Jun日記(さと さとみの世界)

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美湾

2017-12-06 20:08:52 | 日記

  車中で私はお絞りを目に当てて休んでいました。お絞りは登山を終えた皆に配られていました。気が付くといつしか私の目からは涙がしみじみと流れていました。疲労感が少し取れたようで私は目からお絞りを外して身を起こし、きちんと椅子に座り直しました。スッキリと視界が開けたようで、私にはリフレッシュした感覚が甦っていました。ふと唇を舐めると、甘い味がしました。「甘い、…ピーナッツバターの味。」何気なくそう呟くと、車中の皆に聞こえた様で、甘かった、ピーナツバターの味だってというような、私の声に反応した声が聞こえて来ました。

   私は幼い頃からピーナッツバター、ピーナッツクリームが大好きでした。唇に残るその味に、この味は何処から来たのだろうと不思議に思いました。目を覚ました私はボンヤリと車外の登山者が行き交う様を眺めていました。

   私は登山途中の岩場での事など思い浮かべ、美しいものを見たことや、頂上での眺め、その眺望を思い起こすと、やはり感無量となり、言い知れない幸福感に満たされるのでした。

「綺麗だったな。」

『綺麗な人、綺麗な髪、綺麗な瞳。』、そう思うのでした。


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