「梅雨明けに電力危機」というニュースがあった。
この種の警告は現実感を持って受け止められることが少ない。
しかし、2011年の東北地震時に「計画停電」を経験しているボクには、絵空事とは思えないニュースである。
あの時、自宅エリアは計画停電の対象にされた。
わが家は表の第2グループで、実際に何度かの停電が実行された。
タイムスケジュールは電力の需給状態を見ながら柔軟に運用されたようで、停電の開始は予定より遅れがちで、停電の終了は毎回逆に早めだった。
あらかじめ予定がわかっていたので、停電中はキャンピングカーから100ボルトを引いて自宅のテレビにつなぐなど、いろんな対応が出来た。
忘れられないのは「走行中に交差点の信号が突然消えた」経験である。
停電の予定時刻になると、主要な交差点には交通巡査が立って、信号機の代わりをしていたが、警察官の人数は限られる。
ボクがたまたま警察官の居ない大きな交差点に差し掛かったタイミングに、計画停電が始まった。自宅近くの4車線道路と2車線道路の交差点である。
信号が消えると両道路の車が交差点への進入を見合わせて止まった。
突然だから誰もが判断に迷い、しばらく膠着状態となった。
計画停電の開始だから、待っていても信号は再開しない。
信号が消えたら、道路交通法どおりに優先道路を優先させれば良いのだが、いったん全部の車が交差点の手前で止まったため迷いが生まれたようだ。
その動き出しが面白かった。
4車線道路(優先道路)の先頭車がグズグズと動かないため、2車線道路の車が先に交差点を渡り始めた。それに後続車が続いたから、結果として優先道路側の車列が後回しになった。
今度の電力危機にはセーフティネットとして計画停電も準備されている。
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