日本の企業が21世紀に勝ち残って行くための戦略を、日本政府が標榜する「文化産業立国に向けて ~文化産業を21世紀のリーディング産業に~」という課題である「クールジャパン」に見てみようと思います。
経営者・管理職として、経営士・コンサルタントとして、あなたの生きる道が拓けるかもしれません。
2.今後の日本のグローバル重点市場
2-3 ターゲットとなる重点市場の潜在市場規模と競争優位性
クールジャパンのターゲット市場の重点化を進めるために、潜在的な市場規模と競争の優位性という観点で考察してみましょう。潜在的市場規模は、国毎に分野別にクールジャパンの市場規模の推定を見ることで、それと日本にとって進出・拡大の可能性をはかる優位性があるのかどうかを見ます。
X軸に潜在的市場規模を取り、Y軸に競争優位性を取ってポートフォリオ分析をします。X軸である潜在的市場規模をサイズ別に1兆円未満、1~10兆円、10兆円以上の3つに分けます。Y軸である競争優位性は、低、中、高の3ランクにし、そのマトリックスである9つのセルに分類します。
左下のセルは、潜在市場規模が小さく、競争優位性が低い分野となります。市場も小さく、日本があまり得意としていない分野ですので、通常は、ここに該当する分野を放棄します。ここには、メディア・コンテンツ分野では、インドネシアやサウジアラビアが該当します。化粧品分野では、ロシアと南ア、日用品では、インドネシア、タイ、南ア、茶道など伝統文化の部分では13の国・地域の全てが該当します。
X軸が右に進む従って潜在市場規模は大きくなります。Y軸は下から上に行くに従い競争の優位性が高くなります。従って右上のセルが最も潜在市場規模は大きく、競争優位性が高いことになり、最も有望な分野と言えます。
その分野に該当するのは、ファッション分野で中国、メディア・コンテンツ分野でEUとアメリカ、食の分野で韓国、ロシア、EU、アメリカ、その他分野の日用品部門でEUとアメリカです。市場規模も競争優位性も高いので、まずはこの分野から進出するのが無難な選択でしょう。しかし、ここの企業が進出するとしたら、それをそのまま鵜呑みにして良いのかどうかは、戦略的に判断すべきです。
経産省では、このポートフォリオ分析において、下記のようにまとめています。
将来(2020年頃)の潜在市場規模の大きさと競争優位性(日本文化に対する許容性等)でカテゴリ分けしたところ、中国を中心としたアジア及び欧米が有望市場と推定
図版: 経産省ウェブサイト
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