町内の水路に今年もカルガモの親子が現れた。

野鳥には、子育てに成功した場所に翌年も現れるという習性がある。

雛は9羽。

水路は幅2メートルで長さ100メートル。
住宅地内にあり、両側は垂直なコンクリート壁である。
小さな雛が独力で水路から出られるような足場はない。
母鳥は時々首を伸ばして草をついばむが、小さな雛たちは届かない。
カルガモは雛に給餌しないから、雛は自力で採餌するしかないのだが、水路内には餌になりそうなものは見当たらず、しきりに水面の汚れや壁面の苔を食べている。

これが住民提供のカルガモ専用住宅。

毎年のことだが、まもなく住民たちの給餌が始まるだろう。
このカルガモは、人のペットになることで子育てを成功させ、その成功体験を踏襲して、また同じ場所に現れたのだと思う。
野鳥への給餌はいけないこととされているが、この子たちは人の給餌がなければ育たない。
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