鎌倉市の施設で例会をやっている句会が顔合わせが出来ずにメール句会になって三回目。一人八句投句するから8人で64句自分の分を除いた56句から八句選び、そのうちの一句を特選にします。
選句雑感
昨夜八句選句したと思ったら九句ありました、<wbr />どれを外そうかと思うと難しいのです。<wbr />明日にしようと床に入ったが、<wbr />気になりだし床のなかで句を思い浮かべてみました。
すると七句までこんな句だったと出てくるのですが、<wbr />二句が浮かんできません。こうなると気になって、<wbr />スマホをのぞくことになり分かったことは浮かんできた七句に共通<wbr />していたのは視覚でとらえた句でした。
そのうち三句には自分が体験したことや最近気にかけたことが句意<wbr />に含まれていました。
選句八句
ふんわりとドローン降りたり山笑ふ
=一昨年孫がドローン持参で私の家にいた頃、<wbr />飛ばすところを見せてくれと長者ヶ崎に行った。<wbr />その時の弾んだ気持ちと「山笑う」が結びついた。
春愁の顔を鏡の中に閉じ
=歳時記に櫂 未知子の
「ジッパー上げて春愁ひとまづ完」
鏡の中の顔の方が愁いの深さを感じます。
厨房より水の音する端午の日
=この句が浮かばなかった二句のひとつであり、<wbr />最初の選句では外した句でした。<wbr />しかし聴覚を詠むことで句意に広がりを感じます、<wbr />空間的なそれだけでなく過ぎた日々も取り込まれてきます。
特選にしました。
箱庭に一石置いて定まりぬ
=箱庭は春の季語だと思っていましたら夏なんですね。歳時記に「<wbr />箱庭を作る楽しさ、見る楽しさは夏の遊びである」とあります。<wbr />写真をアップして貰いたいです。
無観客競馬に響くファンファーレ
=先々週のテレビ「男はつらいよ」<wbr />で寅さんが競馬で大穴を二回100万円を手にした、<wbr />それが浮かんでの選句で、鬱々のこの時期の一句としても。
鬱々の空気押し退け百合の咲く
=この鬱々気分を払う花、やはり百合ですね。歳時記より
青空へ百合の念力のぼりけり 保坂敏子
粽解く臍の緒今も抽斗に
=<wbr />ヒトの出生時刻を決めるのは何を基準にしているのだろうと考えた<wbr />ことがありました。やはり臍の緒を切り離した時刻でしよう。<wbr />そんなことを考えたら自分の臍の緒が小さい桐の箱に収まっていた<wbr />ことを思いだしたのです。
軒燕今も肉屋が駅の前
=<wbr />我が家の近くの肉屋がいつの間にか閉めてシャッターを下ろしたま<wbr />んまになっていたことが浮かんできたのです。<wbr />コロナ禍後そんな店が多く出るのではないか、駅前でも。
自宅閉じ籠もり癖にくどくどと書かせられました、<wbr />ご理解のほどよろしくお願いします。
三葉子