旅するガーデナー

いつも五感を刺激し、喜怒哀楽、幸も不幸も、哲学も瞑想も、言葉にできない多くが存在する庭は私のパワー・スポット!

みどりのサポーター養成講座 最終回

2011年12月09日 12時20分32秒 | ガーデニングセミナー

全8回の「みどりのサポーター養成講座」も昨日で最終回。
市内でも老舗で有名ガーデニングショップ「アウトテリア民園」のオーナーで、「趣味の園芸」の講師やガーデンデザイナーとしても活躍している井出洋介さんが「室内園芸の楽しみ方」と題して、観葉植物の育て方や飾り方など、実演も交えてお話してくださいました。

昔、日本の室内の暖房はコタツや火鉢が中心だったので、部屋内の気温が低く観葉植物は枯れ、一年一年買い換える物だったそうです。
暖房が発達すると観葉植物は何年にもわたって育てる事ができるようになり、大きくなったら一回り大きな鉢に移植する、株分けして増やすなどして育てるよう教えられました。
しかし、現代では大きくなりすぎたり、鉢が増えたりと、管理が大変なので、同じ樹形を保ちながら育てる方法が主流。
そのために「根を切って同じ鉢に植える」という方法を紹介してくださいました。

根回りした観葉植物の根を楔形に3箇所切り取り、底の根も少し取り除いて同じ鉢に植えると、大きくならずに育つとの事。
元気に育てるには水遣り(乾湿のメリハリ)が大変重要で、土の表面乾いたらたっぷり与える事。
なぜなら土が乾燥すると根と土の間に空間が出来、水をたっぷり与える事で、根から出た悪いガスを洗い流す事ができ、それが根ぐされさせず根を丈夫に保つ秘訣なのだとか。
温度管理も人と同じで、温度差の激しい場所は避けた方が良いとの事。


観葉植物を飾る際のポイントとして、ビッグプランツ(大きな植物)は一鉢ずつ丁寧に飾ること。
氏曰く「白いプラスチック製の鉢は洋服を着ていないのと同じ感じがする」ので、色合いや質感など、部屋にあったコンテナ、または鉢カバーをして飾る事。
いくつか持っていると何種類かのパターンを楽しめるとおっしゃって、色々試してくださいました。

また、鉢カバーは植物の植えてある鉢の大きさに拘らなくても良く、高さを工夫する事で、違った表情を見せてくれるそうです。
この籠は骨董品のような質感で、植物をポ~ンと置いただけで、空間が全く違って見えて、皆「ホ~ッ」と歓心
「年数のある植物(例えば年を経たポインセチアなどでも)は置いただけで、前から其処にあるような気がする」とも。

 

更にグループプランツの飾り方も実演。
「ビッグプランツが独唱なら、グループプランツは合唱で、ハーモニーでみせる」とのこと
一つの塊に、少し離して小さな塊を置くのも素敵な設え。
まるでデパートや高級レストランのディスプレイみたい
線の細い植物は、白い背景にすると映えるそうです。

他に、洋間にオリエンタルな雰囲気を与える観葉盆栽や、大昔プランツハンターが使っていた手法(ワーリアンケース)で植物を育て飾る瓶なども見せていただきました。
この瓶の中は一種のテラリウムとなっていて、植え付け時に与えた水だけで育ち続けるのだそうです。ただし直射日光は厳禁

また「床の間に観葉植物を飾る」とか、飾っている絵画にあわせて植物を飾る「プランツ&アート」の手法、「照明の使用上の注意」など教えていただきました。
「和室に合う植物は、どこに持っていっても合う」のだとか。
長く観葉植物を楽しむために、5~11月ぐらいは一日3時間ぐらい日光の当たる戸外で管理するのが良いとの事です。

最後に井出氏は「庭はマイナスする作業」(植えてから手入れをする=マイナスの作業)で、「それが庭を素敵にする」と仰ってました。
ちょっぴり「我が意を得たり」

5分ほど時間が余り、なんでも質問して良いことになったので、私が「庭作りにおいて何を大切にしていますか?」と問いましたら、
「(庭が)出来上がった時、『前から在ったみたい』と言われると、とても嬉しいです。」と。そして、
生活に和と洋が混在しているように、(これからは)庭も和と洋を分けずに存在し、溶け込ませ方でどちらにでもなるように(作っていく)」とも。

ショップのオーナーでありながら「売らんかな」ではないお話で、最終回、井出さんの講座を受けられて良かったです

 

               

 

前々回、メンバーで共同購入した玉崎先生のお勧めの園芸バサミが届きました


全回出席で、セミナーの修了証書も頂いて、バラ部会への参加も申し込み、来年から「みどりのサポーター」の一員です。
早速2月にはバラの剪定があるそう。
新しいハサミで、張り切って行こうっと

 


みどりのサポーター養成講座 七回目

2011年12月09日 10時23分33秒 | ガーデニングセミナー

今日は真冬並みの寒さで、東京では初雪が降りました。湘南地区ではどうかしらん。

 

この度もすっかり遅くなりましたが、11月10日の「みどりのサポーター養成講座」七回目の様子をアップします。
市内の巨木、大木などの樹木を訪ねて植生研究家の鈴木照治氏とともに、皆で観察会に出かけました。

巨木とは目の高さで目視して(目どおり)1m以上、胸の高さで幹の周りが一周3m以上の樹木。
大木とは、目どうり50cm以上、樹まわり150cm以上の樹木。
市内では毎年2~3本巨木がなくなるそうですが、同様に2~3本、巨木の仲間入りをする木があって全体本数は維持されているそうです。
その後公園から市内の神社へ巨木観察に歩きました。

根が上がった樹まわり5m以上のタブノキ

同神社に聳え立つタブノキ
この辺りはシイノキとタブノキの植生帯だったそうで、巨木にはその2種類が多いのだとか。
特にタブノキは成長が早いので、同様に他の木々が生えても、タブノキの下になり枯れていったのだそうです。

 

神社の後は、少し歩いて湘南高校のクスノキを観察に行きました。
初代校長の「日本一の学校をめざす」という志の元に多くの有名文化人や研究者や政治家などを輩出してきた県内屈指の名門校。
楠木正成にあやかって1933年に湊川神社よりいただいたクスノキが校門の両脇に植えられています。
樹齢約80年になるのでしょうか。
(写真は右側の細い方。)目どおりやく1m、樹まわり4mの大木です。

戦前は100年ぐらいのサイクルを見通して、一本切ったら10本植え跡継ぎを育てていたそうですが、戦後からごく最近までは跡継ぎを植えることがなかったので、50年間の空白期間があるのだそうです。
それが今後どの様に環境に影響していくか興味深いとの事でした。

今回も、同じ市内でも海側と私の住んでいる内陸側とでは、樹木にいたっても植生にかなりの差があると知りました。
ウチから二駅海側に、一つ北限があるみたいです。
小さな範囲なのに、植物って結構敏感なものなのだと感心したしだい。

1時間半ぐらい歩きましたかね~。フィールドワーク、楽しかったです。