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■■ 2 再会と転機 2
【本書の読み方】
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。
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【現代】
「昔の人は皆偉いですね。正雪のやったことがよい悪は別にして、彼の没年の四十七の年には、私はまだまだ先生にすべてをおすがりしていましたものね。今も、その延長線上にいますけど・・・」
「いえいえ、育さんは立派です。そのお年のときにはすでに何十人という社員を抱え、成功社長としてテレビや雑誌に紹介されたりしていたのですから」
「それと手、先生の裏方的な動きがあればこそです。経営コンサルタントが、一経営者をマスコミに登場させる仕掛け人の役割まで担うとは知りませんでした」
「仕掛け人などと言うと、何か悪者みたいですね」
「先生、覚えています?初めて先生にあったときのアレ?アレがなければ、先生と再会しても先生に顧問をお願いすることはなかったと思います。ということは、今日の私はなかったかもしれませんね」
「そんなことはないですよ。社長の熱意が、社員を動かし、結果としてマスコミもそれを評価したのであって、私などはたいしたことをしたのではなく、『当たり前のことが当たり前にできる会社づくり』という当たり前のことをやっただけです。それにしてもアレは、私も忘れられないですね」
二人は歩きながら、顔を見合わせた。お互いに、他の人があまり経験できない同じモノを持っている同士であることを確認しあったのである。
「育さんがハワイで数日間のマーケティングをしてからロス空港へ飛んできたときでしたね。飛行機が着いてから五十分以上もたつのに一向に出て来ないので、どうしたものか心配で、アライバル出口のところにいた係員の女性に声をかけたんです。はじめはけんもほろろの対応でしたが、粘りに粘ったらようやく動き出してくれました」
幸は「アレ」を契機に再び昔に帰っていた。
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