■【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】5ー03 名論卓説 きれいな日本語を使う ~ 見識の高い人達による優れた意見や議論 ~
四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。
■ 第5章 表現上手で説得力を向上
世の中には、作家でなくても美しい文章を書いて、読者を魅了できる人がいます。アナウンサーでなくても、話し上手な人もいます。プロのナレーターでありませんのに、聞いているだけでほれぼれするような声や話方の人もいます。パワーポイントを使って、難しいことをわかりやすく説明してくれる人もいます。
「話し上手は、聞き上手」という言葉を良く聞きます。「一を聞いて十を知る」という理解力の高い人もたくさんいらっしゃいます。一方、相手の言うことを充分に理解できなかったり、誤解したり、時には曲解したりして人間関係をこじらせてしまう人もいます。
情報提供側として、上手な文章を書いたり、話したり、パワーポイントなどの作図技術など表現力を豊にしたいと願う一方、それとは別の立場で聴取する側におかれたときに、傾聴力をフルに活用し、相手の言いたいことを正確に聞き取れることは、私たちの日常に不可欠です。コミュニケーション上達法を四字熟語から感じ取りましょう。
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世の中には、作家でなくても美しい文章を書いて、読者を魅了できる人がいます。アナウンサーでなくても、話し上手な人もいます。プロのナレーターでありませんのに、聞いているだけでほれぼれするような声や話方の人もいます。パワーポイントを使って、難しいことをわかりやすく説明してくれる人もいます。
「話し上手は、聞き上手」という言葉を良く聞きます。「一を聞いて十を知る」という理解力の高い人もたくさんいらっしゃいます。一方、相手の言うことを充分に理解できなかったり、誤解したり、時には曲解したりして人間関係をこじらせてしまう人もいます。
情報提供側として、上手な文章を書いたり、話したり、パワーポイントなどの作図技術など表現力を豊にしたいと願う一方、それとは別の立場で聴取する側におかれたときに、傾聴力をフルに活用し、相手の言いたいことを正確に聞き取れることは、私たちの日常に不可欠です。コミュニケーション上達法を四字熟語から感じ取りましょう。
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■ 5ー03 名論卓説 きれいな日本語を使う
~ 見識の高い人達による優れた意見や議論 ~
名論卓説(めいろんたくせつ)は、高論卓説ともいいます。見識の高い人達の優れた意見や議論のことです。
テレビを見ていますと、解説者とか、評論家とかいうような人達がすばらしい意見を述べていることがありますが、これはまさに名論卓説といえます。
ある番組で日本語の乱れに関することがテーマの中で、「ら抜き言葉」が俎上の載せられました。ら抜き言葉は、「見れる」というように、本来は「見られる」という表現にすべきところを「ら」という文字が脱落した表現のことです。
ある出演者が「西日本では昔から“ら”抜き表現が普通ですので、許されるべき表現です」と主張しました。別の出演者である、ある大学院の教授は「昨今では日本語の揺らぎの時代に入っているので、このような表現があってもおかしくありません」という意見を出していました。
まさに名論卓説といえる場面なのかも知れませんが、国語学者といわれる立場の人が、国文法というものが存在し、それに反する表現であるにもかかわらず、若者に迎合するだけのような肯定一辺倒な意見に失望しました。容認することは、寛容の精神からあってもしるべきと思います。ただ、単に肯定するだけではなく、「しかし、日本人が誇りとして今日まで培ってきた国語ですので、美しい日本語を守ってゆきたいですね」くらいのことを言って欲しかったです。そうでなければ「日本語の文法というルールを作る立場の人達が、そのルール破りを頭から容認するだけで、無能な評論家的なコメントで終わってしまうのでは、日本語は、益々乱れてしまうのではないでしょうか。
私は仕事柄、社員研修の講師を依頼されることがしばしばあります。その一環で、コミュニケーションについての研修は依頼されることが多いテーマの一つです。私自身は日本語について高い見識を持っているわけではないですが、日本語について講師を務めることが時々あります。
言葉は、相手の受取り方次第では、よい感じを与えないことがあります。例えば、日本語にうるさい経営者を相手に、営業パーソンが”ら抜き言葉”を使ったとしたらどうでしょうか。あまり気にしない人もいるでしょうが、「日本語を乱すような営業パーソンから商品は買えない」ということに繋がることもあり得ます。
現実に、私の顧問先の営業パーソンが、上述のようにお得意先から敬遠されたことがあります。研修の場では、これを例にとって「ら抜き言葉は、西日本では昔から使われているところもあったりしますので、気にしなくてもよいのかも知れません。しかし、このような事例もありますので、相手によってはら抜き言葉を避ける方が良いのではないでしょうか」というようにしています。
近年、「○○コンサルタント」とか「□□の分野でご活躍中の人」などというだけで、アマチュアに毛が生えた程度の人が、偉そうにテレビで得々と話をしていたり、書籍や雑誌でそれらしいことを述べている状況に出くわしたりします。例えば、福島第一原発の災害を見ていますと、「想定外」という言葉を乱発して、災害時の対応にしろ、その後の復旧・復興にしろ、専門家と言われる人達の無力さを目の当たりにしたことは、まだ記憶に新しいと思います。
昨今は、マスコミに騒がれる人があたかも「プロ」であるかのようにいわれています。人を見る目が衰えているといいますか、「マスコミに騒がれる=プロ」と言うような尺度でしか判断できないようです。学歴とか、勤務先の役職名とか、判断材料とする情報がありませんと、その人の真の実力を判断できなくなっているように思えます。
私たちが講師として登壇しますと、主催者がアンケートを採ります。例えば五段階評価で、点数を付けて、それで講師の評価をします。受講者の立場で、アンケートに答えようとしますと、質問の意図が複数に解釈できて、答えに窮することが多々あります。また、5段階の評価に3とか4、あるいは逆に人によっては2など中央値に近い評価となりがちです。それを単に集計するだけで、その講師の評価を正しくできるとは思えないことが多いのです。5段階評価が良くないわけではないのですが、「感じ取って正しく評価するというアナログ評価ができず、このようにデジタル化しないと判断できない傾向が強く、評価者のプロとしてのレベルが低すぎるように思えます。
因みに「懸河之弁(けんがのべん)」という四字熟語があります。「懸河」は急流のことで、これは中国の「隋書」に出てきます。書くことと話すこととは異なりますが、とうとうと流れる川のように、よどみなく話をすることを言います。
言葉というのは、態度と共に相手に与えるニュアンスが異なることがあります。その一例が「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」です。「慇懃」は「非常に丁寧で礼儀正しい様子」を表し、「無礼」は、平素、私たちが使う「無礼な」とか「無礼者」という時と同じ意味です。「言葉や態度などは丁寧ですが、心の中はその逆」というような意味で、丁寧すぎますと、かえって無礼であることを指します。言動が、あまりに丁寧すぎますと、かえって嫌味に感じ、誠意が感じられない、実は返って尊大にこちらを見下しているという思いをされことがあるでしょう。何ごとも、度を過ぎると逆効果になってしまいます。
名論卓説からだいぶ脱線してしまいましたが、一見して名論卓説のように見える場面でも、見方を変えると頭を傾げたくなるようなことが結構あるということを知っておかれるとよろしいかと思います。
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~ 見識の高い人達による優れた意見や議論 ~
名論卓説(めいろんたくせつ)は、高論卓説ともいいます。見識の高い人達の優れた意見や議論のことです。
テレビを見ていますと、解説者とか、評論家とかいうような人達がすばらしい意見を述べていることがありますが、これはまさに名論卓説といえます。
ある番組で日本語の乱れに関することがテーマの中で、「ら抜き言葉」が俎上の載せられました。ら抜き言葉は、「見れる」というように、本来は「見られる」という表現にすべきところを「ら」という文字が脱落した表現のことです。
ある出演者が「西日本では昔から“ら”抜き表現が普通ですので、許されるべき表現です」と主張しました。別の出演者である、ある大学院の教授は「昨今では日本語の揺らぎの時代に入っているので、このような表現があってもおかしくありません」という意見を出していました。
まさに名論卓説といえる場面なのかも知れませんが、国語学者といわれる立場の人が、国文法というものが存在し、それに反する表現であるにもかかわらず、若者に迎合するだけのような肯定一辺倒な意見に失望しました。容認することは、寛容の精神からあってもしるべきと思います。ただ、単に肯定するだけではなく、「しかし、日本人が誇りとして今日まで培ってきた国語ですので、美しい日本語を守ってゆきたいですね」くらいのことを言って欲しかったです。そうでなければ「日本語の文法というルールを作る立場の人達が、そのルール破りを頭から容認するだけで、無能な評論家的なコメントで終わってしまうのでは、日本語は、益々乱れてしまうのではないでしょうか。
私は仕事柄、社員研修の講師を依頼されることがしばしばあります。その一環で、コミュニケーションについての研修は依頼されることが多いテーマの一つです。私自身は日本語について高い見識を持っているわけではないですが、日本語について講師を務めることが時々あります。
言葉は、相手の受取り方次第では、よい感じを与えないことがあります。例えば、日本語にうるさい経営者を相手に、営業パーソンが”ら抜き言葉”を使ったとしたらどうでしょうか。あまり気にしない人もいるでしょうが、「日本語を乱すような営業パーソンから商品は買えない」ということに繋がることもあり得ます。
現実に、私の顧問先の営業パーソンが、上述のようにお得意先から敬遠されたことがあります。研修の場では、これを例にとって「ら抜き言葉は、西日本では昔から使われているところもあったりしますので、気にしなくてもよいのかも知れません。しかし、このような事例もありますので、相手によってはら抜き言葉を避ける方が良いのではないでしょうか」というようにしています。
近年、「○○コンサルタント」とか「□□の分野でご活躍中の人」などというだけで、アマチュアに毛が生えた程度の人が、偉そうにテレビで得々と話をしていたり、書籍や雑誌でそれらしいことを述べている状況に出くわしたりします。例えば、福島第一原発の災害を見ていますと、「想定外」という言葉を乱発して、災害時の対応にしろ、その後の復旧・復興にしろ、専門家と言われる人達の無力さを目の当たりにしたことは、まだ記憶に新しいと思います。
昨今は、マスコミに騒がれる人があたかも「プロ」であるかのようにいわれています。人を見る目が衰えているといいますか、「マスコミに騒がれる=プロ」と言うような尺度でしか判断できないようです。学歴とか、勤務先の役職名とか、判断材料とする情報がありませんと、その人の真の実力を判断できなくなっているように思えます。
私たちが講師として登壇しますと、主催者がアンケートを採ります。例えば五段階評価で、点数を付けて、それで講師の評価をします。受講者の立場で、アンケートに答えようとしますと、質問の意図が複数に解釈できて、答えに窮することが多々あります。また、5段階の評価に3とか4、あるいは逆に人によっては2など中央値に近い評価となりがちです。それを単に集計するだけで、その講師の評価を正しくできるとは思えないことが多いのです。5段階評価が良くないわけではないのですが、「感じ取って正しく評価するというアナログ評価ができず、このようにデジタル化しないと判断できない傾向が強く、評価者のプロとしてのレベルが低すぎるように思えます。
因みに「懸河之弁(けんがのべん)」という四字熟語があります。「懸河」は急流のことで、これは中国の「隋書」に出てきます。書くことと話すこととは異なりますが、とうとうと流れる川のように、よどみなく話をすることを言います。
言葉というのは、態度と共に相手に与えるニュアンスが異なることがあります。その一例が「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」です。「慇懃」は「非常に丁寧で礼儀正しい様子」を表し、「無礼」は、平素、私たちが使う「無礼な」とか「無礼者」という時と同じ意味です。「言葉や態度などは丁寧ですが、心の中はその逆」というような意味で、丁寧すぎますと、かえって無礼であることを指します。言動が、あまりに丁寧すぎますと、かえって嫌味に感じ、誠意が感じられない、実は返って尊大にこちらを見下しているという思いをされことがあるでしょう。何ごとも、度を過ぎると逆効果になってしまいます。
名論卓説からだいぶ脱線してしまいましたが、一見して名論卓説のように見える場面でも、見方を変えると頭を傾げたくなるようなことが結構あるということを知っておかれるとよろしいかと思います。
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