Reflections

時のかけらたち

人生フルーツ ・・・ Life is fruity

2018-06-02 23:50:56 | movie


『人生フルーツ』
上映時間91分 ナレーション:樹木希林 監督:伏原健之  プロデューサー:阿武野勝彦
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林の中に佇むモダンな平屋。それは建築家の津端修一さん(90)が、
師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。四季折々のキッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、
妻の英子さん(87)の手でごちそうに変わる。ふたりはコツコツ、ゆくりと時をためてきた、そして90歳の修一さんに
新たな仕事の依頼がやってくる―――
長年連れ添ったふたりの暮らしから、この国が、ある時代に諦めてしまった本当の豊かさへの深い思索がはじまる。





映画人生フルーツ監督・伏原健之さんインタビュー
人生映画フルーツ 津端さんがくれた未来の種

6月1日 金曜日の午後今年、ずーっと見たかった映画をやっと見に行くことができました。
昨年公開され、今年の1月にアンコール上映、ロングランしてどんどん公開日を伸ばして、半年近くの上映も6月で終わるようです。

監督がファンタジーを描きたかったとインタビューに答えていましたが、年金だけでは生きて行けなくなってきている働かなければ
ならない高齢者にとっては憧れの生き方でもあります。

ニュータウンで木々の間を風邪が通るような街を作りたかったのに、かなわなかった。その街に一軒家を建て、木々を植え続け、
里山を作り上げ、キッチンガーデンで自給自足に近い生活を作っていった二人。そのお金をためないで、手間暇かけた暮らし、時間を
ためて行った夫婦から学ぶことがたくさんあります。

定年後、パートではありますが、仕事を続けて行って、もう時間が欲しいと思った今の私の気持ちにぴったりの生き方です。
この年で効率ばかりを求める仕事はもういらない。建築家津端修一さんは晩年自由時間評論家と呼ばれていたそうです。

結婚したての頃、近くを車で通って、これはいったいどういう住宅なんだろうと思っていたどこか夢のような素敵な阿佐ヶ谷住宅は
津端修一さんのかかわった建物だったことがわかりました。映画を見に行った日はたまたまサービスデーで料金も安くなっていたのですが、
今日が津端さんの命日で、何か不思議な感じがしました。ジャニス・ジョプリンのドキュメンタリーを見に行った時はちょうど彼女の命日で
ジャニスのお気に入りのお香が配られたことがあったっけ。

この映画の中で一番感動的なシーンは亡くなった津端さんのお顔のロング・ショットでした。
それはまるで目を今にもあけそうで、そして幸せに満ちたお顔でした。

残された奥様の寂しいというより、空しいという言葉も心に残りました。亡くなられた後もしっかり影膳でお供えを
している姿が映し出されていました。

淡々とした映画で、途中意識も遠のいたところもありましたが、樹木希林のナレーションもとてもぴったりでした。
樹木希林は代表的な女優だと思います。今熊谷守一を描いた「モリのいる場所」も公開中ですが、彼女のインタビューで
出演者も見ていたのだけど、寝ちゃったくらい静かに進む映画だと話していました。庭の世界だけで生きた熊谷守一も少し
共通点がある映画かもしれません。

終わってからもずっと尾を引く映画で、今日イタリア語の前にポレポレによって、本を1冊買いました。「ときをためる暮らし」を
選びました。彼女が80を過ぎているのに機を織っている姿も感動的でした。私が最初に機織りを習った方に雰囲気が良く似ています。
その人は牧師の娘さんだったけれど普通の主婦で、林辺先生のようにプロではありませんでしたが、いろいろなことを教わった先生でした。


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4 コメント

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Unknown (sogno)
2018-06-03 05:51:22
こちらの映画、ずっと観たいと思っていながら、行けずにいます。カンカンさんの記事を読ませて頂いて、やっぱりどうしても行きたいなあ、って思いました。
お二人の本は大好きで、いつも机の上に置いてあります。
返信する
人生フルーツ (カンカン)
2018-06-03 07:31:57
何回も延長して上映期間が延びていたので、先送りしていました。いよいよ6月で最終のようなので、時間をみつけて行きました。
淡々とした風の音とかが聞こえる静かな映画だったので、寝不足気味の私は途中意識が途切れることもあってもう一度見たいくらいです。
彼らの生活すべてがいとおしいのです。

今の職場で親しくさせていただいている方から教えてもらった映画で、彼女も本を持っていて、画家で北海道に住んでいる息子さんも映画を見に行き、本はあげちゃったのと話していました。
返信する
続編? (ゼペットおばさん)
2018-06-03 09:29:37
観なかった?
希林さんと一緒に居酒屋へ英子さんが出かける・・・
シュウタンが結構頑固で難しい人だったとわかって面白かった
返信する
初めて知った人たち (カンカン)
2018-06-03 22:41:27
この映画は地方TV局のドキュメンタリーを劇場公開用に
作り直したみたいですね。
スローライフとか生活スタイルをメディアが飛びついたようですが、本も初めて知りました。
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