昔,組立暗箱(くみたてあんばこ)の名称で
乾板(かんぱん)を使用するカメラがありました。
乾板はベースがガラス板です.
ガラス板に感光材料を塗布した原板です.
… … …
カメラは蛇腹の木製のカメラで
操作する写真師が、撮影に際して
木製の三脚の上に,カメラを取り付けて
カメラにレンズを付ける木製の前板を起こし、
乾板撮り枠側(ピントグラス)の後板を起こして
カメラを組み立てていきます.
カメラを使って撮影するのに順番に組み立てていくので
組立暗箱と言われたのかも知れません.
この組立暗箱はどこで使われたかといいますと
小学校の始業式か学年終わりの
終業式か学校卒業時の卒業記念写真では
必ずこの組立暗箱で撮られていました
… … …
生徒はキレイに並んで写真師は
適当な場所に組立暗箱カメラを組み立てます.
写真師はカメラに黒い幕を被せます。
写真師はこの幕を被って組立暗箱カメラの
後のピントグラスを覗いてピントと構図を
確かめます.
カメラのレンズにはソルントンシャッターが
ついています.
このシャッターはゴムの幕で出来ています
写真師はシャッターを巻き上げます.
シャッターからゴムの細い管がついています。
ゴムの先にゴムの球がついています.
ゴムの球を手で握るとシャッターが切れます.
… … …
写真師は並んでいる生徒に
「動かないで…」
といいながら
ゴムの球を握ります.
シャッターはバルブ撮影です
写真師はゴムの球を握ります.
「一つ、二つ,三つ…」
数えてゴムの球を握っている手を
緩めてシャッターを閉じます.