見たかったドキュメンタリーです。
岩波ホールでやっていた時に、見逃しました。もう追いつけないのでやめようと思っていたTSUTAYAサブスクでこんなに
素晴らしい映画が見れるなんて嬉しいです。なかなか見たい映画のラインアップがありません。
8月の終わりにやっと見ることができました。
映画『みつばちの大地』予告編
太古の昔から花粉を媒介して多くの生命を支えてきたミツバチの生態を通し、自然界における人間の暮らしのあり方を
問いかけたドキュメンタリー。近年、世界中でミツバチの大量死や失踪が発生しているという事実を踏まえ、祖父の代から
ミツバチに親しんできたというスイスのマークス・イムホーフ監督が各地で取材を敢行。最新鋭の技術を駆使したマクロ
撮影でミツバチの神秘的な生態に迫り、人間の営みが多くの生命を危機にさらしているばかりでなく、自分たちの存在をも
おびやかしているという事実を浮き彫りにする。
2012年製作/91分/ドイツ・オーストリア・スイス合作
原題:More Than Honey
配給:シグロ
劇場公開日:2014年5月31日
監督マークス・イムホーフ
製作トマス・クフス ヘルムート・グラッサー ピエール=アラン・マイヤー マークス・イムホーフ
脚本マークス・イムホーフ
撮影ヨーク・イェシェル アッティラ・ボア
編集アンネ・ファビニ
音楽ペーター・シェラー
ずっと昔、NOVAで英会話に行っていた時、たまたま一人だけだった時に、先生と映画の話や
イタリアの美術について話したりしたときに、進めてもらったインディーズの映画、「アダプテーション」。
映画を見て、蜂のダンスというフレーズがあり、すごく感動したことがありました。スパイク・ジョーンズ監督
カウフマン脚本の刺激的な映画でした。ニコラス・ケイジとメリル・ストリープでしたが、「蜂はそのダンスで
地球を回していることを知らない」と言うセリフです。そのあとにこの映画が封切られたので、行きたかったの
ですが、行きそびれていました。
アインシュタインのみつばちが絶滅すれば4年後に人類は滅びると言ったという衝撃的な言葉が紹介された
この映画は自身が養蜂と身近だった監督の見ごたえのあるドキュメンタリーでした。
人類の食物の1/3はミツバチに依存しているというのは蜂蜜を食べるのではなく、植物が実をつけるために
蜂の助けが必要だということ。
今ミツバチが世界的に大量に死にはじめているのは樹木の花にまく殺虫剤や抗生物質のせいではないかと言われている。
アメリカでの大規模な養蜂事業は資本主義社会の欲の塊のように思えた。ミツバチは今や飼いならされた家畜と
なり、過酷な旅を続け、抗生物質入りの砂糖水なしに生きられなくなっているという。ミツバチは地球3周分飛んで
いるとの説明があった。ミツバチの大量死にはいろいろな要因の複合的なものではないかと言われているが、
一言でいえば、人間の文明のために死んでいると映画ではナレーションがありました。
ミツバチは賢く繊細な生き物と言われていますが、超個体と言う集団の説明が興味深かった。コロニーが個体を超えて
感情を持つ一つの組織とみることができるらしい。意志決定能力もあり、予測から計画も立てられる。
そんなミツバチを人間は従順な生物に変えた。「鏡の国のアリス」の中のように同じ場所にいるために全力で走り続ける
しかないと比喩された。
中国での生態系を壊すようなことや、ブラジルでの失敗などの例が説明されていたけれど、オーストラリアの取り組みに
希望が見えました。将来どんな食べ物が残るかの瀬戸際です。オーストラリアはミツバチは病気に感染されていない
最後の大陸と言われています。遺伝子などを操作することなく、未来のため病気のないオスの蜂を育てています。
太古から花粉を運んで地球の生命をはぐくんできたミツバチ。自然と人間の持続可能な関係が命の未来を守ります。
人間が地球を壊さないことを願うばかりです。
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