日本古来の伝統技法を用いた「和の万華鏡」を創作なさっている溝口好晴さんの万華鏡展に伺いました。神奈川県川崎市高津区のフィオーレの森 星のミュージアムという小さなギャラリーです。さまざまな意匠を凝らした作品がゆったりとした空間の中でそれぞれの個性を主張しながら、ひとつの大きなまとまりを見せていて、溝口さんのアートを堪能できる場所となっていました。4月8日まで開催中です。
この「なつめ」という作品は、ご覧のとおり、手の込んだ螺鈿細工が素晴らしい工芸作品です。この見事な「なつめ」が実は万華鏡なのです。茶入れと同じように蓋を取ると、万華鏡の覗き口が現れます。オブジェクトセルは底に組み込まれています。
貝殻のかけら自体は最初、白っぽくみえるのだそうです。それををひとつひとつ並べて漆を塗り、磨いてこのような色が現れてくると説明していただきました。そのお話を伺って想像するだけでも「信じられないほどすごい!」と思うほど細かい、手の込んだ作業です。
ひとつひとつの貝のかけらがピンクや青や緑や紫などの光沢となり、光の当たる方向によってもその趣が変わるところは、薄い金属の膜をガラスに蒸着させた現代のダイクロイックガラスと共通項があるのですが、きっとそのガラスの原点は貝殻の真珠光沢にあるのではないでしょうか? 自然の作り出すとんでもない美しさ、それを工芸に取り入れる伝統に改めて感動しました。
溝口さんはこの螺鈿に使う貝を万華鏡の装飾だけでなく、オブジェクトにも使っています。オブジェクトセルに光を当てると妖しい輝きが生まれ、幻想的です。
この「なつめ」という作品は、ご覧のとおり、手の込んだ螺鈿細工が素晴らしい工芸作品です。この見事な「なつめ」が実は万華鏡なのです。茶入れと同じように蓋を取ると、万華鏡の覗き口が現れます。オブジェクトセルは底に組み込まれています。
貝殻のかけら自体は最初、白っぽくみえるのだそうです。それををひとつひとつ並べて漆を塗り、磨いてこのような色が現れてくると説明していただきました。そのお話を伺って想像するだけでも「信じられないほどすごい!」と思うほど細かい、手の込んだ作業です。
ひとつひとつの貝のかけらがピンクや青や緑や紫などの光沢となり、光の当たる方向によってもその趣が変わるところは、薄い金属の膜をガラスに蒸着させた現代のダイクロイックガラスと共通項があるのですが、きっとそのガラスの原点は貝殻の真珠光沢にあるのではないでしょうか? 自然の作り出すとんでもない美しさ、それを工芸に取り入れる伝統に改めて感動しました。
溝口さんはこの螺鈿に使う貝を万華鏡の装飾だけでなく、オブジェクトにも使っています。オブジェクトセルに光を当てると妖しい輝きが生まれ、幻想的です。