今回の病棟は整形外科の手術患者の多いところですが、どちらを見ても女性は殆どが高齢者です。
(男性は、おじいさんとおじさん半々ぐらいかな?)
一昨日退院していかれた向かいのベッドの方は92歳だったのだそうで、お迎えに来た娘さん(といっても60台?)に向かって
「あんたそんなむたむたな頭して。もっとちゃんと梳かして来んかいね」といきなりこう来た。
本人がいらないという介護用品を地下の売店で買ってきたことに腹を立て、娘さんを罵倒している。
「ソンでも家へ帰ったらすぐにいるもので、ここなら買いやすいし…」という娘さんもあまりのいわれようにはらをたてて、「そんなにいつも人の事を意地の悪い言葉で怒鳴るから、どこも受け入れてもらえんがやぞ。そんなことばっかり言うから皆に嫌われるんや。」と言い返している。
そのやり取りにびっくりしている私を横目に、いつもそうだったらしくあとの二人はにやにや笑っている。
食べさせてもらったり看護してくれる看護師さんにも結構厳しい言葉をかける常習犯だったらしく、でも92歳の割には頭もしっかりして、でもどこかかわいらしかったらしくて、「〇〇さん退院でさびしくなるわ。」
「娘やからこんなケンカできるんやわね。」と言われながら退院していかれた。
そのあとすぐに待っていたように入られたのは90歳の方で、これは家の中で一人でいるときに転んで大たい骨骨折で救急車で運ばれたという方です。
手術は来週ですが、体を動かされるたびに「イタイイタイ」と叫ぶ声は、周りで聞いていても自分まで痛みを感じてしまいます。
でもこれもしっかり看護師さんに聞かれたことには答えているし、意志もはっきり伝えるし、何かノートを出して書いていらっしゃるのを見ると、しっかりひとり暮らしをされていたのだろうなぁと思ってしまいます。
自分用の携帯もしっかりお持ちのようです。
廊下を隔てた向かいの4人部屋は、全員”デイサービス状態”です。
看護師さんに大きな声で何度も繰り返しで言われている言葉も聞いていても可笑しくなります。
そんなに長くはいることのできない病院ですが、皆さんどこへ帰って行かれるのだろうかとふと思ってしまいます。
そういえば前の病院の同室だった”自己中”発言の多かった、それぞれ問題児の二人も、そろそろ転院だろうけれど、一人は施設・一人は一人暮らしの家へ帰って行かれるのだろうか?
なんだか自分の”先”が妙に思いやられる今日この頃です。