ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.6.16 滞在3日目、300万輪の紫陽花の花に酔いしれラブ・パワースポットで充電!

2019-06-16 21:15:29 | 

 昨夜、お風呂で出くわした稲光や雷の凄かったこと。部屋に戻ると、灯を真っ暗にして雷見物をしている夫がいてびっくり。その夫、珍しく私より早く眠くなった様子で、早めに消灯した。ところが早く寝過ぎたのか丑三つ時に目が覚めたとのこと。隣でごそごそもぞもぞ、スマホのライトがついたり消えたり。そのおかげで私も目が覚めてしまい、明け方まで眠れず。全く、人の安眠妨害をするとは何事ぞ、とブツブツ。既に窓の外は明るい。暴風雨も過ぎ去り、いいお天気のようだが、いかんせんまだ眠り足りず、しつこく寝直す。目覚ましが鳴るまで粘って、一人温泉へ向かった。

 外は快晴。ナティエ・ブルーの美しい海の色が戻ってきた。国内では沖縄の次に美しい色の海といわれているのだそうだ。今日は暑くなりそう。貸し切り状態の露天風呂から干潮の入り江を見渡す。雨はすっかりやんだけれど、いまだ風が強く、岩場では白い波しぶきが立っている。

 昨夜あんなに沢山頂いたのに、贅沢な朝風呂を経て、レストランに赴けばすっかり空腹になっている。体重はなんとか46Kg台前半を保っている。これ以上減らさないようにキープしないと、と今朝も昨日と違うメニューを選びつつ、あれもこれもちょっとずつ色々頂いてエネルギーチャージし、満ち足りた気分。

 午前中はホテルのシャトルバスで、今年で49回目を迎えるというあじさい祭の会場まで送って頂き、散策と昼食を済ませたら午後は半日の名所巡り遊覧バスを予約している。
 紫陽花の群生総計15万株、300万輪は日本一だという。クロジク西洋紫陽花、ウズ紫陽花、日向テマリなど珍しい品種も含め100種以上。その数を聞いてもちょっとピンとこないほどだ。今日は紫陽花の花の色に合わせてブルーのワンピースで出かけてきた。私は‘紫陽花の精’(!)と称したのだけれど、夫曰く‘アジサイオバサン’とのこと。全く以てなんて失礼な!

 昨日、トリートメントサロンの方から、会場はかなりの急な坂道を上り下りすると聞いていたので、痺れで痛む足がちょっと心配だったけれど、会場に到着すると、地元ボランティアの方たちが無料でカート送迎をしてくださるとのこと。ありがたや~。迷わず、列の最後尾につく。3台のカートがピストン輸送しており、定員はドライバーさんを除き4名。列の後ろだったけれど、ほどなくして乗ることが出来た。道の両脇には美しい紫陽花で一杯。開国広場まであっという間に到着。ドライバーさんにお礼を言ってツーショット。

 到着した広場には露店街が広がっており、地元伝統太鼓の舞台や地場産品の販売、金目鯛を使った軽食、紫陽花スイーツのお店などで賑わっていた。私は珍しい種類の紫陽花の鉢植えに目を奪われる。夫が背後霊のように「持って帰るのが大変だから買わない、買わない」と呪文のように唱えていたけれど、小さいのだけ・・・と荷物持ちをお願いする夫を拝み倒す。散策帰りまではお預かり頂けるということで、お店の方に茎のしっかりしたものを選んで頂き、淡いピンクの「ダンスパーティ」、淡い紫の「星の桜」の2種をゲット。ご機嫌でその後の散策を続けた。

 それにしても急な坂道だ。ここでコケるわけにはいかない。ゆっくりゆっくり足下を確かめながら歩く。こんなに沢山の紫陽花を目にしたのは初めてではないか。360度が花、花、花。白いアナベルや淡いピンクから濃いピンク、淡いブルーから濃いブルー、淡いラベンダー色から濃い紫まで、ガクアジサイやら、大人の顔と同じ大きさ位の大輪やら、様々なグラデーションにうっとり。背景は港だったり、緑の山だったり、市街も一望できる。どこでシャッターを押しても絵になるのは一昨日同様だ。頂上の一歩手前で紫陽花園を下る。細い小道に両脇から張り出した色とりどりの紫陽花。そこかしこで記念撮影をするカップルやご夫婦たち、よちよち歩きの幼児連れの家族の笑顔が輝いている。

 広場まで戻ってくる頃にはもう膝が笑ってがくがく。昨日の雨で土はちょっとぬかるんでいて、滑ったら大変である。すっかり喉が渇いて、夫がお茶をご馳走してくれるというので、紫陽花ソーダというネーミングの色とりどりの寒天が浮かんでいる飲み物を頂いた。
 行きに買い求めた紫陽花の鉢を2つ受け取りつつ、どうしても気になった濃い赤紫のテーブル紫陽花まで追加してしまった。夫に「今日一日これを持ち歩くんだ・・・」と言われたことは書くまでもない。

 ペリーロードあたりでお昼を摂って、ホテルのシャトルバスにピックアップして頂いて駅方面に向かうつもりだったが、そのまま海沿いをのんびり歩きながらゆるゆると駅に到着してしまった。ちょうどお昼のホテル行きシャトルバスが駅を出発するところで、ドライバーさんにばったり。ずうずうしくも紫陽花の鉢をお預けして部屋に入れてくださるようお願いすることが出来た。夫にどや顔をしたら「狡猾な奴だ!」と言われた。まあ、結果オーライということで。

 お昼は、前回訪れた時に‘究極の紅茶’を購入したショップに併設された和食処で、夫は鯵寿司やおそば、サザエの壺焼きにところてんと、あれこれ欲張りな定食を、私は朝が重かったので、究極の紅茶を使ったシフォンケーキのセットをオーダーして夫の定食をちょっぴりお裾分け頂く。

 ショップでは、せっかく宅急便で送ったのにあまり賢くないけれど、また気になるお土産を買い足す。その後、観光バスのチケットを購入し、バス乗り場へ向かった。前回乗った際は、私達を含めて僅か6名の客で大型バス貸し切りだったから、申し訳ないようだったが、今日は28名様ということで、バスの中は既に沢山の人が乗っていた。

 まずは絶景のパワースポット龍宮窟へ向かう。田牛とかいて「トウジ」と読む。とても読めない難しい地名だ。JR東日本の「大人の休日」の吉永小百合さん出演CMで一躍有名になったというここ龍宮窟は、直径50mほどの天窓が広がる洞窟だ。下から見上げると天井がぽっかり穴の空いた不思議な空間。上から洞窟を見下ろすとハート型の地形が出現するとのことで、カップルのラブ・パワースポットなのだそうだ。そんなわけでバスの停留所はピンクのハート型である。もちろんここで記念写真。昨日の雨で洞窟の下りの階段はかなりぬかるんでおり、天井からはポタポタと水滴が垂れてくる。新しいボブのかつらが濡れるのが嫌だし、風が強くてかつらが飛ばされたらどうしようとついつい手すりに捕まり、へっぴり腰になる。

 本当は、上の遊歩道も歩いてハート型を確かめたかったけれど、ガイドさんが仰るには、かなり足場が悪いし、今日はとても風が強いので帽子を飛ばされたり滑っても転んでも自己責任、ということでご了解頂ける方だけをご案内します、とのこと。早々に諦めた私達夫婦を含む結局10名ほどはバスを降りたところで待ち、それ以外の方たちだけが15分ほどで見学してこられた。いつもならこういうときに必ず行くのが私、なのだが、既に足ががくがく、痺れていて痛むし、ここでかつらを飛ばされたり、怪我をして明日帰れなくなったらもう洒落にならないということで、じっと我慢。田牛海水浴場の青い海、白い波を見ながら過ごした。サーファーが波乗りをしている様子を夫が上手に写真に納めていた。

 続いての観光スポットは開国博物館。街中にある黒船来航の記念歴史博物館では、ペリーやハリス、ロシア使節プチャーチン、吉田松陰などの遺品や歴史資料、郷土資料などが展示されていた。今度は8月の夏祭りの頃、また来てみたいものである。
 後半は既に訪れたことのある了仙寺とペリーロードを少し散策してから宝福寺へ。今回も唐人お吉の墓参をし、ぼけ防止地蔵の頭をなで、亀の甲羅にまたがって寿命を更に1年延ばしてきた。

 これで2時間半の行程は無事終了。定刻より早めに駅で解散したが、まだまだ日が高い。さすがに夕食を摂るには早すぎる時間だ。駅の待合で30分ほど過ごすと足の痺れが酷くなり、なんだかお腹も空いてくる。夫はお昼をしっかり食べたのでまだ夕食は摂れないという。それならお弁当を買ってホテルで食べようかというが、残念ながら駅の売店のお弁当は完売。スーパーに行ってもいまひとつこれといった物が見つからない。
 結局気になっていたインド料理店に入って、早い夕食となった。一人3種類のカレーにナンとサフランライス、タマネギの辛いサラダとラッシーを注文した。ナンが巨大で半分も頂けず、残念ながらあれほどお腹が空いていた私も、まだお腹なんか空いていないと言っていた夫も、2人とも半分ほど残してダウン。申し訳ない。お腹こなしにちょっとウインドウショッピングをしてタクシーでホテルに戻ってきた。

 こうしてあれこれ欲張った3日目も無事終了。後はお風呂に入ってボディ・トリートメントを済ませたらそのまま眠るだけ、である。
 今宵もお月様が美しい。明日はいよいよ満月の誕生日。ダメ元で応募したところ、見事当選!というか、当選してしまったサプライズの旅の帰路が待っている。
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2019.6.15 滞在2日目は終日暴風雨~こんな籠城蟄居ならウェルカム!?

2019-06-15 21:48:09 | 

 昨夜は温泉と露天風呂を愉しみ、あっという間に寝てしまった。息子が無事帰宅したという連絡を待つことも出来なかった。
 3時間ほど熟睡して一度目が覚めたが、再び2時間ほど眠り、お手洗いに起きた。そこから1時間半、夫の鼾とどんどん酷くなる雨風の音で眠れず。少しずつ空が白み始めてくる頃、ようやく三度目の眠りについた。次に目覚めたのはもうすぐ朝の連続テレビ小説が始まる時間、目覚ましをかけた少し前の時間だった。

 ベッドの中でドラマを見終えて、都合8時間近くも眠ったことに気づく。窓の外は一望に広がる海。贅沢な朝だ。身体がすっかり緩んでいてなかなか起き上がれない。あいにくガラス窓を強い雨が打ち付け、せっかくのバルコニーは水浸し。とても表に出られる状況ではない。
 夫が息子に電話すると、既に出かける支度をしていた模様。午後からの結婚披露宴で合唱をするそうで、練習のために朝の集合だという。お疲れ様なことである。

 チコちゃんを見て、朝食クローズギリギリの時間になって慌ててレストランへ。6つのエリアから成る100種類のビュッフェは、前回2日間ではとても食べ尽くせなかったけれど、今回は3日間あるので、夫曰く「今日は洋食、明日は和食、明後日は中華」だそうだ。私はあれこれちょっとずつ和洋中折衷で頂いた。朝からお野菜たっぷりのお料理に、にぎり鮨や炊きたての釜飯やら絞りたての甘夏ジュースなど、まさしく身体目覚める15時間断食後のブレックファストである。

 外は一時的に雨がやんだかに見えたが、とにかく凄い風で太いヤシの木が右へ左へと大きく揺さぶられている。お腹が一杯になった後は、部屋に戻って、食休み。今日は終日暴風雨の予報なのでホテルで籠城蟄居するつもり。午後からのボディ・トリートメントとディナー以外は全くのノープランである。気づけばベッドで小一時間ウトウトしてしまう。
 夫から起こされてお部屋の掃除をお願いするため、一度ロビーラウンジへ移動。夫は朝から白ワインを頂いてご機嫌だったが、さすがに朝のアルコールが利いて眠いようで、本を読みながら派手に船を漕いでいた。私は持ってきた2冊目の文庫を読みながら優雅な午後の時間を過ごす。

今回は3泊するので、今日は特に何もせずに、とこうしてのんびり過ごしていられるけれど、今日か明日帰ることになっていれば、頑張って荒天でも外に繰り出していたかもしれない。そんな雨の中、カップルやグループがシャトルバスやタクシーで果敢に出かけていく。

 お掃除が終わった頃を見計らって部屋に戻り、お茶とお菓子で一服。ホテルはそろそろチェックインの時間だ。トリートメント前に身体を温めておきたいなと一人で温泉へゴー。せっかく温泉に泊まりながら、夫は、お風呂なんぞ一日一回入れば十分だと言う。いつものことながら、なんだかなあ、である。
 やった、貸し切りだ!と喜んだのも束の間、次々にチェックインしたばかりと思しき方たちが入ってきて、あっという間に落ち着かなくなった。さすがに落ち武者頭を白日の下に晒すのは憚られ、シャワーキャップが堂々と外せない。

 部屋に戻って態勢を建て直し、サロンに向かう。前回のカルテがちゃんと綴られていて、治療中ということもご存知。施術前には暖かいほうじ茶を頂きつつ簡単なカウンセリング。担当が前回と同じ方だったので、もうすっかりお任せで、前回とても気に入ったホットシェルのボディ・トリートメントに身体を委ねた。香りはベルガモットとグレープフルーツの2種類をチョイス。頭のてっぺんから足のつま先まで、心地よく温められたシェルのリズミカルな動きで疲れも緊張も解き解され、深いリラクゼーション状態に。リンパが流れていくのが分かる。ずっと調子が悪かったから、首も肩も腰もかなり凝り固まっていたけれど、随分楽になった。嗚呼、極楽、極楽。生きてて良かった。

 施術後はドライフルーツがたっぷり入った、茶葉まで全部食べられるカシスティーを頂く。とても美味しくて、前回買い損ねたので忘れずにお買い上げ。
 部屋に戻ると夫は気持ちよさそうにお昼寝中だった。今日はたっぷり水分を摂ってくださいと言われていたので、再びお茶とお菓子で一服。朝食が遅かったし、夕飯が早めなので、ランチは結局お茶と焼き菓子等で済ませてしまった。

 さて、息子からは披露宴の写真がLINEで送られてきた。赤い顔をした仲良しの先輩とのツーショットやら、ケーキ入刀の幸せそうな先輩カップルの写真。あの小さかった息子が結婚式に招待されるような歳になったのだ、と思うと改めて感無量になる。果たして本人の結婚やいかに・・・。

 夕食前にはショップで、前回もお世話になった店員さんにお目にかかり、あれこれ買って宅急便で送ることに。夕食はお任せディナーコースで、和食とフレンチのコラボレーション。海の幸満載で和洋のいいとこどり、品数も多く工夫が凝らされたものばかりで大満足。昨夜に続き、地物の伊勢海老や金目鯛に舌鼓。2時間半近く途切れなく食べ続けた。ウエストなしのワンピースは最強だ。ようやく雨も風も止み、ライトアップされた庭を散歩して部屋に戻ってきた。

 食休みをしたら、温泉で暖まって今日も早めに眠りにつこう。先週に引き続き、籠城蟄居といえば籠城蟄居の土曜日になった。でも、こんな贅沢な籠城蟄居なら願ったり叶ったり。

 さて、息子。一緒に披露宴に参加した合唱団のお友達は皆、関西方面に帰ったそう。息子は今晩我が家に泊まり、明日の朝早い新幹線を予約したという。社会人になって初めての帰省は全く構ってやることが出来ず、ちょっぴり悪かったな、と思う2泊目の夜である。
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2019.6.14 誕生日の旅は、TOJIでいのちの洗濯

2019-06-14 20:51:58 | 

 このまま体調不良が続いたら・・・と、一昨日の夜までかなり心配だったけれど、ようやく底無し沼のようなだるさとやる気の無さが薄紙を剥ぐように抜け始めた。それでも手足の痺れと痛みは全く軽減されず、また手袋のお世話になっている。
 昨日は朝から都内横断出張で午前・午後と会議、夕方職場に戻って若干残業をし、もろもろ片付けてから帰宅した。

 今日から誕生日旅スタート。1月の結婚記念日旅で2泊したホテルがとても気に入ったので、今回は3泊のプランを予約し、休日出勤の代休も当て込んで、温泉でひたすらまったり、心と身体に栄養を・・・、を楽しみに副作用に耐えて過ごしてきた。思うに国内のホテルに3泊する旅行というのは初めてではなかろうか。


 いつもと同じ時間に起床、朝食の支度を終えて、ルーティンの瞑想ヨーガで心を落ち着け、準備万端タクシーを呼ぶ。いざ出発!と乗り込んで、車が家の前のロータリーを出ようとしたところで、忘れ物大王が「あ、止まってください!忘れ物」とのたまう。嗚呼、またですか・・・とがっくり。

 忘れ物を取りに走った夫がいかに忘れ物大王であるかという愚痴を運転手さんにお話しするも、なかなか戻ってこない。もしや以前あったように、実は鞄に入っていました、というのでは・・・と思ったが、そうでもなかったらしい。私が調べた電車より1台早めに乗ると言いながら、出がけの直前までPCで遊んでいるからいけないのである。ドキドキしたけれど、乗る予定の電車が若干遅れていてセーフだった。

 JRに乗り換えて小一時間、1月に乗ったのと同じ時刻のスーパービュー踊り子号に乗り込む。前回は土曜日発で海側の席が予約出来なかったけれど、今回はばっちり海側をキープ。驚いたことに海側の席は満席、山側の席はガラガラだった。こんなにアンバランスで大丈夫かしら、とちょっと心配になる。

 夫は特急乗換駅で既にカロリーの高そうなスイーツ系のドリンクを摂ったのに、座ってほどなくして「今度はなんだかお腹が空いたなあ」と、お菓子やらパンやら買い込んでくる(売店のある車両を予約しているところが実にそつがない。)。“今日も元気だ、なんでも美味い”人。羨ましい限りである。ようやく下痢から脱し、快腸になった私だが、ここで冷たい物やら食べ過ぎやらしたらせっかくの旅がぶち壊しである。ぐっと堪えて読書を続け、文庫本1冊読み終える。

 終点まで2時間半弱の乗車時間である。朝、家を出た時、お天気は良く気温が高くなりそうだったが、明日、こちらの予報は大雨とのこと。残念ながら全国的にお天気は下り坂で、海の色、空の色がいまいち冴えないのが残念。大島・新島・利島がご覧になれます、のアナウンスを聞き終えると、いよいよ到着も近い。
 前回は駅のホームで水仙の花たちが迎えてくれたが、今回はあじさい祭りの真っ只中である。変わった品種の紫陽花の鉢の出迎えに気分が華やぐ。

 駅周辺も様子が分かっているので、さてランチはどこで頂こうかと、気になっていたお店をいくつか廻るが、結局、前回もお世話になったラーメン屋さんでエビ塩味のラーメンを美味しく頂く。前回は厨房にいた店主が、接客から調理から会計から一人でフル回転。しかもカウンターもテーブルも小上がりも満席。注文もなかなか取りに来られないてんてこ舞いのご様子で気の毒なほどだった。
 コンビニで買い物を済ませて、明後日の半日観光バスの予約をし、ホテルのシャトルバスのお迎えを待つ。なんと私達夫婦2人の貸し切りだった。

 途中ペリーロードでは、川縁に咲き誇る満開の紫陽花の大輪さに圧倒される。人の顔の大きさほどあるものも。
ホテルエントランスでは前回もお世話になった年配のベルマンK さんが笑顔で出迎えてくれる。夏の制服がとてもお似合いで、夫は「いや、またお会い出来て」と楽しそうに話している。私も「5ヶ月ぶりでまたお世話になります。」とご挨拶。
 チェックインで「お誕生日とのこと、ジュニアスイートルームにアップグレードさせて頂きました。」と言われて、思わず笑顔に。
 明日は一日ホテルでまったりするしかなさそうなので、夕食のレストラン予約等を済ませて、お部屋まで案内して頂く。

 最上階のバルコニー付き・ジュニアスイートは1室だけ。部屋にはアフタヌーンティーのセットや、お休み中には手指のケアを、と手袋とローズやラベンダーのオーガニックバームまで準備され、もう至れり尽くせりである。ここならどこにも出かけなくても全然OKだね、と夫とニヤニヤする。なんといってもしつこく体調不良が続いていたし、手足の状況もあまり良くないので、前回のようなハードなスケジュールはこなせそうにない。命の洗濯のための3泊4日である。

 あれこれ嬉しい特典付きのプランで、リラクゼーションサロンでオリジナルロールオンボトルも作れるとのこと。早速予約してサロンに出向いた。3つの香りから2つ選べます、ということであと1つも捨て難かったけれど、SHIMODAとFORESTとネーミングされたものをチョイス。前者はローズマリー2、レモン2、ベルガモット7、ライム5の合計16滴が基本で、好きな香りを±するのはOKとのこと。ボトルを傾けゆっくりと滴を落としていたら、ライムがちょっと多めになってしまったけれど、とても素敵な香りになった。後者はシダーウッド4、ペパーミント3、スイートオレンジ1、ベルガモット8で、スイートオレンジを少し多めにした。好きな香りに包まれて、すっかりリラックスして大満足。ブレンドするのに使った小さなビーカーに残った滴はそのまま皮膚や髪の毛につけて大丈夫ですよ、と言われ、明日と明後日にボディトリートメントの予約もして、サロンを後にした。

 部屋でお茶をしながら休憩し、夕方シャトルバスでペニーロードまで。件のベルマンさんが夫を呼び止め、お薦めの和食屋さんを予約しておいてくださるという。すっかりお任せである。
 お天気は怪しいけれど、寒くなく暑くなく散策にはもってこいの気候だ。平日だからそれほどの人出でもない。柳の緑、紫陽花の紫のグラデーション、水辺にかかる橋の赤、どこをとっても絵になること、いやインスタ映えすること(私はやっていないけれど・・・)。

 途中で、ある理髪店のショーウインドーに三島由紀夫の写真が沢山飾っており、それを夫と見ていたところ、中から80歳になるというご主人が出ていらして、30分近くお話をしてくださってびっくり。かの三島氏が、私達がお世話になっているホテルに、毎年避暑に訪れ執筆作業をしていた折、散髪をされていたとのこと。
 夕食の予約にはまだ時間があり、少し草臥れたのでアメリカンジャスミンの花で有名な了仙寺に立ち寄り、小休止。トラ猫がなんとなくすり寄ってきたりしてまったり過ごす。

 夕食の場所を確かめつつ商店街を散策して、ちょうど予約の時間に。ベルマンさんのお薦めのとおり、丼からはみ出しそうな伊勢海老天丼と金目鯛煮付けとお刺身の定食を頂く。お薦めのとおり、とても美味で大満足。
 「明日は大雨で街歩きは出来ないだろうし、まだ帰るのはもったいない。お茶をしていこう。」と夫が言うが、既にカフェはクローズしているところばかり。最後にようやく辿り着いた白木の匂いのする真新しいカフェに入った。客は私達だけで、なんとなくオーナーとお話することに。驚いたことに彼は私達が住む市の出身だという。なんというご縁だろう。オーナーのハンドメイドのテーブルや椅子だそうで、グリーンはご実家近くで買い求めたという。それが私達の最寄り駅の隣だというのだから、何かと縁があるというものだ。すっかり話し込んでご機嫌の夫は「また来ます。」と。タクシーを呼んで頂き、ホテルに戻ってきた。

 今回は期せずして街の方々とお喋りする機会があり、楽しいひとときを過ごしている。この後は温泉にゆっくり浸かって気分の良いままぐっすり眠りたい。

 さて、今日から自宅は留守なのだが、期せずして息子が夜遅く帰省することになっている。明日はこちらで合唱団の先輩の結婚式にお呼ばれしているとGWに聞いた。うーん、5ヶ月前から楽しみにしていた旅をキャンセルするのは・・・ということで可哀想だけれど、一人で過ごしてもらうことにして本人も納得済み。今は新幹線の中である。
 明日は都心も雨の予報。日本のジューンブライドには気の毒なお天気だが、どうか幸あれと願いたい。


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2019.6.12 これも副作用だった・・・

2019-06-12 20:47:00 | 日記

 末梢神経障害が悪化している。
 ハラヴェン投与により出現した手足の痺れと痛みが一向に軽減しない。
 これまでの長い治療歴において、タキソテールやナベルビンを投与した時に出現した経験があるので、抗がん剤によるこうした痺れの副作用は、一旦出てしまうと、なかなか軽快しない(軽減には年単位かかる。)というのは重々承知である。

 そして、この痺れと痛みを鎮めるために、ビタミン剤ビタノイリンカプセル(効能:神経痛、筋肉痛・関節痛、末梢神経炎・末梢神経麻痺~効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。)、漢方の牛車腎気丸(効能:体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り))、加工ブシ末(効能:痛みをとり 水分循環を改善する働きもする。そのため、体が虚弱な人で、冷えや痛み、むくみなどを伴うときに適す。)と3種類の薬を追加しているわけである。

 以前飲み続けた時には、残念ながら目に見えて効果が出たわけではなかったのだけれど、それでも飲まずにどんどん悪化したら・・・と思うとなかなか止められず、結構長く服用した記憶がある。

 今回の痺れはこれまで経験した痺れ、痛みよりかなり強く感じる。なんとか3種の薬が効いて欲しいと思う。
 もちろん、どんな薬でも作用があれば副作用がある。だからこの3種の薬を飲み続けることにより出てくるかもしれない副作用も当然考慮しなければならない。
 けれど、抗がん剤の副作用を軽減するために飲んでいる薬の副作用で、今のQOLを低下させるのは極力避けたいと思う。だが、哀しいかな、やはり既にあったのだ。

 ビタノイリンを飲み始めて、いきなり尿の色が真っ黄色になった、というのは以前にも書いた。
 今悩まされているのは頻尿(その他の副作用 0.1〜5%未満 過敏症:発疹、そう痒感、消化器系: 悪心、嘔吐、食欲不振、胃痛、胃部不快感、腹部膨満感、口渇、下痢 、その他:不眠、頻尿))である。これまたこんな出現率であるにもかかわらず、である。こう見ると、消化器系の副作用もあるからお腹の調子にも無関係ではないらしい。

 びっくりするほどお手洗いが近くなっている。それほど水分を大量に摂っているわけでない。気持ち悪い時期には、1日かけて500mlのマグのお茶すら半分も飲めない時があるくらいだ。なのに、1時間おきといってもいいくらいお手洗いに向かうのである。

 痺れが気になり始めたのと同じ頃、浮腫みも酷く出始めていた。皮膚が痛くとても不快だったから、飲み始めた当初は加工ブシ末には利尿作用もあるようだし、そのせいかなと高をくくっていたのだ。けれど、実際のところ、夜中に2回以上お手洗いに起きることで眠りが妨げられるのが辛い。ワイパックスを飲んでいる日だけは6時間連続して眠れるのだけれど、だからといってワイパックスをずっと飲み続けるのだって、あまりよろしくないだろう。

 お腹の調子が悪いことが多いから、ただでさえお手洗いへの往復は頻繁だけれど、それに頻尿が加わって、一体職場でお手洗いを何往復していることやら・・・。
おかげで足の浮腫みは大分軽減しているけれど、痺れと痛みで歩くのが結構辛いので、何度も立ったり座ったりするのがちょっと憂鬱だ。

 抗がん剤ほど強烈でなくとも、どんな薬にも作用、副作用がある。これは厳然たる事実。
 出来れば作用は最大に、副作用は最小に、と思う。けれど、そうそう都合よく思い通りにもいかないのが恨めしい夜である。

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2019.6.10-11 なかなか復調しない

2019-06-11 21:14:33 | 日記

 月曜日。新しい週が始まった。
 朝起きても、全然疲れがとれていない。ワイパックスも昨夜でおしまい。6時間近く続け眠れている筈なのだけれど・・・。
 朝からお天気が悪い。レインコートと長靴でのお出かけを、という天気予報のとおり終日荒天だった。この足の痺れの状態で長靴を履くとますます足裏の感覚が不安、と普通のペタンコ靴を履いて出かけた。帰路は、それはぐっしょりで悲惨だった。

 定例会議やらなにやらであっという間に午前中が過ぎる。PCでメールを打ちながら指先の痛みと痺れが気になる。ようやく手袋を外したが、またお世話になった方が良いだろうか。歩くと足の裏の痺れで本当にバランスが悪い。階段の昇り降りは手すりに捕まらないととても怖い。すっかりおばあさんのようだ。

 土砂降りの中、濡れ鼠で帰宅。玄関で水が滴るコートを攣って、中まで濡れた靴を乾燥機にセットして。気づくと「疲れた」ばかり口から漏れている。
 久しぶりに夕食の支度を済ませて夫の帰りを待った。ようやく食欲が戻った。自分が用意した夕食を摂ったのは1週間ぶりか。ぱくぱくと美味しく食べられることの有り難さを思いつつ、これがずっとは続かないことを受け入れなければならないという、言っても詮無きことをつらつらと思う。

 夕食後はダラダラと眠くなるまで撮り溜めたビデオを沢山観た。
 今回は便秘も下痢もなく、助かった。このまま過ごせますように。
 今月初めてのお花はオレンジのLAリリーが3本、紫のギガンジューム2本、アレカヤシ2本。花言葉はそれぞれ「威厳」、「不屈の心」だ。初夏を感じる爽やかな組み合わせにちょっぴり元気をもらう。

 火曜日。
 昨日の雨に懲りてコートで出かけたが、朝のうちは青空が広がった。
 ワイパックスがないと、夜中と明け方2回もお手洗いに起きる。幸い中途覚醒にならずそのまま寝直すことが出来たけれど、連続してグッスリ眠れないのは加齢のせいだろうか。朝起きて、元気が戻っていない。疲れが取れてスッキリしていないとがっかりする。どうしてこんなに疲れているのだろう。

 一向に引かないどころか、日に日にきつくなる手足の痺れにも気持ちが苛立つ。何があっても次回はハラヴェンを止めよう。夫にも朝から宣言した。夫は「また落ち着いたら始めればいいよ。」と言う。そりゃそうだよね(所詮他人事だよね、という言葉を吐き出しそうになって)、とちょっとやさぐれた気分になる。

 朝、普通便から軟便になった。ああ、このまま止まれと願ったけれど、出勤後は下痢を繰り返した。何度お手洗いを往復することか。昨日、大丈夫かと久しぶりに大好きなアイスクリームのミニサイズを夫と半分頂いたのがまずかったか。それでも大分遠慮したつもりだったのだけれど。
 お昼は同僚とランチで気分転換。ずっとお腹が重苦しくミヤ錠を飲みながら控えめにしておく。夕方からは黒い雲が立ち込めた。気圧のせいか胸痛と息苦しさが出現する。もし元気だったらヨガスタジオに行きたいどころか胃まで痛くなり、脂汗をかきつつ這う這うの体で帰宅した。足の裏は靴の中全てにとても小さな尖った石が敷き詰められているような痛みと違和感がある。手指もPCのキーを叩く度にジンジン痛み、その余韻でしぶとく痺れている。

 そんなわけで、ハラヴェン5クール2回目は1週間経ってもこの低空飛行。明日からは休薬週だから後半には復調してくる筈だけれど、もし明日が治療だったらとても持たない。

 ひと様と比べることは無意味だと充分過ぎるほど分っているけれど、同じ治療を私のようにだらしなくも難儀することなく、淡々と長く続けておられる方もいるのは事実だ。副作用の出方は人それぞれ。凄いなと思うけれど、実際にこうして私の体は悲鳴を上げているのだから、致し方ない。効いている薬をお休みするのは正直忸怩たる思いだ。けれど、ここは頑張りどころではない。名誉ある撤退であることを信じて、次回からは休薬を決断したい。
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