
私をすごくかわいがってくれた吉祥寺の祖父母(母方)のことが
身近に思い出されて、何か書きたくなったのだけれど
思い出すと何から始めていいかわからない。

インターネットで検索すると出てくる親戚の人(父方)もいて
写真が父に似てたりして・・
杉田久女のことを題材にしたドラマに祖父神崎主計(縷々)と
祖母が実名で出てきたこと・・
祖母が松本清張が話を聞きたがっていたと話したこと等
思い出した。

祖母もいろいろ面白い経験をしていただろうから
自伝みたいなものでも書いてほしかったけれど
そういうものもなく、夫縷々の死とともに
時間は止まってしまったようで、祖母が亡くなるときまで
手許に持っていた手帳に縷々が亡くなった日のことが
つづられていた。それ以後の生涯は祖母にとっては
余生だったのに違いない。
夫がすべてで妻ではあったけどいい母ではなかったのかも
しれない。

ファミリー・ヒストリーに取り掛かろうと思い
祖父の日記を見てみた。日記と言ってもエッセイ。聖書のこと
ギリシャ哲学からニーチェまで。トルストイやドストエフスキィについて
祖父は37歳で亡くなるまでものすごい勢いで吸収し考え追及していった
のだろう。
俳句の追悼号には祖母から話を聞き取り、その生涯に触れてあったが
数少ない手ががりとなった。

日記帳にはルノアールやロダン、サンマルコ寺院のモザイクなど
はさんであった。押し花まではさんであり、その直筆に触れ
私が生まれる13年も前に亡くなってしまった祖父を思った。
祖父は私が見たことのある男性の中で一番素敵な人です。
(写真だけですが)
(写真は一昨年5月に母の四十九日法要のあと、昭和記念公園で撮ったものです。)