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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】3-06 孤立無援 一人の力には限界がある 他に頼れる助けてくれる人がいない

2024-09-21 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語・名言

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】3-06 孤立無援    一人の力には限界がある 他に頼れる助けてくれる人がいない        


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

  第3章 経営に戦略的企画力を
 日本の経営者・管理職は、非常によく勉強をしていますが、耳学問が進みすぎて、それらに振り回されすぎているように思えます。いろいろな経営理論を聞きかじり、そのメリットのみが強調されたお話を聞き、消化不良を起こしていることに気がついていません。そのために「知っているつもり」「やっているつもり」という”つもり”が積もっていて、自社にとって最適な方法が提案されても「陳腐な理論」「古い経営手法」というような位置づけでかたづけてしまっている企業が多いです。
 四字熟語の中には、【心 de 経営】の精神に則る、経営者・管理職の心の糧になる発想が多数見つかります。前章の思考法を用いながら、それを企業経営に活かすことが、“戦略的”な経営に繋がります。企業経営で欠けている【心 de 経営】をいかに読み解いて、戦略経営を行うかを感じ取ってください。
 3-06 孤立無援    一人の力には限界がある
       ~ 他に頼れる助けてくれる人がいない ~


 私事になりますが、会社勤務を辞め、経営コンサルタントとして独立起業して、名刺を作った時のことです。名刺を見ながら「さあ、これから自分のやりたい夢を実現するぞ~」と自分自身に言い聞かせました。クライアントが一社もありませんでしたので、クライアント開拓から始めなければならなかったのです。
 電話でアポイントを取って、訪問し、自分が支援すれば会社は良くなる旨を得々と伝えるつもりでいました。会社勤務時代には、考えてみたこともありませんが、アポイントが取れないのです。アポイントが取れなければ、経営コンサルタントとしての自分の価値を訴えるすべがありません。会社勤務時代には、「会社と言う看板」があればこそ仕事をすることができたのてあったのです。誰もが容易にアポを取れるわKではないことを思い知らされました。
 経営コンサルタントを始め、士業といわれる経営の専門家は、一人で仕事をすることが多いです。例えば経営コンサルタントの多くが独立経営コンサルタントと呼ばれ、成功・不成功は別として、一人で仕事をしている自営業者のひとりに過ぎないのです。そのために、自分自身で何から何までやらなければなりません。時として、責任の大きさに押しつぶされそうになり、そのようなとき、「孤立無援(こりつむえん)」ということを痛感することがあります。
 ご存知のように孤立無援というのは、「自分一人で他に頼ることができなかったり、助けてくれる人がいなかったりという状態」のことです。
 経営コンサルタントは、家族の支援がないとなかなかやってゆけません。それが奥さんであったり、両親であったり、ときには子供であるかもしれません。経営コンサルタントの中には、独身で、一人で生活をしている人もあります。そのために孤立無援感を味あうことが多いかもしれません。
 昨今のように、経営の高度化が進むと経営コンサルタントに対するニーズも高度化してきます。一人の経営コンサルタントがすべての分野の問題に対応することが難しくなってきました。するとここでも益々孤立無権感を味わうことになりかねません。
 そのようなときに助けになるのが仲間です。ところが信頼できる仲間を捜すことは大変難しいでしょう。「肝胆相照(かんたんそうしょう)」は、人間の信頼関係を考える四字熟語です。「肝胆」は、「肝臓と胆嚢」のことですが、転じて「心」という意味です。「相照」は、「お互いに相照らす」ことですので、「肝胆相照」は「お互いに腹の内をすべてさらけ出し、親しくつきあう」という意味です。その逆が「虚虚実実(きょきょじつじつ)」で、「うそと真を織り交ぜた腹の探り合い」ですが、これが転じて「お互いに相手の策謀を知り尽くして闘う」という意味で用いられます。
「肝胆相照」の交際ができる親友のことを「管鮑之交(かんぽうのまじわり)」といいます。中国・春秋時代、斉に管仲と鮑叔牙(ほうしゅくが)という男が、大変仲良いことからこの四字熟語ができました。同様な意味で「刎頸之友(ふんけいのとも)」「刎頸之交(ふんけいのまじわり)」があります。史記に出てきますが、「友人のためなら、たとえ、くびを斬られても後悔しないほどの真実の交友。生死を共にする親しい交際(広辞苑第六版)」という意味です。「水魚之交(すいぎょのまじわり)」も「水と魚の関係のように強く切れない関係」から、同じような意味で使われます。
「真の」という意味で「正真正銘(しょうしんしょうめい)」とう四字熟語がしばしば使われます。「正真」は「ホンモノである」、「正銘」は「由緒正しい名前で呼ばれる」ということから「嘘偽りがない、ホンモノ」という意味です。
 私は、経営コンサルタントとして独立起業したときに、経営コンサルタントの団体に所属していました。経営コンサルタントとして、西も東も解らない時に、先輩コンサルタントからのアドバイスを得ることができました。いろいろな先輩会員がいますので、仲間を捜すことが容易でした。費用はかかりますが、高度な仕事をやりこなすには一人では無理です。仲間とともに仕事をすることの大切さを、無言のうちに教えられました。
 この経営コンサルタント団体では、別項でも記述ていますように「共業・共用・共育」という、奇妙な言葉を使っています。仲間とともに仕事をしながら、ノウハウを共用し合い、ともに育っていこうという考え方です。この行動指針に勇気づけられた人は多いと思います。
 人は、一人では生きて行けないでしょう。個人と個人が緩やかな関わり合いで繋がっているときには余り問題がなくても、他人と共に生きてゆくには、それなりの生き方があります。組織としての結団力が強くなればなるほど、リーダーシップをとれる人が求められます。リーダーの下で働く人が動きやすく条件を整えて、「集団=組織」として活動することにより「1+1」が「2以上」になるような組織になります。
 そのために役割分担をし、各自が自分の責任をまっとうできるようにリーダーが采配を振るいます。しかし、人間というのは、時には病気をしたり、怪我をしたりして働けなくなることがあります。その人が担当する顧客から電話があったときに「本日は、お休みをいただいていますので、出社しましたら対応させます」というお茶を濁すようなやり方で済ませて良いのでしょうか。たとえ、一人欠けても、何らかの方法で欠落したパワーを穴埋めできるのが「組織で動く」ということです。
 企業におきましても、例えば営業パーソンは、受注を首尾良くとれても、仕入や製造部門との連携がうまくいかなければ、発送して、売上に結びつけることはできません。この連携がうまくいけば、顧客に約束した納期より早く収めることができて、高い評価に繋がるかもしれません。
 社会というのは、独立した個の集団です。一人では生きて行けませんので、他の人と良好な関係をいかに作り、保ち、発展させるかが求められます。
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