ふいに読みたくなった本。
すでに持っている。
どこかにあることもわかっている。
しかも複数(笑)。
でも、すぐに見つからない。
というわけで、また同じ本を買うことになる。
ハードボイルドの名作、ギャビン・ライアル『深夜プラス1』(ハヤカワ文庫)は、まさにその典型だ。
この小説の書き出しがいい。
「パリは四月である。雨もひと月前ほど冷たくはない。といって、たかがファッション・ショーを見るために濡れて行くには寒すぎる。雨がやむまでタクシーはつかまらないし、やめば用はない。数百ヤードの距離だ。いずれにしてもぐあいが悪い」
ここまで読めば、もう主人公ルイス・ケインと一緒にいるも同然。
後は、例によって一気だ。
さて、今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。
誉田哲也 『インデックス』 光文社
平川克美 『復路の哲学~されど、語るに足る人生』 夜間飛行
森 達也 『たったひとつの「真実」なんてない』 ちくまプリマ―新書
戸田奈津子『KEEP ON DREAMING』 双葉社
池谷孝司 『スクールセクハラ』 幻冬舎
横尾忠則、篠山紀信
『記憶の遠近術〜篠山紀信、横尾忠則を撮る』 芸術新聞社
* これらの書評は、
発売中の『週刊新潮』(12月25日総選挙増大号)
読書欄に掲載されています。