「てんがらもんラジオ」の第3週は児島さんの健康に関する話で今回は「腸の話」でした。先週の木曜日に聴き取り難く、 内容を確認してから「つぶやき」たいと思ったことがありました。今日再放送で確認したのですが「腸は考える」ということです。
児島さんは辨野さんの言葉を引いて「第一の脳は腸にある」と言われました。この言葉に関連した本が岩波新書の『腸は考える』です。
先ほど探してみましたが見当たりませんが、この本を買ったのは十数年前に小腸を30㌢ほど切りとる緊急手術をしたからでした。自分の素人判断でガスが溜まり痛みになっているのだろう位に考えて過ごしていましたが、妻に促され病院に行ったら、即手術が必要と言われたのでした、あと半日遅れたら命が危なかった、と。
手術が終わって医者から切り取った腸を見ますか、と聞かれた様に思います「見なくてもいいです」と答えた記憶があります、後で思い返して見ておくべきだったと。自分の臓物を直に見れる機会はそうありませんし、何より勝手に判断をして危機状況にしていく脳に対して、警告を発していた我が腸をキチンと見ておくべきだったのです。
児島さんの話を聴きながら「断腸の思い」という言葉を思い起こしました。中国の晋(しん)の時代の話、子猿を捕まえた兵士の乗った舟を母猿が追い百里余、やっと舟に跳び移ったがそこで死んでしまった。母猿の腹を切り開いたら腸がズタズタになっていた、という話です。その兵士に対し将軍桓温(かんおん)は怒って兵士を罷免(ひめん)したと記されています。【白川静『常用字解』他】
話は転じますが、今朝友人から西日本の被災地の支援に出かけます、とのメールがありました。現地にどれほど多くの「断腸の思い」を抱えている人がいるか考えると、それらの人々の生活全体を支えていくことの切実さが分かります。そして「断腸の思い」の人々に冷たく対応する者に、1600年ほど以前の一将軍にも通ずる怒りをおぼえ彼らを罷免せよと、耳元に聞こえます。