20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『あえてよかったね』(山末やすえ著 くもん出版刊)

2009年04月26日 | Weblog
 古くからの作家の友人、山末やすえさんが新刊をだされました。
『あえてよかったね』(くもん出版刊)
 
 ひいおばあちゃんの「ひばちゃん」は、とってもしあわせに大家族で暮らしています。
 ひいおじいちゃんや、息子であるおじいちゃんは、とっくに死んでしまったというのに。
  
 近頃、ちょっと記憶がおぼつかなくなってきた「ひばちゃん」と、曾孫である姉妹の交流が、ゆったりとした筆致で描かれています。
 そしてなにより、「ひばちゃん」の言葉がステキです。
 山末さんのやさしさが、勇気をなくしている子どもたちの背中を、そっとあと押ししてくれています。
 どんな言葉か、ですって?
 それはぜひお読みになって、たしかめてください。
 
 さらには、「オウム」や「アシタバ」「ビーズ」「折り紙」「色エンピツ」・・・。
 そんな魅力的な小道具が、作品にかがやきを与えています。
 やはりこういった小道具の使い方が、さすがベテラン作家です。
 お見事というほか、ありません。
 その使い方のひとつひとつに、心がぬくもります。
 
 ぜひお読みになって、山末さんのやわらかな世界をどうぞご堪能ください。
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