Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「精霊の守り人」

2014-11-15 11:10:09 | Book
上橋菜穂子著「精霊の守り人」を読了。
「獣の奏者」シリーズを読んでこの著者の作品にはまりました。独特の世界観、舞台は日本を思わせる、日本の四季の富んだ風景、そして人々。
「精霊の守り人」は、「獣の奏者」より10年も昔に書かれたシリーズで、もっと児童向けのような感じはします。しかし、作者も言っているように、児童向けに書いた作品ではなく、児童も大人も読める作品としてちゃんと成立しています。
この著者の書く世界が好きです。
美しい女性やカッコいい男性がでてくる物語ではなく、人それぞれの人生がその人の姿を魅力的なものにしているように描かれた人物描写。登場人物に生粋の悪人はおらず、立場やしがらみで苦しみながらも道を選択していく人物たち。
最後のほうで、
「なぜ、と問うてもわからないなにかが、突然、自分をとりまく世界を変えてしまう。それでも、その変わってしまった世界の中で、もがきながら、必死に生きていくしかないのだ。だれしもが、自分らしい、もがき方で生きぬいていく。まったく後悔のない生き方など、きっと、ありはしないのだ。」
とあります。
私の場合は病気が自分の世界を変えましたが、もっと大きな出来事、戦争や放射能汚染などで、自分をとりまく世界が変わってしまった人が世の中にはたくさんいます。
この物語は一話で完結して読めますが、シリーズは全10巻ほどあるそうなので読むのが楽しみです。
主人公バルサやチャグムが、自分の世界とどう取り組みながら生きていくのか、読みながら元気がもらえるとうれしいです。
体調は良好です。夫が風邪気味なので、うつらないように気を付けなきゃと思ってます。