初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

フィルムのサイズ

2009年02月25日 17時48分08秒 | Weblog
  日本写真発達史によると、明治時代に大道楽者の鹿島清兵衛が市川団十郎の等身大の写真を撮ろうと考えます。当時は引き伸ばしという技法がありませんし、密着焼き付けですから、必要な印画紙のサイズと同じ大きさの原板が必要でした。フランスの会社に、全紙の四倍もの大きな乾板(ガラス板に感光材料を塗ったもの)を注文します。次にその乾板を装填するカメラをわざわざ小西六(現・コニカ)に注文したという大がかりなものでした。これが、世界一の大きな写真だそうです。
 
 現在、フィルムサイズの種類はシートフィルムの8×10(エイトバイテン)が一番大きく、次がシートフィルムの4×5(シノゴ)、ロールフィルムの6×8(ブローニー判)、6×6、645(ロクヨンゴ・ブローニー・セミ判)、35ミリ判とあります。
 
 オスカーバルナックはライカを世に出したときに、この小さな原板35ミリから大きな印画を得る方法に引き伸ばしの方法をとりました。「フォコマート」という名称の引き伸ばし機です。しかも、引伸ばし機のレンズはカメラで撮影に使用したレンズを使うようにとライカマウントになっていました。以後、他社製の引き伸ばし機や引伸ばし機用のレンズもマウントはライカマウントになりました。

 35ミリフィルムの入れ物「パトローネ」を発売したコダックは、35ミリカメラの撮影後の巻き戻しや、フィルム装填の面倒くささを解消するために、「インスタマチック」方式を考えました。次に考案された「110(ワンテン)判」、次が「ディスク」、そして「APS判」と矢継ぎ早に出てきました。いろんなサイズのフィルムには、その都度、カメラも用意しなくてはなりませんでした。
 いろいろなサイズのフィルムも根本的な写真の改革には至りませんでした。
 結局、35ミリフィルムとカメラに落ち着きます。そして、デジタル時代に突入します。

 これだけ、いろんなフィルムを出しながら、ビクともしない「コダック」は大した会社です。