碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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毎日新聞で、「宮迫さん、田村さん謝罪」について解説

2019年07月22日 | メディアでのコメント・論評

 

 

吉本興業:闇営業問題 

宮迫さん、田村さん謝罪 

ジャーナリスト・大谷昭宏さん、

碓井広義・上智大教授(メディア文化論)

 

◇吉本の体質変わらず ジャーナリストの大谷昭宏さんの話

一般常識からすると、どこかの段階で「この会合はおかしいのではないか」と気付くと思うが、記者会見でもまだそこを曖昧にしていると感じた。ただ、会見は自分たちの責任を認めつつ、吉本興業の実態や芸人の待遇を明らかにすることに重きがあったのではないか。島田紳助さんの問題から約8年たっても、責任を芸人に押し付ける吉本の体質は変わっておらず、危機管理をしっかりしていないが故に、反社会勢力が芸人に接触しやすくなるという悪循環を生んでいる。

◇「法令順守」の意識欠如 碓井広義・上智大教授(メディア文化論)の話

芸人が事務所を通さずに営業する場合、相手が反社会勢力なのかを十分に検証することができない。メディアを通じて名前が売れて社会的影響力が大きく、世間のコンプライアンス(法令順守)意識も高まっているという自覚が芸人側に欠けていたのではないか。ただ記者会見を通じて、芸人を1人の人間として扱っていないかのような吉本興業の旧態依然ぶりが浮き彫りになった感がある。21世紀にエンターテインメントビジネスを行う近代的企業として疑問だ。

(毎日新聞 2019.07.21