碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

週刊朝日に、『ドラマへの遺言』書評が掲載されました

2019年05月10日 | 本・新聞・雑誌・活字

 

《週刊朝日 話題の新刊》

ドラマへの遺言 

倉本 聰・碓井広義著

 

「前略おふくろ様」「勝海舟」「北の国から」シリーズなど、人気ドラマのシナリオを書いた倉本聰が、脚本家人生を元テレビプロデューサーに語る。

戯曲が好きで、中学2年で小説を書いた早熟な少年時代。ラジオドラマや映画の台本を必死で書いていた駆け出しの頃。東京を離れ、単身渡った北海道での孤独で貧しい生活が「北の国から」誕生につながったという創作秘話も興味深い。

現在放送中のドラマ「やすらぎの刻~道」は、テレビ業界で活躍した人が集まる高齢者施設が舞台で、前作「やすらぎの郷」の脚本を書くきっかけは大原麗子の孤独死だった。

八千草薫、高倉健、浅丘ルリ子、中井貴一といった出演者とのエピソードもいい。「“これが最後”という覚悟がいい仕事を生む」などの言葉が、若い世代にものづくりの心を伝えている。(金田千里)

(週刊朝日 2019年5月17日号 )