岩手で行われた北東北MTGに行ってきた。
(最初の川は鬱蒼とした森の中を流れる沢)
最近のガソリンの高騰は正直かなり痛い。岩手まで往復すると1,200Kmくらいは走る事になるので、ガソリン代もかなりの金額になるし運転もかなりきつい。誰か一緒に行ってくれそうな人はいないかなと思っていると、会長も行くというので是非一緒に行きましょうと言う事になった。
前日は会社を休んで、前乗りで盛岡の東にある沢に入る事にしたが、林道を走る事になるので、燃費の悪い自分の車で行こうかと思ったが、それほど長い距離でもないので、燃費の良い会長の車で行くことにした。深夜2時過ぎに都会を離れ、川に到着したのは、10時頃だ。やはり岩手は遠い。着いて支度をはじめると雨が降り出したが、木の葉の屋根に覆われた駐車スペースでの支度はたいして濡れることはない。
まずは林道を歩いて下り入渓ポイントに向かったが、すでに雨は止み、何となく蒸し暑い感じだったが、渓に下りるとひんやりとした心地の良い空気が流れてくる。
今年の夏は、「これまでに経験したことのないような大雨」と言う天気予報があったが、秋田、岩手を襲ったのもその雨で、この辺りにも結構な影響を与え、この小さな沢の水をかなり押し上げた後が残っていた。
(最初に釣れたイワナ)
もしかしたらイワナはみな流されてしまったかもしれないなと、ちょっと疑いながら流れに毛鉤を浮かべてみると、イワナが毛鉤を突っついてどっかに行ってしまった。なんだ、やっぱりイワナは残っている。ちょっとにんまりして釣りをはじめると、早々にイワナが釣れた。今日の天気は、どうやら本格的な雨は降らないまでも、一日どんよりとした曇りになりそうだ。木に覆われた流れでは、昼間でもちょっと暗い感じに思える。少し釣り上がると、山の木が伐採されちょっと明るくなった場所に出た。キャスティングを阻む枝もないので、ちょっと大きなプールに遠目から毛鉤を送り込んでみると、いきなり水面にかなり大きな盛り上がりができたが、水面から顔を出すまでには至らなかった。あれは、大きい、かなりの大物だ。もう一度、こんどは慎重に毛鉤を送り込んだ。すると、今度はガバッと毛鉤を咥えた!よっし!合わせてロッドあおるとロッドは大きく弧を描いた。と思った瞬間だった、毛鉤がはずれてしまった。。悔しくてこぶしを振り上げ水面をたたいていた。左腕はびしょびしょになった。やっぱり最初の一投が大事なのだ。
会長と一緒に釣り上がって行くと、そこそこイワナが釣れるもののあまり反応は良く無い。どうやら、あの開けた場所あたりから、早朝に釣り人が入ったに違いない。そういえば、今回はこの上流域では珍しく良い型のヤマメが釣れた。きっと水が増えた時に上って来たのかもしれない。
(ヤマメも釣れた)
車まで戻ってきた所でお昼を食べ、もう少し上流に移動しようかとも思ったが、そのまま釣り上がってみた。ここぞと思う所でイワナが出なかったら移動しようと思ったが、そういう時にはイワナが釣れるので、決心が付かないまま釣り上がった。滝を越えるとより反応が良くなった。どうやら滝までは早朝に他の釣り師が入ったようだ。あまり調子が上がらなかった、会長だったが、絶好のポイントで尺イワナを釣り上げた。この1匹でもう、上機嫌だ。釣りはそんなものだ。沢山釣れるのも良いが、それよりも、満足のいく1匹で良いのだ。釣り人は誰しも単純だ。
宿に向かう会長は、上機嫌。今夜の宿に到着すると、同じ宿に泊まる事になっていたHさんはすでに到着していた。晩ご飯は、近くのラーメン屋に3人で出かけ、ビールと餃子で乾杯!明日がMTGの本番だけど、宿に戻ってからも3人で少しだけ酒盛り、楽しい時間を過ごした。
(MTG初日の川は渓相は素晴らしい)
翌朝の集合は9時半、のんびり寝てから行っても間に合うところが前乗りの良いところ、当然時間も正確なので、到着は最後になった。早々、川に移動して、それぞれ釣場に向かった。会長と最上流に向かったが、先に向かった2人はちょうど支度が終わって先に上流に向かった。支度が終わって川沿いの道を先に行った2人を探しながら歩いて行き、川に入れそうな場所で川に入ってみた。2人の姿は見えないので、もう少し上流に行ったのかもしれない。流れは水量の多い流れだったが、毛鉤を流すと20cm弱のイワナが早々に釣れた。すぐに堰堤があり、堰堤下は期待したが、全く反応が無く堰堤を越えると、その先の堰堤の上に釣り師が見えたので、てっきり先に行った2人だとその時は思った。
(綺麗なイワナが釣れるが大物は出ない)
ポイントに毛鉤を送り込むと、イワナの反応はあるが、なかなか毛鉤に掛からない。おそらく、この堰堤の上から入ったのだろうと思い少し、ピッチを上げ、堰堤を越えるとその先の堰堤の下に2人がいた。2人に追いついて、話をすると、どうやら2人は一番下から入り、上流に自分達が見えたので、その先に来たとの事だ。という事は、先にいたのは違う釣り人という事になる。案の上すぐ上流の岸際に3人の餌釣り師が昼を食べていた。2人は、下流に移動すると行ってしまったので、先にいる釣り師に挨拶して話をしてみた。上流に行くつもりで来たが台風が来ているので、今日はこの辺りでのんびりするとの事。この先、2,300mは釣りをした後だそうで、釣り上がっても良いとの事。会長と二人で、釣り上がってみた。どうも、毛鉤に反応するもののなかなか食いつかない。
この川は、両岸を自然林に囲まれた広い流れに岩が満遍なく敷き詰められ、そこに澄んだ水が流れ、実に良い渓相で、そこら中で大きなイワナが釣れそうな気がする。が、そうは甘く無いようだ。数匹のイワナは釣れたものの何となく物足りなく釣りは終わった。
(この川の釣れそうな流れだが)
川を下ってくる途中でちょっとした異変に気が付いた。足下をみると、ウェーディングシューズのフェルトが剥がれて、口を空いてしまっていた。こまった、今回は会長の車で来たので予備は持ってきていない。。明日は釣りができないかなと、ちょっとブルーだった。
今回のMTGは12名参加、これだけいると、備えの良い人が何人もいる。明日は中さんの予備のウェーディングシューズを借りる事ができて一安心だ。
温泉に入って夕食後の夜の宴会は、盛り上がる。差し入れのお酒の本数は、参加人数より多いかもしれない。
(差し入れのお酒の一部)
明日は台風が接近しているが、なんとか午前中は釣りができるかもしれないと思い、眠りについた。
朝食を食べ、全員で道の駅まで移動して、川を覗いてちょっと愕然とした。「これまでに経験したことのないような大雨」はこの辺りが一番ひどかった様で、橋の欄干は曲がり、川は土手を削り取り、流れを変えてしまっている。この川での釣りはちょっと無理そうだ。近くの支流への道も通行できないし、雨も少し降り出してきた。空を見上げて雨雲が薄い方向に会長と移動する事にした。
(小さな里川の流れ)
会長の知っている小さな里川に着くと雨はそれほど降っていないので、早々に川におりてみた。小さなヤマメが毛鉤に出てくるが、会長が1匹釣れただけで、昼には雨も強くなり釣りは完了だ。
(少し雨が降り始めたが、稲生が頭を垂れる田んぼの脇の道を歩くのは良い物だ)
近くの会長お勧めの蕎麦屋で蕎麦を食べて帰路に着いた。
下世話な事かもしれないが、今回、会長の燃費の良いハイブリッド車で出かけたが、結果的にガソリン代は、自分の車の1/3で済んだし、交通費は割り勘だから、さらに1/2、運転も交代なので、とても助かった。会長は、また月末に岩手に行くそうだが、ボクの東北の釣りはこれが、今シーズン最初で最後になりそうだ。