相変わらず 多重下請け制度がまかり通っているようです。
今日の毎日新聞で原発汚染水対策のタンク建設の契約形態図が
載っていましたが 何と4次下請け制度になっていました。
まず東京電力と大手ゼネコンが請負契約をして元請けとなります。
元請けの大手ゼネコンは自分たちの利益を引いた予算で1次下請けの
建設会社と請負契約を結びます。
1次下請けの建設会社は更に自分たちの利益を引いた予算で工事別に
2次下請けと契約を結びます。
今回のケースではタンク建設工事ですから溶接会社が2次下請け
として契約を結びます。
次にこの溶接会社が更に自分たちの利益を引いた予算で複数の実働組織
と値交渉して3次下請けが決まります。
ここで初めて実際のタンク制作作業に関わる組織が4次下請けとして
請負契約を結びます。
4次下請けの契約形態は複雑で中には一人親方と呼ばれる職人や作業員派遣会社
も含まれ 責任体制や労働環境に問題が多いケースもあります。
今回 発覚した問題は外国人に偽装請負をさせた疑いです。
お金がほしくて 作業内容の危険度を調べずに作業をした人もいると思われます。
言葉も良く分からず 放射能の危険度についても十分説明を受けたかたかどうか
疑わしいものです。
立場の弱いものが 厳しい労働環境下で 「喜んで低賃金で働く」 仕組みに明るい
未来は有りません。
今回のタンク工事費は3次請負の段階で1基200万円だったそうです。
東京電力が元請けの大手ゼネコンに支払う実際の金額と大手ゼネコンが発行する領収書
の金額に興味が有りますが 極一部の人達だけが知る仕組みと思われます。
多重下請け制度が進むことにより 工事費の分配に偏りができ いずれ大きな社会問題
となるはずです。
実際に工事をしない大手ゼネコンが多重下請け制度で大きな利益を上げ続ける仕組みは
何とか改善してもらいたいものです。