川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
★自分用メモは、新聞・Webなどのノート書きです。

小泉首相の「靖国で中韓反対に屈さず」という卑怯なごまかし論理

2006-08-15 00:47:24 | Weblog


◇小泉首相が「靖国参拝」で排外主義を煽る

「小泉内閣メールマガジン2006/08/03 ●戦没者の慰霊」の中で、靖国神社参拝について、小泉首相が持論を次のように述べています。

「私を批判するマスコミや識者の人々の意見を突き詰めていくと、中国が反対しているから靖国参拝はやめた方がいい、中国の嫌がることはしない方がいいということになるように思えてなりません。」

小泉首相は、靖国参拝を正当化するために、「中国の反対には屈しない」という姿勢を強調しています。自分の信念を正当化するために外国を利用し、国民の民族感情を揺さぶり、国民のなかの排外主義を煽っています。そしてこれに同調して走り回る「ヤスクニ犬(けん)」という人種がいます。この人種は中国、韓国と聞くと狂犬のようにやみくもにかみつき、ヤスクニヤスクニと鳴くのです。

何というごまかしでしょうか! 靖国神社が戦没者合祀をすることに反対する日本国民は、実に数多くいるのです。中国や韓国が反対するから反対、というのではありません。

自民党の小泉後継総裁選について有力候補と目されていた一人、福田元官房長官は「靖国問題で国論を二分する印象を与えることは対外的に良くない」という理由で、総裁選不出馬を表明しました。自民党の有力者である福田氏が、「国論を二分する」と表現するほど、靖国問題の反対者は日本国民の中に多いのです。

何と嘆かわしいことでしょうか! 自民党の中にさえ反対者がいるものを、すべて中韓に負わせて良しとする卑怯な小泉首相……。




◇亡き戦友は靖国にはいない、故郷の墓にいる(元従軍兵士)

従軍兵士であった和歌山県の本多さん(92)は、2006/07/28付朝日新聞への投稿の中で、次のように述べています。

「私も軍服を着せられ、友を失った。しかし戦友は靖国にはいないと思っている。戦争にかり出されて殺された者が、殺したやつらと同じ屋根の下にいられるはずはない。彼らは皆、故郷の自分の家の墓に戻っている。会いたければそこに詣でればよい。私は3人の亡き戦友の墓に詣でた。」

日本国民の、実際に従軍した元兵士のなかでも、靖国神社に祀られることに「ノー」という人がいます。


◇靖国合祀に「ノー」という戦没者遺族

島根県の僧侶菅原龍憲さん(66)は、靖国神社が遺族の承諾なしに戦没者を祀ったとして、合祀取り消し訴訟を提起しました。戦没者遺族の中にも、靖国合祀に「ノー」という人がいます。

靖国神社には、戦後に、厚生省が戦没者名簿を引き渡し、これをもとに一括合祀されたという経緯があります。遺族の承諾などは求めもしませんでした。靖国神社に合祀されたことを不満に思っている遺族も数多くいるのです。


A級戦犯の広田元首相の遺族も、広田元首相が靖国神社に合祀されたことに反対であると言っています。gooニュース A級戦犯、広田元首相の遺族「靖国合祀合意してない」


◇新宗連が「小泉首相の靖国参拝は憲法20条違反」

数多くの信徒を有する新宗連が、小泉首相ら閣僚の靖国神社参拝は「憲法20条の政教分離に反する」とする小泉首相あての意見書を自民党に提出しました。キリスト教系、仏教系、神道系を問わず、一つの宗教の信仰者であるならば、靖国神社に参拝するわけがありません。そして当然、そうした人たちは、靖国神社に祀られることを望みません。


◇戦没者慰霊を靖国神社に任せることに反対する国民は多い

このように、元兵士の中にも、戦没者遺族の中にも、信仰者の中にも、政党支持者の中にも、戦没者慰霊を靖国神社に任せることに反対する国民がいます。

個人、諸団体のほかに、政党の中では、公明党、社民党、共産党は反対であり、当然、日本国民のうちのそれら政党支持者は反対しています。自民党や民主党の支持者の間にも、反対者はいます。

A級戦犯の合祀に反対する者、そもそも戦没者の靖国合祀そのものに反対する者、首相はじめ公職者のの公式参拝に限って反対する者など、理由は千差万別といえども反対者は多い。

小泉首相は、当然、このような日本国民が多くいることを知っているでしょう。自国民の中に大きな反対を小泉首相は抱えています。

小泉首相はそれをないがしろにして、中国や韓国のみが反対しているかのように装い、国民の中の排外感情を刺激するばかりです。

これは小泉首相が靖国神社のアジテーターに過ぎないことを示しています。

このように浅はかな靖国アジテーションに追随して、中国や韓国に負けるなと声高に叫ぶなら、それこそ日本国民の恥であると私は考えます。

コメント