かったかくんのホームページ

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時を刻む古時計

2010年03月24日 | Weblog
親戚の老夫婦で時計屋を営んでいました。しかし、時計は、デジタル化となりそして、老いも感じてきたというので時計屋をたたむことになりました。長年夫婦でやってきた店を閉じるという思いはどうでしょう。時代を生きぬいてきた満足感と、寂しい気持ちが交錯をしているのかもしれません。


 「最後になるから、もし修繕などをする時計があったら言って下さいね。」


 探してみると、二階の使っていない部屋の隅にかけてあった動かない古時計。修理しても動くかなあって思ったものの、とりあえず持って行きました。


「しばらくかかるかもしれないけど。」


と言って預かってくれました。



 ゼンマイ式の時計。幼い頃は、動いていましたが、いつしかほこりをたくさんかぶった状態となっていました。



 そして、先日の休みに修繕をし終わった時計が戻ってきました。磨かれた時計に変身をしていました。一つ一つの部品をていねいに磨きながら、修理をしてくれたのでしょう。


「一週間に一度、ねじをまけばいいよ。」
「ふりこのところの取り扱いに気をつけて。」
と指示を受けました。



 「120年前に製造された時計ですよ。」
ということでした。



 ずっとずっと時を刻んできました。しかし、流行におされて、今までの誇りに埃をかぶった状態となってしまいました。



 振り子がうまく動き、ゼンマイをまきやすいところの場所を選んで、丁寧に据えました。
 


 ねじを巻いて、振り子を動かしました。
昔、懐かしい「カッチン、カッチン。」と音を響かせながら、古時計が十数年ぶりに時を刻み始めました。昭和の時代に戻ったような、幼い頃にタイムスリップしたような気がします。



 時計の針がちょうど8時や9時になると、「ボーン、ボーン。」とアナログの音が部屋中に響きます。父や母、祖父や祖母たちがこの音を聞きながら、時代をつないできました。120年の家での多くの出来事を見つめてきた時計。これからも家庭の新しい歴史を見守りながら時を刻んでいくのでしょう。



 復活した古時計。しかし、おじさん、おばさんもこれからも二人で、いつまでもお元気で新しい時を刻んでいって欲しいと願っています。素敵なプレゼントをありがとうございました。