2月25日
12月18日のメモ
ベンダース監督もみんなスタッフもそうですけど、「この平山さんみたいな生き方、いいな、うらやましいな」って言うんですね。
彼独特のゆったりした時間の流れと、自分の好きな仕事を一生懸命やって、お風呂に入ったり、ちょっとお酒を飲んだりして。
自分でその瞬間、瞬間をこう、満足して、最後は好きな本を読んで眠りにつく。とてもその満足することを知っている男で。
だから本当に自分に与えられたものに満足できるっていうことは、どれだけ豊かな人生かっていうのが、みんながうらやましい
と思うとこなんじゃないでしょうかね。(トークセッションで)
昨年、役所広司さんのインタビューを見てから、ずっと見たかった映画「パーフェクト・デイズ」。
その時のメモを残していました。こういう生き方を見ていると私の友人と何か似ていると思ったからでした。今は仕事は
していなく、世の中との関係をすべて断ち切って、お酒は飲まなくなって物欲も全くないのですが、毎日好きな本を読み、
音楽を聴いたりして一人閉じこもって暮らしていますが、何か満ち足りていて。「幸福なラザロ」にも似ていると思いました。
「彼は何も欲しがらない」というところが。
やっとこの映画を見に行くことができました。雨が降る寒い午後。家の近くの小さな映画館で。
毎日同じことが繰り返えされる暮らしだけど、同じ日はないとゆっくりと話が滑り出します。
外国人が撮るとこんなにも東京が美しいのかと思いました。
東京の美しさ、スカイツリーの写真のカットがとても美しかった。
安藤忠雄が設計したトイレもあるのかななんて思いながら、東京のトイレ事情のすばらしさにもびっくり。
隈研吾、安藤忠雄らが生み出す、アート作品のような渋谷区の公共トイレ
主人公の淡々と繰り返される日々の中にもささやかな人々との接触があり、取り囲む人たちも少しずつ見えてきます。
彼が一番密に身近にあるのが自然です。
エンドロールのあと?にだったか浮かび上がる文字 こもれび
こもれびの揺らぎの下で毎日お弁当を食べながら、フィルムカメラに収めて行く・・・
小さな盆栽のように植物を育てる喜び。
木、自然、失われゆくもの
ヴェンダースの淡々とした語り口と私たちの世代がよく聞いた曲が流れて・・・
命の根源、夢、そしてはかなくつながって行く人々
人との関係の不思議さをふと思う映画でした。
最後のNew Lifeという曲が良かった。早朝の車の中を流れるカセットテープも。
生きることの悲しみとよろこびと
最後の役所広司の泣き笑いがこの映画のすべてかも。
ヴィム・ベンダースも小津のファンであるというのが感じられる映画でした。
でもこの映画は役所広司なしには成り立たないと思いました。
データ
解説
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、
東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭
コンペティション部門で、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は
常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり
人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかの
ように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同した
ベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。共演に新人・中野有紗のほか
田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、人間の内面を
豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞。また、第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。
2023年製作/124分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年12月22日
スタッフ
監督・脚本 ビム・ベンダース
脚本 高崎卓馬
製作 柳井康治
エグゼクティブプロデューサー 役所広司
撮影 フランツ・ラスティグ
美術 桑島十和子
キャスト
平山正木 役所広司
タカシ 柄本時生
アヤ アオイヤマダ
ニコ 中野有紗
ケイコ 麻生祐未
ママ 石川さゆり
ホームレス 田中 泯
友山 三浦友和
映画.com より
ISETANの建物もどこかレトロ・・小学校の頃から変わらない・・
映画でも失われたレトロなもの・・ カセット・テープや、フィルムカメラ、ほうきでの掃除・・
等出ていました。
映画館の前からバスで帰宅。どこにも寄らない・・
家の近くでいい香りと思ったら、沈丁花の香りが・・
雨に濡れてきれいだった。
Feb.25 2024 Shinjuku
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます