散日拾遺

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読みかけの物語のアッバレな決め言葉

2018-05-17 21:29:49 | 日記

2018年5月17日(木)

「よからぬ意図というものは、概ね何らかの利益と直線的に結びついています。その場合、私が満州事変の頃の話を始めた時点で、あなたは話題を変えようとしたはずです。あれは我々が生まれ育った時代のことで、正光君個人に関する具体的な情報ではないからです。つまり利益には結びつかない。ところが、あなたは熱心に聞いていた。私の体験した海戦についてもそうです。彼と同じ立場で戦闘に臨んだ人間の言葉を聞きたがっていた。あなたの目的は、正光君の情報を得ること以上に、彼を理解することなのだと思いました。私にはそれで十分でした。」

太田愛『天上の葦』(上)P. 228

薦めてくれた S 先生に感謝、おかげで仕事はまた停滞・・・

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