その後ぼーっとしながら入浴して、その後眠れないかといえばまたしっかり朝まで眠れている。本当に春眠は暁を覚えず、を地で行っているようだ。
母は木曜日のデイサービスを最後に、デイケアセンター通いを当分お休みすることにしたという。木曜日の朝、お迎えを待っていたら「新型コロナウィルス感染による非常事態宣言が出ました。センターは閉鎖にはしませんが、お休みされても結構です。」という電話連絡があった模様。
突然だったので迷ったそうだが、ひとまず「今日は行きます」と言ったそうな。いつもは40人のところ10人がお休みで30人だったそう。職員の方たちから「今は子どもが家にいるので・・・」と言われて申し訳なかったので、ということらしい。母は週1回だけれど、もっと頻繁に通っている方は、それはそれで大変そうだとのこと。
土曜日。目覚ましもかけずにゆっくり朝寝坊。チコちゃんの再放送を見ながらノロノロと起き出して、朝食の支度が整ったところで夫を起こす。夫も来週からは週2回が在宅、週1回の時差通勤だそうだ。なるべく私の在宅勤務と被らないように調整してもらった。2人が顔を突き合わせて在宅勤務というのは、お互い精神衛生上あまりよろしくないだろう。
朝食を終えて、洗濯物を干し終える居住する団地の大規模修繕の関係で、今日も残念ながら外干しが出来ない。せっかくのいいお天気だけれど、部屋中万国旗状態である。
昨日は父の月命日にあたり、母が「お墓参りに行ってもいいかしら?」と言うので「非常事態宣言下、バスを乗り継いで出かけるのは止めた方が良い。このウィルスに感染したら高齢者は重篤になるし、もしかかったら隔離病棟でお見舞いにも行けないし、もし亡くなっても葬儀もちゃんと出来ないのだから」と脅してストップをかけたところだ。
お墓の掃除代金を支払いに行くタイミングでもあったので、母の名代で、一日遅れで私が行くことに。駅前のスーパーで仏花を買い求める。ついでに丁度入荷したという消毒薬が買えたのでラッキー。公園墓地までのシャトルバスに乗る。私たち夫婦以外に女性が2人乗っていたけれど、お一人が良く喋る。もちろんマスクをしてはいたけれど、乗ってから降りる時までずーっと運転手さんと喋りっぱなし。聞かされる方はかなりのストレスだった。在宅勤務で数日間誰とも話していないようだった。
墓地はそれなりに墓参の方たちがいた。事務所でお墓の掃除代を我が家の分と実家の分、2基分お支払いしてから父の墓参り。父は本当に神経質な人だったから、この新型コロナウィルス騒ぎに遭遇しないで良かったよね、と夫と言い合う。もし今生きていたらさぞかしイライラピリピリして大変なことになっていただろう。
墓参の帰りにはお散歩方々コンビニでお弁当を買って、公園でピクニックにしようと夫が言うので、レジャーシートやクッション代わりのヨガマット等を持参していたが、いかんせん風が強く、思いのほか暖かくもない。いつまたお腹を壊すかもわからない。外でお腹を冷やしたくなかったので、途中のファミレスでランチにした。
息子がまだ小かった頃、父の車で何度も訪れたこのファミレスも、家から歩いてくるとなると結構な距離だからもう何年もご無沙汰していた。入店した時はガラガラでお店の四隅すら埋まっていなかったけれど、お店を出る頃にはそれなりに人が入ってきていた。
お腹が心配なので、控えめに頂く。それにしても、ただでさえ治療の副作用で手足の痺れと痛みがある中、消毒のし過ぎなのか手のひらの皮膚が赤くテカテカになって、痛い。結構な距離歩いたので足の裏も痛い。
途中、通院している病院の看護師さんが、わざわざ車で1時間半もかけて何度も訪れているというケーキ屋さんに寄ってお買い物。小さなお店だけれど、大繁盛。これは避けるべき三密状態である。外でお客さんが減るのを待って買い物を済ませた。
駅前のドラッグストアに寄ってみたが、やはりマスクは売っていない。混雑緩和のため、開店と同時のマスク販売は当面中止とのこと。いつ入荷するか見張っているわけにいかないから、たまたま行ってその時にあったらラッキーということか。もはや博打である。どこのお店のレジでも「人と人との間を開けて」と、床にステッカーが貼られていた。
積んで置いた本を読み終えてしまったが、駅直結のショッピングセンター内書店はクローズ。唯一開いていた本屋さんでしばし並んで文庫を数冊買って帰宅した。
このお店、本や文具や雑貨、それにレンタルビデオ等も扱っているが、今日はなんと店頭に使い捨てのマスクが並んでいた。見ると3枚入りでかつての7枚入り並みのいいお値段である。我が家はとりあえず少々手持ちがあるので購入はしなかったが、買い求めていく方もちらほらと。政府が各世帯に2枚配るという布マスクの経費を考えればこの値段は決して高くないのかもしれないけれど・・・・。
そうこうするうちに、案の定腹痛に襲われ、お手洗いに駆け込む。下痢である。今週はやや落ち着いているかな、と思ったがやはり昼食後の外出時は鬼門である。
先週はまだ開いていた飲食店も軒並みクローズに。来週のお昼はどうしたものか。いよいよ昼食難民になりそうだ。息子の高校卒業以来、数年ぶりにお弁当作り復活ということか。