きょうも鱒釣り

「きょうも鱒釣り」は故人である芦澤一洋さんの著書です。
この言葉が大好きです。

2014年初夏の道東の釣り(2014/06/26-29)

2014-06-26 | 釣り

今年も北海道でモンカゲの釣りをする事ができた。

(屈斜路湖のイブニングタイム)

全くもって最近は仕事の方はツキがない。昨年から進めていた仕事の1つがどうも雲行きが怪しくなったと思ったら没になった。米国の会社が約束を守らないので困り果て、クライアントに事情を説明しに行かなければならない。今年は道東の釣りには行けないかもしれないと覚悟をしたもののあきらめ切れない。仕事と釣り、どっちが大事かと聞かれたら、釣りと言ってしまうかもしれないが、浜ちゃんの様にはいかないのが辛い。今回はクライアントがものすごく良い人だったのでなんとか調整して行ける算段がととのった。しかし、出発の前日は新潟まで出張にいかないと行けない。とまあ、なんとも慌ただしく出発の日を迎え、なんとか出発できたような状況だった。
羽田に到着して手荷物を預ける列が長いのに唖然としたが、余裕を持って出てきたので問題無かった。飛行機が離陸してしまえばもうすっかり仕事の事は忘れて、釣りモードに入れるのが自分でも良い所だと思う。

(襟裳岬が見えると北海道に到着だ)

襟裳岬が見えてくるとすぐに釧路空港に到着だ。予約しておいたレンタカーには先に送っておいた釣り道具が積んであり、同じ飛行機で来た、Wさんを乗せていざ北の大地に飛び出した。しかし北の大地を走るのは注意しなければいけない。やたらまっすぐな道はついスピードが出すぎていきなり御用となる。レンタカー屋のお姉さんからも、何度も取締には注意して下さいと言われていたので、安全運転で出発だ。北の大地に来たらコンビニはセイコマが主流、セイコマでお昼のおむすびを買って、まずは阿寒川で釣りをしてから目的地の屈斜路湖に向かうことにした。
阿寒川に降りると岩盤には貝の化石がある。何万年か昔ここは海だったのだ。

(阿寒川の貝の化石)

川に入ってライズを見つけ40cmには及ばないが良いサイズのニジマスが2匹釣れた。しかし、その後は30cmに満たないニジマスと遊んで、14時過ぎには屈斜路湖に向かった。

(阿寒川のニジマス)

(阿寒川の流れ、水量はちょうど良い)

屈斜路湖に先に来ていたJFFの仲間と合流して湖に立った。昨日は17時過ぎ頃からモンカゲのハッチがありライズがあったとの事なので、その時間になるのを期待して待った。

(屈斜路湖で釣りだ!)

いよいよ湖面にモンカゲの姿が見え始めると興奮する。沖の方からライズは始まり、だんだん近づいてくる。近くでライズするのはウグイに違いと沖を見ていると後ろで大きなライズ音がしたので振り返ってみると、大きなウグイがライズした。そう、その時はウグイだと思ったのだがそれはウグイでは無く、アメマスだった。横でも良いライズがあったので狙ってみたら40cmを超えるアメマスが釣れた。どうやらアメマスは相当近くまで寄ってくるようだ。7時過ぎまで何度か毛鉤に出るものの旨くかからず初日の釣りは終了となった。
一時間ほどだが実に大興奮のひとときだった。湖から上がり、和琴半島にある三香温泉で暖まってから宿の鱒やに向かった。

(北海道のビール)

一年ぶりの鱒やだったが、一年前と何もかもが変わっていないこの場所は、何となく落ち着く場所だ。今日は初日にしては川で良いニジマスを釣ったし、湖でもアメマスも釣れたのでとても気分良く眠ることができた。
(27日)
翌朝、すっきり目が覚めると、仲間はすでに今日の毛鉤を巻いている。朝食を食べた後は釣りに出かけるが、まずはお昼と飲み物など買うためにセイコマに向かった。買い物をした後は、いつものポイントに向かう前に、JくんとHさんと違うポイントも見てこようと言う事で、釧路川の流れ出しを覗くと、すでに何人もの釣り人でポイントは埋まっていた。

(池の湯温泉)

次に池の湯温泉に行ってみると温泉の流れだしの所にワカサギが群れていてその先にアメマスが見えたのでちょっとやって見る事にした。温泉の流れ出しは水温が高いのでアメマスは近づけないが、ちょっと水温の低いところにくるワカサギを食っているのかもしれないと、ワカサギに似せたフライで狙ってみたが釣れなかった。
いつものポイントにいる仲間に様子を聞いて見たが、風が強くてちょっと厳しい様なので、もしかしたら風裏になるのではないかと思い、和琴半島の川の流れ出しのポイントに行ってみた。流れだしのポイントにはウグイが群れているが、アメマスも寄ってきているので狙ってみた。生憎、風裏にはなっておらずここも風が強かったが、日差しもあり暑いくらいだったので、風は気持ちが良いくらいだった。が、釣りをするにはちょっと辛かった。それに、釣れるのはウグイばかり、結局、昼過ぎまでやっていつものポイントに向かった。

(屈斜路湖は風がある)

風は結構あるが釣りができないほどではないので、ポイントに入って毛鉤を浮かべしばらくすると、毛鉤に食いついてきた。たぶんウグイだろうと思ったが、結構良く引く。これは違うと思った瞬間、ジャンプした。ニジマスだ!やっと屈斜路湖でニジマスをかけることができた。ランディングしたニジマスは50cmには及ばないが45cmほどの綺麗なニジマスだった。

(屈斜路湖のニジマス。グリーンバック、カッコイイ)

その後は風があるもののモンカゲのスピナーフォールもあり、ライズもあった。鱒たちは確実に岸に寄ってきている。何度か毛鉤に出て掛かりもしたが結局、ランディグはできないまま、終了となったが、ニジマスが釣れたので気分は最高だった。今日も三香温泉に入ってから宿に帰り、ビールと晩ご飯で祝杯を挙げた。
(28日)
今日の目覚めもさわやかだ。

(朝食)

しかし、天気はどうも昨日と同じで風が出るようだ。今日もJくんと一緒にセイコマでお昼を買って和琴半島の先の方の流れ出しに行ってみた。

(支流にはウグイが群れている)

やはり、同じようにウグイが群れていたがその少し沖でニジマスかアメマスらしいライズもあったのでしばらくやって見たが、やはり釣れるのはウグイばかりで、昼過ぎには移動する事にした。いつものポイントの仲間に連絡すると風が強くてなかなか釣りにならないので、そっちはどうかとの事だったが、こちらも風が強いし釣れそうな雰囲気はないので移動すると答えた。いつものポイントに行っても仕方がなさそうなので、ちょっと気になるコタンの所でやってみる事にした。

(だいぶ沖まで歩いて行ける、コタン温泉)

ここは遠浅なのでだいぶ沖まで歩いて行けるが、ライズでも無いと、何処にキャストしたら良い物か解らないので、適当にキャストして毛鉤を浮かべたら、なんとアメマスが釣れた。

(偶然釣れたとしかいえないアメマス)

仲間から連絡があり風が強くてとても釣りにならないので、そっちはどうかと言うので、アメマスが釣れたと言うと、2人ほどこちらに来るとの事で、4人で狙って見たが、Jくんがウグイを釣っただけで何とも反応がない。
ちょっと小用で、一端、岸に戻ろうと毛鉤を引いたまま歩き出すと、ロッドに手応えがあり、振り返るとたぶんニジマスだと思うが、ジャンプしたと思ったら毛鉤がはずれて逃げて行った。あまり大きく無いが、まあ、いる事は居るようだった。
そのまま、4人で上がって、またいつものポイントに戻った。

(いつものポイントではこのくらいまでしか立ち込めない)

イブニングタイムの釣りは今日が最後、明日は帰らないといけない。風は相変わらずだったが、少し弱くなり、イブニングタイムにはモンカゲのスピナーフォールも期待できそうだった。今日は、Jくんと一番左側の方に入り、その時を待った。風が少し弱まるとライズは見やすい。まだ時間的に早いが、Jくんが良いアメマスを釣ったので、毛鉤を浮かべる。やっと毛鉤に出るが、悔しいことにバラしてしまう。その内良い時間になり、モンカゲのスピナーフォールが始まる。それほど多くないスピナーが湖面に落ちると鱒たちが活気立つ。日に日にライズは少なくなるが、遠くで大きなニジマスがジャンプして狂ったようにモンカゲを食い始める。Jくんが大物をかけた様で、必死にやりとりをしているが、全く寄らなくなったと言う。どうやら、底に潜られ岩に巻き付けられたようだ。確実に鱒たちは岸に近づいている。ライズしたら鱒の向かっている方向を見極め、毛鉤を送り込む。それがより確実に鱒を仕留める方法だ。今日は、うまい具合にニジマスを仕留められた。40cmほどのあまり大きく無いニジマスだが、嬉しい1匹だ。

(40cmほどの綺麗なニジマス)

その後、ライズはピークを迎える。しかし、そうそうチャンスはない。そんな訳で、届く範囲でライズがあると、構えていないと焦ってライントラブルなども起こす。折角近くでライズがあっても、すぐに毛鉤を送り込めなかったら、意味が無い。そんなミスを犯したので、次は、構えて待とうと思った。しかし、じっと待つのはなかなか勇気がいる。何せ、結局そのまま何もなく終わる事するあるのだから。すると届く範囲で鱒が狂気乱舞しながらこちらに向かってきた。次はこの辺だと見計らった所に毛鉤を送り込んだ!着水と同時にニジマスが毛鉤に食いついた。かかった!合わせをいれ、リールを巻く。。と、その瞬間、毛鉤が外れた。。
鱒を手にするにはすべてが完璧で無ければいけないのだ。合わせは遅合わせでなければ針の掛かりが悪い。解っていてもなかなかできない。
気を取り直してまた、ライズを狙う。今度は結構大きなアメマスがフッキングした。60cmくらいあるかもしれないとネットに手をかけすくおうと思ったら、なんと毛鉤が外れてしまった。とうとう、今日の釣りもお仕舞いだ。今日も何匹かばらしてしまったが、本当にエキサイティングな時間を楽しめた。今日も、三香温泉で暖まって宿に帰った。
今夜が、MTGの本番だ。ご馳走が待っている。今夜は、毎年この時期にここ道東で車中泊をしている山ちゃんやJFF以外の常連さんも宴会に参加して、20名弱で楽しい宴が始まる。


(カニ、山盛り)


(楽しい宴会は盛り上がる)

山ちゃんは釣れるポイントを伝授してくれるし、ポイントまでのアクセス路を確保しておいてくれたり、本当にお世話になりっぱなしだ。宴会のご馳走、カニは毛ガニ、花咲ガニ、タラバガニの大盛り。毎年楽しみなカモンサラダ。羊のローストも良い感じローストされている。ホワイトアスパラは大きくて食べ応えばっちり。ホタテのグラタンはもう、お腹が苦しくてあまり食べられないけど食べてしまう。デザートのオレンジは別腹におさまり、お腹も心も満ちて楽しい夜が更ける。
(29日)
翌朝、今日は帰る日だ。飛行機は15時過ぎ、釧路発なので、昼前ぐらいまで屈斜路湖で釣りをする事にして旨いコーヒーとともに朝食をのんびり食べる。


(鱒やの窓にモンカゲ!だいぶお世話になった)

朝の釣りタイムはどうやら、9時頃までのようで、9時過ぎの湖では全くチャンスもなく釣りは完了した。湖にいた仲間に別れを言って、車止めに行くと、地元のGさんが居たので挨拶した。3日間ともモンカゲのスピナーフォールがあり、非常に楽しめました。と話をすると、それは本当に良いときに来ましたね。皆さんが来る2,3日前までは、寒くて全く駄目だったのですよ。とのこと。それになんと、JFFの仲間が来てからは地元の人達は、ポイントを譲るつもりで、イブニングタイムには別の場所に行っていたとの事。。。なんとも申し訳無いと思うのと同時に、そんな気持ちがめちゃくちゃ嬉しくてありがたかった。

(屈斜路湖で釣りをすると言う事には色んな感謝がある)

そう、イブニングのモンカゲのスピナーフォールなんて言うのは、年に何日もあるわけではなく、おそらく1週間も続かないお祭りみたいなひとときなのだ。それを、遠くから来たからと言って邪魔しちゃ行けないと譲ってくれていたなんてとてもできる事ではなく、感謝の気持ちで一杯になった。もう、今日は殆どの仲間は帰るので、イブニングタイムは存分に楽しんで下さいと別れを言って空港に向かった。
釧路まで向かいコンビニで釣りの荷物は宅急便で送り、レンタカーを返却しに行く前に給油したが、400kmくらいは走った筈なのに19KLしかガソリンが入らなかった。やっぱり低燃費の車は良いなと思った。空港でレンタカーを返却したが、レンタカー返却を対応してくれたお姉さんが、とても親切、丁寧でやたら可愛かった。空港で、お土産を買ったがお土産屋のお姉さんも愛想が良いし、やっとありついた昼食のお店のお姉さんもとても優しい。

(最後にお昼はこれをいただきました。)

気持ち良くお昼にありつき、飛行機に乗って羽田まで来たが、羽田の天候は生憎の雷。だいぶ揺れた上に、ゲート入りも結構遅れたが、無事到着した。自宅にも暗くなる前には到着した。なんだか良い旅だったな。
今回の北海道MTGはモンカゲの釣りは、ドンピシャでとても楽しめたし、念願の屈斜路湖のニジマスにも会えた。本当に楽しかった。地元の人達は、今夜はどうだったのか気になったが、やはり下火になっていたモンカゲスピナーフォール、今夜はあまりなくライズもなかった様だ。申し訳無いと思っていたが、翌日、別な場所でモンカゲスピナーフォールがあったとの事で少し安堵した。

 

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Wellcome!(JFFMTG)(2014/06/21,22)

2014-06-21 | 釣り

JFFのWellComeミーティング(MTG)を開催するために奥会津に行ってきました。


(里では4月に咲くラサキツメクサが咲いていた)

毎年、JFFでは新会員を歓迎するミーティングを開催していますが、昨年は参加者もなく、開催できませんでしたので、その反省も込めて今年は2,3年目までの新会員を主に、旧会員も参加OKとして早めに宣伝したところ、定員に達し一安心でした。
主催者と言っても実際の開催は福島の世話役のTさんにお願いですけどもね。
当日は、開催場所の奥会津の宿、やまゆきかわゆきに8時~9時の間に集合です。主催者としては遅れる訳にはいかないので、早めに出たら1時間ほど早く着きすぎてしまいました。少し回りを散策すると、庭に咲く花に沢山のヤマトシジミ、よく見るとアサギマダラも上空を飛んでいます。近くの小さな川の側には幽霊草(銀竜草(ギンリョウソウ))も咲いていました。

(かわいいヤマトシジミが沢山いました)


(幽霊草が咲いていました)

8時が過ぎ、参加者も集まり、組み合わせを決めて川に出発です。MTさん、ITさん、SNさんの4人で車2台にわかれ川に向かいました。はじめは支流の上流に行き2手に別れて川に入りましたが、どうもあまりイワナは出ませんでした。


(午前中は晴れ間もあり良い感じでしたが。。)

お昼は4人で来る途中にあった裁ち蕎麦屋でお腹を満たしました。


(いせやの蕎麦は美味しいです)


午後は支流の本流筋を見てみようと林道を車で昇って見ましたが、結局川に降りられる場所が見つからず最上流域の登山口まで来てしまいました。仕方がないので、またはじめの支流の下流域に戻って釣りです。2手に別れて釣りをはじめましたが、川に入って少し釣り上がると、なんと、雷が鳴り出し、これはまずいと一端、車にもどり雨宿りしましたが、しばらく待ってもさらに下流に入った2人がもどってこないので、SNさんと、2人で麓にある温泉にでも入ろうという事で、温泉に入りました。洗い場もない立ち寄り湯、気持ちがよかったですが、外の様子が気になります。どうやら雨は上がった様です。


(イワナは釣れました)

それではと言う事で再度釣りをする事にして川にもどるとまだ、2人は車にもどって居ません。釣り上がると、雨が降ったおかげでイワナの活性が上がったのか、いままで何処にいたのかと思うほど釣れる様になり、関根さんが続けて2匹釣ると、また凄い雨が降り出し、今度は川が濁ってしまったので、釣りは終了です。
車にもどると、2人もちょうどもどってきていましたが、2人は、雨の中でも釣りをしたそうで、結構よい釣りができたそうです。雨でびしょびしょになった2人と一緒に今度は4人で、宿の近くの温泉で暖まりました。まだ時間も早いので、温泉はのんびり入り、温泉の後は、尺を釣ったMTさんのおごりで牛乳とコーヒー牛乳でまずは乾杯です。

(温泉上がりはこれ!四人で乾杯)

宿に帰るとまだ頑張って釣りをしている様で帰ってきていない人もいますが、雨で殆どの人は帰ってきています。早々に、早上がりの皆さんとビールで乾杯です。

(宴会前にビールで乾杯)

本番の宴会のご馳走も美味しくて、いろんな美味しい日本酒で会は盛り上がりました。
 
(本番の宴会も盛り上がりました) 

翌朝は雨です。釣りの朝はせわしないものですが、雨なので朝食まで皆さんまったりです。のんびりとした雨の朝もなかなかおつなものですね。朝食を食べた後は集合写真を撮って解散です。釣りをする人は川に向かいましたが、ボクは実家に帰って昼寝しました。

(雨の朝はのんびりまったりです)

今回の奥会津の釣りは生憎の天気であまり釣りができませんでしたが、新会員と親睦を深めると言う意味ではとても楽しいMTGだったのではないかと自負しています。

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ブログ、引っ越します。

2014-06-15 | ブログ

なんと、今使っているこのOCNブログのサービス終了だそうです・・・

そんな訳で、Blogを引っ越します。
引っ越し先は、以下です。

http://blog.goo.ne.jp/iwana_m

これまでの過去記事の引っ越しは、OCNより引っ越しツールが、2014年8月頃提供されるらしいので、その後引っ越しします。

このブログは2014年11月で終了です。。

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出雲のご馳走とコギ(2014/5/8-11) JFF奥出雲ミーティング     

2014-06-07 | 釣り

出たぁ!
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(これがコギだ!)

流れが緩い抉れた岩の手前では出なかったが、思い切って岩の奥に毛鉤をなんとか投射し、じっくり待つと下からゆっくり黒い影が現れ毛鉤を吸い込んだ。
毛鉤を吸い込んだのは、この川に太古の昔より住み着くコギだ。
ここは奥出雲、八百万の神が集まる出雲大社、大国主命は八岐大蛇を退治したと言う素戔嗚尊(スサノオウノミコト)の子孫だ。八岐大蛇は斐伊川に住んでいたと言う怪物だが、しかし、人の営みより遙か昔、氷河期にこの川に閉ざされその血を引き継いで生き続け、今こうして目の前に現れたのは、ほぼ日本最西端に住むイワナ族の一亜種であるコギだ。
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(今回の旅のお供はこの本)

出雲に向かう前日は、行かなきゃいけない免許の書き換えを済ませ、翌5/8は、ちょっと早起き目で羽田に向かったが、やはり遊びに行くときは思いっきり早朝がよいようだ。ちょうど平日の通勤ラッシュの時間帯で大きな荷物を持っての電車は回りにも迷惑だし、えらく疲れた。
飛行機に乗ると1時間ほどで出雲縁結び空港に到着。車で先に来ていた好さん夫婦が空港出口で出迎えてくれた。
やっとJFFの奥出雲ミーティングに参加できた。コギに会う事は一つの釣りの目標だった。
一つの目標を達成する前に身を清める意味でまずは出雲大社で祈りを捧げるのも重要な儀式だと信じる。
車を道の駅に止め、出雲の阿国に挨拶をしたら出雲大社。だがその前に出雲蕎麦でお腹を満たす。
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(出雲に着いたら出雲蕎麦)

出雲大社詣では、二礼四拍一礼。

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(出雲大社でお参り)

何カ所もお参りする場所があるので小銭は多めに用意した方が御利益もあると思う。
縁結びの神に今回の旅の無事をお願いして境内をでるといきなり雷が鳴りだした。

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(出雲ぜんざい、旨い)

少し雨もぱらついたが、出雲ぜんざいは外せないので、ぜんざいを食べてからホテルに向かった。車に乗ってから大雨になったので、どうやら早速御利益があったようだ。部屋でちょっとゆっくりしていると雨も上がり、好さん達と雨上がりの松江城に行ってみた。
松江城には、耳なし芳一の著者としても知られる小泉八雲の記念館があるが、八雲は日本に来て、はじめにここ島根で英語の教師をしていたそうだ。
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(雨上がりの松江城はさわやか)

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(出雲の味覚)

しっかりと松江の歴史に触れた後は、仲間とともに、ありがたく島根の味覚を軽く味わい、旅の気分を盛り上げる事も重要だ。



おかげで明けて翌日はすっかり出雲旅気分、快晴の中、好さん達と一緒にいざコギに会いに向かう!
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(奥出雲 おろち号)

集合はJR西日本では唯一、3段スイッチバックが存在する木次線の出雲坂根駅。ホームの片隅にタヌキが集まる延命水と呼ばれる湧き水があるので、空のペットボトルにこの水を汲んで釣りに行く事をお勧めする。

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(タヌキで賑わう延命水)

さてそこから、今日は地元の佐々さんの案内で梅さんと3人で、車でコギが住む場所に向かう。正直言って川が小さいのでちょっとためらうが、川を上ると適度な落ち込みもあり、いかにもコギがひっそりと隠れて居そうな淵が現れた。そっと毛鉤を落とし込むと、20cmほどのコギと初対面だ。なんとも可愛らしい、けどもその顔つきはどこか八岐大蛇を思わせる眼光であり、柔なイワナとは違うと感じる。
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(初コギ)

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(小さな流れ、コギはC&R!)

残念な事だが、こんな小さな流れに住むコギを持ち帰る釣り人も多いとの事、絶滅してからでは手遅れになるので、持ち帰りはせずリリースして欲しいと切に願う。
お昼はコンビニのおむすびなんて寂しいことはしない。折角の奥出雲、駅の売店で地元のおばちゃんが作ったとわかる山菜おこわとタケノコの煮物をいただいた。
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(駅のお店)

駅の売店と言っても、ちょっとした小さな雑貨店だ。おばちゃんと世間話をして、昔はこの辺で潜って魚を捕ったとか、まむしが多いから気をつけなさいなど、しっかりとその地に浸るのも旅の楽しみだ。おばちゃんと少し仲良くなると、鶏皮の唐揚げをサービスしてくれたのもありがたい。
地の味を味わった後は梅さんと2人でヤマメ釣りに向かった、そこは、午前中案内をしてくれた佐々さんの実家のそばの流れ、言わば佐々さんの庭。
050813
(出雲のヤマメ)

川に降りるところを探すので、ちょっと難儀したが、降りるとすぐにライズを見つけ幸先良くヤマメにご対面だ。その先でもライズを見つけ、調子が良いなと思ったが、大間違い、そのライズする鱒はなんどか毛鉤に出るものの、フッキングせず、とうとう釣るのを諦め、終了となった。
050814
(途中で寄った宝樹の湯)

今日は、ちょっと楽しみな、前夜際、急いで根っこやさんに向かうが、さすが梅さん、押さえるところは外さない。途中で、気持ちの良い温泉に浸かってから向かった。

050815
(今夜のご馳走!)

うむむむ。。日本酒ってこんなに旨いのか!全くもって下戸なのに旨くてつい飲み過ぎている事に気が付かなかった。料理も激旨い。金時芋のスープは炭酸飲料の様に舌にシュワシュワ感があるにもかかわらずそのほんのりとした甘みは確かに芋のスープ、旨い。
050816
(根っこやさんには、いろんなものがある)

なめらかな舌触りだが舌の上を転がすと確かにその味と感覚があり、思わず口の中で舌を回してしまうフォアグラの茶碗蒸し、島根に来て良かったと何度も思わせる。

050817
(橘屋の釜揚げ蕎麦)

美味しい料理とお酒で楽しい宴もたけなわ、お腹いっぱい。なのに、〆の橘屋の釜揚げ蕎麦も完食した。



翌5/10が奥出雲ミーティング本番、すでに充分過ぎるほど出雲を満喫したがまだまだこれからだ。地元の仲間のFさんの案内で、昨日、好さん達が逃しコギに挨拶しに向かったが、残念ながら今日は同行の直さんも逃した。
050818
(川に咲いていた花)

その敵討ちでは無いが、次の絶好のポイントで仕留めた八岐大蛇がはじめに話したコギだ。

050819
(ここも小さな流れ)

釣った瞬間、デカイ!尺だ!と思い込んで思わず声が出たが、すくってみると25cmほどだった。どうやら完全に昨夜の酒が抜けていないようだ。しかし、この川でこの大きさに育つまでには並々ならぬ苦労があったに違いないと思う。敬意を払ってそっと流れに帰した。来年、尺になってまた会おう!と。

050820 (お昼の集合場所)

出雲の神様に感謝しつつ、お昼の集合場所、可部屋集成館に集まり蕎麦とおむすびでお腹を満たした。
午後はヤマメと遊ぶために佐々さんの庭に向かったが、案内された場所は、昨日、梅さんと入って、散々手こずったライズのあった場所だった。今日もライズしていたので、あれやこれや試してみたけど、結局、毛鉤を舐めただけで仕留める事ができなかった。まだお賽銭、いや祈りが足りなかったようだ。ちょっと見えた魚体はヤマメでは無くコギに見えたが、あとで佐々さんに聞いたら、やはりあれはコギだったようで、佐々さんも数日前から狙っていたそうだ。なるほど、手強い訳だが、手強くてちょっと安心もする。

050821
(ちょっと良いサイズの出雲のヤマメ)

その後は、ライズしているヤマメを見つけて、釣ることができた。


夜はミーティング本番、田丸屋さんでいざ宴会だ!
今夜もまたしても赤貝やら亀の手、ノドグロなどなど、ご馳走たっぷり、日本酒も凄い!

050822 (今夜も出雲のご馳走だ!)

D-269(どぶろく) は旨くて、カッシーは一人でガブガブ飲んでいる始末だ。

050823
(宴会は、盛り上がる、料理も旨し)

デザートの焼きバナナアイスは旨くて梅さんは皮まで食ってしまった。さすが奥出雲、なんでも旨い。宴会も盛り上がったが出雲の旅も明日で終わりだ。

コギにも会えてヤマメも釣ったし、出雲大社にもお参りして、連日連夜、旨い出雲の幸をたらふく食べ、仲間と楽しくやってきたので、もう充分だと、釣りはしないで帰るつもりだった。しかし、心優しい島根の仲間は、釣りもしないで帰るなんて、勿体ないと、安さんに佐々さんの庭につれて行ってもらい軽くライズをつぶして完了だ。
わざわざ空港まで送ってもらい恐縮至極お世話になりっぱなしだった。

050824
(富士山が見えると旅もお仕舞い。。)

飛行機から富士山が見えると本当に旅は終わった哀愁に浸る。
ちなみに、最後のお昼は空港で蕎麦を食べた。

今回、初出雲だったが、参加のJFFメンバ、そして島根の仲間には本当にお世話になりとても感謝だ。出雲も、本当に良いとこだ。
帰って来て、体重計にそっと乗ったにもかかわらず、行く前より+の方向で止まった事は言うまでも無い。

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