新聞のプレスカメラマンは長い間
機動性乏しい4×5シートフィルムを使う
1枚撮りの,大きなスピードグラフィクと
一度発光させると,次のショットでは
新しいフラッシュ球を用意しなくてはならない
フラッシュ・ガン付きのカメラを取材に使っていました.
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フラッシュ球を沢山使う取材では
フラッシュ球をむき出しで、カメラバッグ
(ギャジット・バッグ)に、はち切れるほど詰めていました。
ある取材でプレスカメラマンが肩にしていた
ギャジット・バッグが一瞬、閃光が走ったことがありました。
裸で詰めていたフラッシュ球が,何かのショックで
フラッシュ球が全部、発光してしまうという
事故を聞いたことがあります.
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朝日新聞社から
年に1度、朝日新聞報道写真年鑑(朝日新聞報道写真集)が
発行されていました.
写真集を見ると,機動性の乏しいスピグラで
どうして決定的な瞬間をキャッチできるのでしょう
大判フィルムの流麗な色調に、的確なシャッター
チャンスの写真が満載されていました.
この写真集に常連として
吉岡専造(よしおかせんぞう)氏、
大束元(おおつかげん)氏、
船山克(ふなやまかつ)氏が 大活躍でした
アサヒカメラにも作品を発表していました.
スピードグラフィクから
徐々にプレスカメラマンは35ミリフィルムを使う
ニコンF、やキヤノンの35ミリカメラに代わっていきます.
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新聞社のプレスカメラが35ミリカメラになってからも
新聞報道写真集が発行されています.
神業に近い,決定的瞬間の素晴らしい
ショットや、4×5の大きなシートフィルムからの
流麗なトーンが懐かしく感じられました.