先日のARRL10mコンテストの後始末としてQSLの準備をやっています。国際返信切手券(IRC)やGSを揃えて封筒を印刷してと悪戦苦闘中です。少し作業をするとIRC・GS・封筒のどれかが尽きてしまい、また買いに行く始末ですHi ログの方は何とか受理されたみたいです。
こんな風に国際返信切手券はハムにとっておなじみなのですが、「特別返信切手券」というものがかつて存在したことをご存知でしょうか?これはかつて沖縄の日本復帰前にあった制度です。
復帰前の沖縄県では米ドルが使われており、郵便切手も琉球郵政が発行したドル表示のものでした。日本の郵政省(当時)が発行した切手は使えなかったのです。それでは沖縄の局にSASEを送りたい場合はどうするか?ここで出てくるのが特別返信切手券です。
日本の郵便局でこの特別返信切手券を買い、同封して沖縄に送れば現地で封書1通分の最低料金の切手と交換できたそうです。現物はこんな感じだそうです。価格は日本での定形郵便の最低料金と同額であったようで額面20円の他に15円のものも確認されています。もちろん1972年の沖縄復帰に伴い郵便事業は日本の郵政省に引き継がれましたから、この時点で特別返信切手券は役目を終え廃止されています。
ちなみに日本→沖縄への郵便料金は船便であれば国内と同じであったそうです。1972年5月当時は20円でした。そのころの沖縄での料金は5セント。1ドル360円で計算すれば18円です。その1年前(1971年)までは3セントであったようで、当然のごとく採算が取れず琉球郵政は大きな赤字を抱えていました。この累積赤字は本土復帰後郵政省に引き継がれ、解消されたのは何と2003年頃であったそうです。
円高の今、1ドル札は梅田の金券ショップで80円を切った値段で買えます(今日は78.6円だったと思う)。アメリカ→日本への航空便の最低料金は98セントですから国内の定形郵便より安い勘定になります。何とも不思議な感じですHi