碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

何冊目かの、ギャビン・ライアル『深夜プラス1』

2014年12月24日 | 書評した本たち



ふいに読みたくなった本。

すでに持っている。

どこかにあることもわかっている。

しかも複数(笑)。

でも、すぐに見つからない。

というわけで、また同じ本を買うことになる。

ハードボイルドの名作、ギャビン・ライアル『深夜プラス1』(ハヤカワ文庫)は、まさにその典型だ。

この小説の書き出しがいい。

「パリは四月である。雨もひと月前ほど冷たくはない。といって、たかがファッション・ショーを見るために濡れて行くには寒すぎる。雨がやむまでタクシーはつかまらないし、やめば用はない。数百ヤードの距離だ。いずれにしてもぐあいが悪い」

ここまで読めば、もう主人公ルイス・ケインと一緒にいるも同然。

後は、例によって一気だ。


さて、今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。

誉田哲也 『インデックス』 光文社

平川克美 『復路の哲学~されど、語るに足る人生』 夜間飛行

森 達也 『たったひとつの「真実」なんてない』 ちくまプリマ―新書

戸田奈津子『KEEP ON DREAMING』 双葉社

池谷孝司 『スクールセクハラ』 幻冬舎

横尾忠則、篠山紀信 
『記憶の遠近術〜篠山紀信、横尾忠則を撮る』 芸術新聞社

* これらの書評は、
  発売中の『週刊新潮』(12月25日総選挙増大号)
  読書欄に掲載されています。


【気まぐれ写真館】 天王洲界隈 2014.12.23

2014年12月24日 | 気まぐれ写真館