2019年度末と2020年度初めの1週間が終わる。
例年なら、卒業生を送り出したと思ったら、怒涛のうちに新入生を迎え入れる準備で教職員は上や下に、の大騒ぎになる。そして卯月の声とともに、学内は初々しい新入生が溢れ、新歓の呼び声も賑やかになる。
ところが、今年は世界中に広がった新型コロナウィルス感染のため、入学式が中止どころか全てのイベントが中止、GW明けまで休講となった。その間、原則学生は学内に立ち入らないことになっているので、信じられないくらい人通りが少ない。マスク姿の教職員が距離をとりながら、足早に事務室やら研究室に向かっている。
昨日は風が強く、気温のわりには肌寒い一日だったが、今朝は見事に青空が広がった。まだ健気に頑張っているソメイヨシノが美しい。ようやく七分咲きくらいになったと思ったら日曜日には信じられない大雪(満開後の大雪はなんと52年ぶりだったそうだ。)。
その後追い打ちをかけるように通院日の水曜日は冷たい雨。ああ、これで花散らしか・・・と思ったけれど、花びらが風に舞ってはいるものの、まだまだ十分楽しめる。
この週末も外出自粛要請である。アウトレットモールもシネコンも土日は営業自粛。外出自粛要請が指示に変わる日も遠くないかもしれない。
マメな手洗いとうがい、栄養バランスの良い食事、良質な睡眠等、出来ることを淡々と続けるだけだ。不要不急のお出かけは原則なし。会議も当面WEBかTV会議になりそうだから出張もなし。とはいえ、事務室の人口密度が高いのが気になる。誰か一人でも感染者が出て皆が2週間自宅待機となったら、機能不全に陥るのではないか。
電車に乗るのは3週ごとの通院と、月1度のお楽しみマッサージとリフレクソロジーだけ。このマッサージも予約はしているが、だんだん雲行きが怪しくなってきそうだ。
母は、おかげさまで週1回のデイサービスには今も通えている。お迎えの車に乗る時に消毒、降りる時にも消毒。手洗いとうがいを何度もさせられているそうだけれど、通ってくる高齢者は皆元気で(母より高齢の方の方が多いと聞く。天晴である。)、ともすればいつもより多いかもしれないとのこと。この状況で受け入れてくださる施設の方たちには本当に頭が下がる。ここ以外の母が通っていた体操教室や歌声教室等は全てクローズになっているから、今、外に出られるのは週1日だけ。それ以外に外の人との接点があるのは週2回ヘルパーさんが通ってくる1時間だけ。
一日一回のご機嫌伺いの電話も、そうした外界とのやりとりがある日には声の張りもあって滑舌もよいが、そうでないと、「今日初めて話した・・・」とモゴモゴしているから、本当に頼りの綱だ。ただでさえ活動量が少ない高齢者がずっと家に閉じ籠るしかなくなったら、感染はもとよりフレイルが心配である。
ということで、これまで当たり前だと思っていた日常からはかけ離れた年度末年度初めの1週間が終わる。
普段通りに空咳が出ても、ちょっと緊張が走り、眉間にしわを寄せた夫からおでこに手をやられたりする。何不自由なく日常が送れていたことを改めて有難く思う、金曜日の夜である。