かったかくんのホームページ

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人の歴史と自然のながれ

2015年05月15日 | Weblog
「沈み橋が完成した」という先日書いた文章に、ある教えた生徒がコメントをくれました。


「沈み橋、完成したんですね。この場所は祖父との思い出がたくさん詰まった場所です!今度通ってみよ☆」


 
おじいちゃんが橋の向こうに住んでいました。しかし、最近お亡くなりました。川や橋にいろんな思い出が詰まっているんだろうなあと思います。


おじいちゃんと渡った沈み橋。賑やかに会話を弾ませながら、すぐ真下に流れる山国川を見ながら歩いたんでしょう。

でももう、いっしょに渡ることはできません。

今度はお父さんとなった教えた生徒が、わが子と手をつないで渡る番です。川も流れています。人の歴史も流れていることを感じます。



 
わたしの家の近くにも山国川にかかっている橋があります。寒い冬のこと。母がけがで入院をしたので、父も入院をすることになりました。というのは、父は、ストマーをつけていたので、そのつけかえは母しかできませんでした。



 
車で父を病院に連れて行くことになりました。父を車の後部座席に乗せました。家の前の道路から橋を渡っているとき、

「また、家に戻ることができるだろうかね。」

と背中越しに父の声がしました。


 
バックミラー越しに、連れ合いが、

「おばあちゃんが退院するときに、一緒に戻ってこれるよ。」


と話しました。父はだまって橋から景色を見ていました。それ以上のことは言いませんでした。それから・・・。2週間後に父は逝ってしまいました。もう橋からの景色を見ることはありませんでした。

橋の上での父の言葉があまりにもせつなかったので、その情景は今でも深く心に残っています。

 


歴史も流れています。山国川の清らかな流れも、これまでの人やこれからの人の思いを浮かべて流れ続けています。



教えた生徒にもおじいちゃんとの思い出を大切にして欲しいと思います。