松竹の日本初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」と「夏子の冒険」で、日本もいよいよカラー時代になってきました。
徐々に力をつけてきたテレビが白黒映像ですから、映画はカラー映像で優位に立とうとしていました。
イーストマン・コダックからネガ・ポジ方式の映画用カラーフィルムが入ってきました。銀塩のカラーフィルムと同じネガフィルムですが、印画紙の代わりに映画館の映写機にかかるようにフィルムに焼きつけます。フィルムのタイプは、タングステン用で色温度3200Kでした。つまり、スタジオのセットの照明はタングステン電灯ですから、そのまま使えます。屋外のロケーションの場合は、色温度変換フィルターをかけて合わせますが、このフィルターは露出が倍になります。しかし、屋外は室内のセットに比べて明るいですから、カラー映画用のフィルムはタングステンタイプになっていました。
当時の、カラーフィルムの感度は低かったですから、セットの照明が大変でした。
このカラーフィルム用に電球のお化けのような大きなランプができました。
なんと電球一個20Kwです。電球も大きかったですが、その入れもの器具が大きくて天井からの滑車で釣り上げてセッティングしました。セットが大きくて広い場面を照明するときは何台もの20Kwのライトが天井にセッティングされました。
リハーサルの時は、20Kwの半分の10Kwに落としてファンで冷却していますが、本番になると、20Kwに切り替えてファンも止めてしまいますから、セットの天井はものすごい暑さになります。
ウォッチマン係は温度計と防火塗料を携えて、天井をいつも見回っていました。
天井に行く照明係は上半身裸で、セットの脇に置いてある塩壺の塩をなめて水を飲んで階段を上ってゆく大変な仕事でした。
徐々に力をつけてきたテレビが白黒映像ですから、映画はカラー映像で優位に立とうとしていました。
イーストマン・コダックからネガ・ポジ方式の映画用カラーフィルムが入ってきました。銀塩のカラーフィルムと同じネガフィルムですが、印画紙の代わりに映画館の映写機にかかるようにフィルムに焼きつけます。フィルムのタイプは、タングステン用で色温度3200Kでした。つまり、スタジオのセットの照明はタングステン電灯ですから、そのまま使えます。屋外のロケーションの場合は、色温度変換フィルターをかけて合わせますが、このフィルターは露出が倍になります。しかし、屋外は室内のセットに比べて明るいですから、カラー映画用のフィルムはタングステンタイプになっていました。
当時の、カラーフィルムの感度は低かったですから、セットの照明が大変でした。
このカラーフィルム用に電球のお化けのような大きなランプができました。
なんと電球一個20Kwです。電球も大きかったですが、その入れもの器具が大きくて天井からの滑車で釣り上げてセッティングしました。セットが大きくて広い場面を照明するときは何台もの20Kwのライトが天井にセッティングされました。
リハーサルの時は、20Kwの半分の10Kwに落としてファンで冷却していますが、本番になると、20Kwに切り替えてファンも止めてしまいますから、セットの天井はものすごい暑さになります。
ウォッチマン係は温度計と防火塗料を携えて、天井をいつも見回っていました。
天井に行く照明係は上半身裸で、セットの脇に置いてある塩壺の塩をなめて水を飲んで階段を上ってゆく大変な仕事でした。